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[スペイン、44年ぶりの欧州制覇]粕谷秀樹が語る、スペインの勝因
文:粕谷秀樹 写真:Maurizio Borsari Date:2008.6.30
【お詫びと訂正】
先日掲載致しました当記事の内容が、他サイトの内容と酷似しており、読者の方々には大変ご迷惑をおかけいたしました。内容を訂正させて頂くと共に、ここにお詫び申し上げます。
2008年7月5日 OCNスポーツ編集部

通常、諸先輩、同業者の方の原稿に目を通して勉強させていただいており、資料として保存しておりました。
ところがその原稿を送信してしまったのです。確認を怠るという、あまりにも軽率なミスでした。盗作をするつもりなどございませんでしたが、読者の皆様、ならびにサッカーファンの皆様に多大な迷惑をおかけしたことを、ここに謝罪いたします。
たいへん申し訳ありませんでした。

7月5日 粕谷秀樹
【関連ページ】EURO2008特集
EURO2008特集
 EURO2008のスペインはすばらしかった。PK戦までもつれたイタリア戦も含め、試合内容は申し分ない。

 ただし、あの4バックだけは評価できないのである。S・ラモス、プジョル、マルチェナ、カプテビラ……。一対一の対応はもちろん、フィードの正確性もスピードも及第点とは言いがたい。なぜプジョルとマルチェナは、優秀選手に選ばれたのだろうか。

決勝終盤、差が出た監督の采配の妙
イタリア戦でのPKストップ、チームメートを鼓舞する姿勢など、カシージャスは、セナと並んで、チームの要だった。
(C)Maurizio Borsari
 それでもスペインが44年ぶりの栄冠に輝いたのは、M・セナをピボーテに起用したアラゴネス監督の采配だ。

 ときにはげしく、ときにスマートに、闘争本能と巧みなポジショニングでピンチの芽を未然に摘みとったM・セナの存在があったからこそ、凡庸の域を出ない4バックでも守りきれたのだ。仮に彼がコンディションをくずしたり、あるいは累積警告などで出場停止処分を科されたりしていたら、スペインの優勝はなかったと断言できる。

 たび重なる舌禍で問題視されるアラゴネス監督だが、今回のユーロに限っては無難に切り抜けた。首を傾げるような選手交代はなく、決勝でもつねに先手を打ち、ドイツのレーブ監督を混乱に陥れている。終盤、青年将校の選手交代はまったく意味を成さなかった。

 ただ、アラゴネス監督をもってしても、F・トーレスの扱いには神経を使ったに違いない。とにかく、中盤との呼吸が合わなかった。F・トーレスがサイドに開き、あるいはオフサイドラインを破ったとしても、彼のほしいタイミングでパスが出ず、とくにシャビとの連携は非常にギクシャクしていた。

 足もとにつなぎ、なおかつワンフェイク入れたがる中盤も考え直す必要があるが、F・トーレスも反省すべき点は少なくない。UEFAの技術委員会が作成したデータによると、パス成功率はチーム最下位の49%。2トップの相棒、ビジャのパス成功率が73%を記録しているだけに、F・トーレスのミスは目についた。ファイナルの決勝ゴールに浮かれていると、アラゴネス勇退後の新体制では、レギュラーからの降格も十分に考えられる。

選手層の薄さが響いたドイツ
 さて、ドイツである。バラックが古傷のふくらはぎを痛め、ラームは足首の裂傷により前半で交代。この時点で優劣は決していたのかもしれない。バラックの存在価値はだれよりも大きく、ラームに匹敵するサイドバックは有していない。彼に代わって出場したヤンゼンは、左タッチライン沿いでむだな動きをくり返すだけだった。

 ドイツを率いるレーブ監督にとって、選手層の薄さは致命的だったのではないだろうか。バラック、ラームに加え、シュバインシュタイガーとポドルスキ、フリングスは頼りになるが、その他のメンバーは多方面で不安視されていた。特にメッツェルダーとメルテザッカーの両センターバックはすべてが硬質で、緩急の変化には絶望的なほどもろい。しかもチーム全体の守備意識が希薄だったため、自陣のペナルティーエリア付近で右往左往していた。

 もっとも、ドイツの人材難は数年前から指摘されていた議題であり、育成プログラムが見直されてからも日が浅い。こうした背景から判断すれば今回の準優勝は高く評価していいだろう。準々決勝のポルトガル戦、準決勝のトルコ戦でも、伝統の精神力を存分に発揮した。たしかに、数年前までの“にくたらしいほどの強さ”は感じられないが、2年前に地元開催したワールドカップ(3位)をしのぐ好成績である。レーブ監督(解任の噂もあるが……)も、復活の手ごたえは感じているだろう。性急な人選だけは避けるべきだ。

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