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【死刑判決で本村さん(4)完】「不正義まかり通る国でないと信じてきた」 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:刑事裁判
「犯罪報道が大きく変わったと思います。今まではどうしても被告人に注目が集まり、被害者にはなかなか関心が集まりませんでした。しかし、こうして発言する場を設けていただいたことで、社会に問題が周知され、いろんな法の不備が明らかになり、法の整備が進んだと思います。犯罪被害者の実情について報道が社会に知らせたことで、改善しようという当たり前の動きが起きたのだと思います」
−−今回の判決は本村さんの中で区切りとなったのですか
「今まで本当に、妻の家族には申し訳ないと思って生きてきました。人間ですので、あだをとりたいと思いましたが、私の手ではできませんし、司法に委ねるしかありませんでした」
《事件発生から9年もの歳月が流れた。これまでの長い道のりを思い返し、時折声を詰まらせる》
「遺族みんなで裁判を傍聴してきましたが、それが報われたということで、9年間辛い日々が無駄ではなかったと思えます。すべての気持ちは晴れないですが、少なくても司法という場では2人の無念を報いることができたという気持ちは今は持っています」
−−9年間という長い月日を支えてきたものは何だったのでしょうか
「この質問は非常に難しい質問ですが、妻と娘の命を無駄にしたくないと思い、犯罪被害者としての活動は続けてきました。そして、裁判を最後まで腐らずに傍聴することができたのは、必ず正義が実現される、この国は絶対に人の命を軽んじ、不正義をまかり通せる国ではない、どこかで遺族の思いを司法が酌んでくれると信じてきたからだと思っています」
《会見は午後1時10分ごろ、約40分で終了。本村さんはその場で立ち上がり、報道陣に深々と頭を下げる。カメラのまばゆいフラッシュを浴びながら、本村さんは会見場を後にした》
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