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【死刑判決で本村さん(3)】「弁護人の正義は黒を白やグレーに変えることではない」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:刑事裁判
−−毎回、遺影を抱えて傍聴されているが、今回は特別な思いはあったか
「今まで遺影の2人は聞くに耐えない弁論や、許せない判決を聞いてきたと思う。今日は納得できる判決を聞いてくれたはずです」
《法廷で裁判長が主文を言い渡した瞬間、本村さんは硬い表情だったように見えた。そのときのことを聞かれると、言葉を選ぶように数秒間、考え込んだ》
−−主文を言い渡された瞬間の思いは
「言葉にはできませんが…。万感の思いはありました。非常に重い判決だと受け止めました」
−−弁護団に対して言いたいことは
「弁護団にコメントするとあらぬ批判が浴びるのではと恐れていますけど…。刑事弁護における弁護人の正義は、事実を歪曲(わいきょく)したり、黒を白やグレーに変えることではないと思います。差し戻し控訴審での新供述は被告が自ら言い出したことなのか、弁護側と協議して決めたことなのか、わかりません。刑事弁護の正義は事案の真相究明にあると信じているが、事案の真相から遠のかせる弁護方針だったのなら、それは正義ではないと思います。そういった意図を持って弁護団が形成され、弁護がなされたのなら十分に反省すべきだし、こういった判決を招いた一因であることは認識しないといけないと思います」=(4)へ続く
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