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【死刑判決で本村さん(4)完】「不正義まかり通る国でないと信じてきた」 (1/2ページ)
−−すべての被害者や遺族が本村さんと同じように行動し、発言できるわけではない。そういう意味でも、もっと被害者支援を拡大すべきだと思うか
「多くの被害者は、私のように意見を述べることはできないでしょう。私は本当に特異な例。声を上げることもできず、犯罪によって窮地に追い込まれている方々を社会は救う手だてを見つけなければならないと思います。例えば、社会の枠組みの中で、生活支援や経済的な支援を行ったり、刑事裁判に参加する被害者の方に弁護士が国選でつけたり、といったことも必要ではないでしょうか」
−−これまでも今回も、会見では努めて感情をおさえているようだが
「そう思って臨んでいます。人間は当然感情的になることもあるが、被害者支援や刑事裁判の問題をもっと冷静に、理屈で考えてもらわないと意味がないと思いますから」
−−被告側は再上告すると思われるが、今後の裁判についてどう考えるか
「再上告も権利なので、すればいいと思いますが、ほころびのない素晴らしい判決なので、最高裁は棄却してくれると思う。ただ、迅速に処分を決定してもらいたいというのが遺族一同の思いです」
《この質問の直後、記者会見場に被告側が上告したとの連絡が入った》
「そうですか。権利ですから、すればいいと思います」
−−過去に「高裁の判断を事実だと受け止めて生きていく」とおっしゃっていたが、その気持ちに変わりはないか
「私が今まで信じてきた事実が真実だと改めて高裁が示してくれたと思っています」
−−今回の死刑判決が新たな判例になる可能性もあります
「今回、司法が過去の判例にとらわれず、個別の事案を判断し、新たな判決を下したのは大きな意味があったと思います。ただし、それで死刑のハードルが低くなるというのではなく、個別の事案で判断すべきだと思っています」
−−社会や制度がどのように変わったと考えますか
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