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【死刑判決で本村さん(1)】「彼も覚悟していたんじゃないかと…」 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:光市の母子殺害事件
−−常に葛藤(かっとう)が続いてきたと思いますが、実際に判決を受け取った気持ちは
「決して喜ばしいことではない。厳粛な気持ちでこの判決を受け止めています。遺族としては満たされたのですが、社会にとってみれば事件をめぐり私の妻と娘、そして被告の3人の命が奪われることになるわけで、これは明らかに社会にとって不利益なことです。私はこの事件にあって、いわゆる刑法というものは社会正義を維持するための手段だと思っています。たいへん重い判決が出されましたが、それで終わるのではなくて、私たちもこの重い判決を受けて、今後の人生をまっとうに生きていかなければならないと思います。社会のみなさまにも、どうすれば犯罪も被害者も生まない、死刑という残虐な刑が下されない社会になるのか考える契機にならなければと思います。死刑の存廃が騒がれるようになるかもしれませんが、刑罰がどうすれば社会が安全で平和な環境を作れるか考える契機になることを願います」
−−今日の判決が出るまでに9年という月日が流れましたが
「長いか短いかというのは簡単に言えないのですが、遺族にとって9年は非常に長い。9年の時間をかけて熟慮に熟慮を重ねて出された判決ならばよりいっそうの重みが増すと思いますので、時が来てこの判決が言い渡されたんだと思います」
−−被告が傍聴席を向いて頭をさげましたが、その様子を見てどう思いましたか
「私は今まで被告が退廷するまで見ないようにしていましたが、今日はずっと見ていました。あまり感情を読み取ることはできませんでしたけど、彼もどこかでこの判決を覚悟していたんじゃないかなと思うほど落ち着いていたという印象を受けました」=(2)に続く
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