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マーク・フィッツパトリック氏は専門家ですか

2008-05-14 13:13:09 | Weblog
「産経新聞」(2008.1.20)に国際戦略研究所上級研究員のマーク・フィッツパトリック氏へのインタビュー記事が掲載されています。氏は、「パキスタン中部クシャプではプルトニウム抽出が容易な重水炉が建設中で、高濃縮ウランだけではなく、核弾頭を小型化するためのプルトニウム型爆弾の開発も進めている」と答えています。これは正しいでしょうか。

原爆は高速核分裂。周辺の構造にも拠りますが、高濃縮ウランは16kgで、兵器級プルトニウムは8kg(爆縮すれば半分)で臨界。ミサイル搭載可能な核弾頭の重量を1tとすれば、前者が16/1000(1.6%)、後者が8/1000(0.8%)。よって、核弾頭小型化(軽量化)は、ウランかプルトニウムで決まるのではなく、周辺の起爆材・起爆装置・構造材に依存。ウランの広島原爆は4t、プルトニウムの長崎原爆は5t。いまの技術では、同一爆発力であれば、両者とも1tかそれ以下。

ウランかプルトニウムの選択で全体の重量が決まるのでなく、その選択は、核物質準備の容易さだけ。すなわち、遠心分離器での高濃縮ウランの生産には1年間くらいかかるが、原子炉でのプルトニウムの生産には3ヵ月くらい。核武装する場合、原爆約200個くらい製造。よって、プルトニウムの選択は全体の目的を達成容易。
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