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カーン博士、核拡散の関与を一転否定「拡散は米のせい」

2008年6月17日0時5分

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 【イスラマバード=四倉幹木】「私はいかなる核拡散にもかかわっていない」――。「核の闇市場」を主導したとされ、自宅軟禁されているパキスタンの科学者カーン博士は最近、自らの関与を認めた核拡散疑惑を全面否定している。同国で「核開発の父」と尊敬を集める博士の軟禁解除に前向きな連立政権が発言を黙認しているとみられる。

 博士は04年2月、国営テレビに出演し、「核拡散の証拠を示され私は自ら事実と認めた。全部私の責任だ。許してほしい」と、イランやリビア、北朝鮮への核技術提供に関与したことを告白。ムシャラフ大統領により刑事訴追を赦免される代わりにイスラマバードで軟禁下に置かれた。

 ところが博士は、先月ごろから地元メディアなどの電話インタビューに「ある約束に基づいて、与えられた文書を読み上げただけ」と告白内容を否定している。

 そして「核の闇市場」はアラブ首長国連邦のドバイにあり、西側諸国の人間がかかわっていると主張。自らもそこで核開発に必要な物資を手に入れたとし「我が国の核開発の材料はすべて米国ほかの西側各国からもたらされた。金のために核を拡散させたのは彼らだ」と述べている。

 また「我が国の核開発が中傷されてきたのは、政治のリーダーシップの欠如のせいだ」と暗にムシャラフ大統領を批判。こうした発言は、大統領の辞任を求める連立内閣の思惑と一致した形だ。

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