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【死刑判決で本村さん(3)】「弁護人の正義は黒を白やグレーに変えることではない」 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:刑事裁判
−−9年間で日本の司法風土はどのように変わったか
「私が裁判にかかわった当初は、被害者の地位や権利はありませんでした。それが9年間で、意見陳述権や優先傍聴権が認められた。これからは被害者参加制度もできて、被害者が当事者として刑事裁判の中にはいることができる。司法は大きく変わっていると思う。これから裁判員制度をにらみ、司法が司法試験を通った方だけではなく、被害者も加害者も一般の方も参加し、社会の問題を自ら解決するという民主主義の機運が高まる方向に向かっていると思っています」
−−いまなお問題点と考えることは
「すべてが解決したわけではありません。今回は9年という歳月がかかっています。これは長いと思います。今後、裁判の迅速化の問題を検証する余地はあると思います」
−−これまで、18、19歳の犯罪は少年法と刑法のグレーゾーンだといわれてきた。今回の死刑判決で裁判の流れは変わっていくと思うか
「今後、刑罰を判断する際に、今回の判決を引用したり参考にすることもあると思います。ただ、個別の事案ごとに何を科すべきか、裁判員制度が導入されれば、司法と国民がそれぞれの価値観で考えるべきだと思っています。刑法の目的は刑罰を科すことだけではありません。判決を受け、社会はどうすれば犯罪を減らせるのかを考えるきっかけになる判決になってもらいたいと思います」
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