18日午前9時25分ごろ、東京都杉並区和田の区立杉並第十小(宮山延敬校長、児童388人)で同区和田2、会社員、中村俊晴さん(44)の長男で同小6年の京誠(きよまさ)君(12)が校舎屋上にあるドーム状のアクリル製採光用窓(厚さ4.5ミリ、高さ約70センチ、直径約130センチ)を突き破り1階に転落した。京誠君は病院に搬送されたが、全身を強く打ち約4時間後に死亡した。警視庁杉並署が詳しい原因を調べている。
調べなどによると、京誠君は算数担当の女性教諭(49)の引率で、児童25人と「10メートル歩いて何歩になるか」(1時限目)をテーマにした授業を屋上で受けた。終了後、教諭が児童を出入り口に誘導中、京誠君が採光用窓に乗り、ドームとその下のガラス製窓(厚さ約7ミリ)を突き破り、約12メートル下の1階多目的用ホールの床に転落した。窓の下は吹き抜けで1階にいた教諭が発見した。
事故を受け、杉並区の井出隆安教育長らが会見し、屋上の出入り口は通常は施錠されているが、この日は授業で広いスペースが必要だったため、鍵を開けて使っていたことを明らかにした。女性教諭は屋上の使用を校長らに報告しておらず、アクリルの覆いに乗ると危険なことも児童に注意していなかったという。井出教育長は「児童が上に乗ることを想定していなかった。安全であるはずの学校で事故が起き大変申し訳ない」と謝罪した。【酒井祥宏、前谷宏、内橋寿明】
毎日新聞 2008年6月18日 21時00分(最終更新 6月18日 22時19分)