◇人物と業績を結びつける問題−−小6認知度
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文部科学省国立教育政策研究所は27日、小学6年と中学3年を対象にした社会科テスト(特定課題調査)の結果を公表した。歴史上の人物と業績を結びつける問題(小6)では、ザビエルや雪舟は正答率が高い一方、伊藤博文や勝海舟は低いという意外な「認知度ランキング」が判明。小6で全47都道府県の位置を正しく答えた児童は12・7%だった。【加藤隆寛】
調査は昨年1〜2月、無作為抽出した全国526校約1万6000人を対象に実施。学習指導要領で取り上げている42人の名前に、業績を説明した42の短文を結びつける小6の問題では、ザビエルは正答率98・2%だったのに対し、伊藤博文は37・7%、明治天皇は37・5%だった。
近現代の人物ほど正答率が低く、同研究所は「同時代に活躍した人物が多いため」などと分析。明治天皇は「五箇条の御誓文を出した」が正解だが、「大日本帝国憲法をつくる仕事に当たった」の伊藤博文と混同した誤答が多かった。
一方、同時に実施した学校へのアンケートで、「人物年表や人物事典づくりなど表現活動を(指導に)取り入れた」と答えた教師の担当児童は正答率が高かった。
都道府県名から地図上の位置を選ぶ問題(小6)では、47都道府県の平均正答率が54・7%。福井と徳島の39・9%が最低だった。鳥取を島根の位置(誤答率18・7%)としたり、秋田を岩手の位置(16・6%)とするなど、隣接県と間違えるケースが目立った。47都道府県の位置は、来年度から先行実施される新学習指導要領で小3〜4年生で必ず学ぶようになる。
複数の資料から課題を見つけてまとめる力は、発表・討論などを含む「問題解決型」の授業を実施している学校ほど高い傾向が見られた。同研究所は「問題解決的な学習の経験を継続的に積ませることが重要」と指摘している。
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