昨年5月に発生した広域の光化学スモッグは、中国から飛来する大気汚染物質が関与しているとの分析を、国立環境研究所などの研究グループがまとめ、23日発表した。九州地方で発生した光化学スモッグは最大で45%が中国の影響によるという。
国内の光化学スモッグの発生に中国の大気汚染が関係しているとの指摘は以前からあったが、影響度合いを数値化したのは珍しい。国環研の大原利真・広域大気モデリング研究室長は「今年も同様の被害が起こる可能性がある」と話している。
国環研のグループは、昨年5月に22都府県で光化学スモッグの注意報が発令された時の状況をコンピューターで解析した。中国から飛来する大気汚染物質がどの程度影響しているのか割合を計算したところ、九州地方の光化学スモッグで40―45%だった。北日本を除く日本全域では25%以上が中国からの大気汚染物質に起因していた。
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