【シンガポール=杉井昭仁】マレーシア治安当局は23日までに、「核の闇市場」を主導し、核関連技術をイランや北朝鮮に拡散させたとされるパキスタンの科学者カーン博士の右腕として暗躍したスリランカ出身のビジネスマン、ブハリ・セイド・アブ・タヒル氏(48)を釈放した。サイドハミド内相が記者団に明らかにした。
タヒル氏はカーン博士の依頼で遠心分離器の部品などをイランやリビアに送ったとして、マレーシアの国内治安法に基づき04年から拘束されていた。内相は「タヒル氏は我が国の治安上の脅威ではなくなったため釈放した。だが、彼は引き続き警察の監視下に置かれる」と語った。