去年11月の中東和平会議での合意事項に反して、イスラエルはヨルダン川西岸地区への入植地の建設を急速に拡大させています。さらに、この入植地で過激なユダヤ人がパレスチナ人を襲撃する映像が公開され、批判が高まっています。
覆面をした数人の人物、そして・・・。これはイスラエルが占領を続けるヨルダン川西岸地区で、ユダヤ人入植者がパレスチナ人を襲撃したとされる映像です。
映像を公表した人権団体によると、この地区を「神から与えられた約束の地だ」とする過激なユダヤ人入植者によるこうした襲撃は、後を絶たないというのです。
第三次中東戦争でイスラエルが占領した西岸地区には、その後、実に44万人ものユダヤ人が入植。和平が進まない大きな理由となっているこの問題ですが、隣接するパレスチナ自治区からは、今も入植地が拡大する様子がはっきりと確認できました。
「目の前の入植地は数年前まではなかったのです。最近はすごいスピードで拡大していって、大きな街になってしまったんだ」(パレスチナ人の青年)
去年の中東和平会議では、入植地建設の凍結が合意されましたが、イスラエルは、それを無視する形で会議後に次々と入植地拡大を計画。14日にも新たに1300戸の住宅建設を発表したのです。
「(入植地建設という)こうした行動は和平交渉に実に悪影響を与えるものです」(アメリカ ライス国務長官)
これまでも和平の機運が高まると入植地の増設を進めてきたイスラエル。入植の既成事実化を進めるこうした姿勢は、パレスチナのみならず、今、国際社会の強い反発を招いています。(20日09:50)