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淀川水系ダム問題:論議活発化 大津、甲賀、栗東3市が推進で要請書 /滋賀

 ◇市民団体は反対

 大戸川ダム(大津市)などの建設を盛り込んだ淀川水系の河川整備計画案を国交省近畿地方整備局が発表したのを受けて23日、ダム建設について賛成、反対双方の立場から三つの動きがあった。まず、同川流域の大津、甲賀、栗東3市がダム推進を嘉田由紀子知事に求める緊急要請書を提出。県議会の自民会派も同様の申し入れをした。これに対し、市民団体はダム建設に反対する申し入れ書を出すなど同ダムをめぐる議論が再び活発化してきた。【鈴木健太郎、近藤希実】

 3市の要請書は、同局の諮問機関「淀川水系流域委員会」が4月に「ダム建設は不適切」と整備計画原案の最提示を求めた意見書を出した点について「市民が安心して暮らせる地域作りを最優先して取り組む流域自治体の思いとかけ離れている」と批判。知事がこの意見書に同調的なコメントを発表していることについて「大きな不安と懸念を感じる」とした。そのうえで、国から整備計画案に対する意見を求められた際には、ダム推進の「願い」をくんだうえで、先延ばしせず、提出するよう求めている。

 この日は大津市の佐藤賢副市長と甲賀市の田中宗治郎・建設部次長が県庁を訪れ、田口宇一郎副知事に要請書を提出。佐藤副市長は「知事は県民の生命・財産の安全確保を優先してほしい。国の来年度予算概算要求に間に合うよう、夏のうちに決断を」と求めた。

 ◇知事意見を要求、湖翔クも申し入れ

 また、県議会の「自民党・湖翔クラブ」は同日、知事に緊急申し入れ書を提出。それによると、同計画案について関係市町に早急に意見を照会し、知事意見を同局に提出することを求めた。

 これに対し、知事は「ダムがあれば堤防は要らないと言うが、県内は堤防でしか対応できない河川が多い。命を守る立場としては堤防強化をやりたい」などと語った。また、同会派はRDエンジニアリング社の産廃処分場跡地の有害物質問題についても申し入れたが、知事は「地元の理解を得られるよう最大限努力する」とした。

 一方、環境保全を考える市民団体「びわ湖の水と環境を守る会」(畑明郎代表)は知事に反対を促す要請文を提出すると共に、同局にも撤回を申し入れた。同会は知事に「公約の『ダムは凍結、見直し』の立場を貫いてほしい」と要望した。

毎日新聞 2008年6月24日 地方版

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