日弁連制作の映画「つくられる自白」のDVD
03年の鹿児島県議選をめぐる選挙違反で起訴された被告12人全員が無罪になった「志布志事件」に巻き込まれた人たちの証言から、捜査の問題点に迫ったドキュメンタリー映画「つくられる自白〜志布志の悲劇」が完成した。制作した日本弁護士連合会は「映画を見てもらえれば、なぜ冤罪事件が起きるのかが分かる」としている。
警察署の留置場を「代用監獄」に使った長期拘置、自白を強いる取り調べ、家族の言葉を勝手に書いた紙を踏ませる「踏み字」の強要。45分の本編は、事件で浮き彫りにされた数々の問題を再現した。
被害者が裁判で証人として出廷する直前に、検察官から「勝手なことはしゃべらないように」と脅しとも取れる電話を受けたことを示す録音テープも初めて公開されるという。
日弁連がドキュメンタリー映画を制作するのは初めて。全国各地で上映することで「取り調べの可視化」の必要性を訴えるとともに、来年始まる裁判員制度で「市民が刑事司法をチェックする」という意義を広く市民に感じてもらうきっかけにしたいという。
日弁連は23日午後6時から、東京・霞が関の弁護士会館で試写会を開く。参加の申し込みと問い合わせは、日弁連法制第二課(03・3580・9925)へ。