関西、中国、四国の電力3社は27日、原油高に伴う燃料費の上昇分を電気料金にこれまで以上に反映させるため、9月をめどに電気料金の仕組みを抜本的に見直すと発表した。値上げにつながる料金制度見直しは80年以来、28年ぶり。コスト削減で年末までは料金を上げない方針だが、燃料高が続けば、来年1月から大幅にアップする見通しだ。
電力会社は現在、「燃料費調整制度」と呼ばれる仕組みに基づいて、燃料価格の変動を3カ月ごとに自動的に料金に反映させている。ただこの制度では、燃料の基準価格の1.5倍までしか、値上がり分を転嫁できない。例えば関電の場合、基準価格は1キロリットルあたり2万700円。今年1〜3月の燃料費は2万8900円で基準価格の1.4倍だった。4月以降も値上がりしており「10月には上限を超えて3万2千円になる見通し」という。
超過分は電力会社が丸ごと負担しなければならないため、3社は基準価格を底上げして今後の燃料高に備えたい考えだ。基準価格については北陸電力、中部電力はすでに引き上げを実施しており、東京電力も26日、9月をめどに上げると発表していた。
関電は基準価格の引き上げ自体は9月に実施するものの、その他の経費見直しなどで年末までは電気料金を上げない。中国電、四国電も同様の方針だ。ただ今のような原油高騰が続けば、年明けの燃調制度による見直しでは大幅な料金アップは避けられない情勢だ。