米国は、軍事衛星を利用し、常時、各国の主要施設の状況を観測。すべて承知の上での国際政治。軍事衛星では長さ15センチメートルの識別と変形確認まで可能。米国は、軍事衛星情報から、四川地震による軍事核施設(プルトニウム生産炉や再処理工場等)の破壊状況を十分に確認できる能力を有し、確認済み。
米政府だけでなく、日本政府でも、どこの国の政府でも、公式発表内容が常に正しかったかと言えば、そうではなく、政治的発言が目立つ。米政府が公表したイラク戦争の正当性の口実とした「イラク大量破壊兵器保有説」は、米国政府による世論操作であり、根拠もなく、真実でもなかった。バックナンバーに記したとおり、米政府広報局が公表した英国発電・プルトニウム生産炉(ガス炉)製のプルトニウム組成も、真実かどうか確認の方法がない。軍事機密を隠れ蓑にしている。軽水炉プルトニウムどころか、公表された組成(Pu240が19%かそれ以上)かどうかも分からない。そのようなものは信用しないことである。Pu240が19%だとしても、Pu238の割合が少なく、発熱問題は、致命的にならず、通常に実験できるはずである。本物の軽水炉プルトニウム組成ではPu238がその数倍になるため、致命的問題になる。軽水炉プルトニウムかそれに近い組成での核実験実施記録は1件も存在しない。(2008.6.9追加 米国が1962年に実施した英国発電・プルトニウム生産炉のプルトニウム組成は、当時の定義であり(プルトニウム240>7w%)、1977年以降の新たな原子炉級プルトニウム組成での定義ではないとの報告有り(プルトニウム240>19w%)。月刊誌『エネルギー』、2005年11月号)
原子力施設の従事者の低線量放射線の影響はいまだに分かっていない。いまのICRPの考え方は、予防保全の観点から、広島・長崎の疫学調査から、影響の発生する確率を低線量に外挿し、そのまま、"直線モデル"が成立することを前提にしている。しかし、原子力施設の従事者の実際の疫学調査では、矛盾が生じている。リスクの過大評価。では、低線量では、直線モデルでなく、"しきい値モデル"が証明されているかと言えば、そうでない。日本の半世紀の原子力開発においてさえ、非常に、基礎的なことさえ解明されていない。何も分かっていない。それは原子力開発の怠慢。基本的な矛盾の解明すらできていない。原子力開発に論理が欠落。