南海の復刻版ユニホームを披露するソフトバンクの川崎内野手=3月18日、木村健一撮影南海電鉄難波駅の売店で売られている南海のユニホーム。4種あるサイズで、LとOが売り切れていた=6日午前、大阪・難波、小玉重隆撮影
プロ野球は導入4年目のセ・パ交流戦のまっただ中。ふだんは見られないチームの対決はもちろん、この時期だけの限定ユニホームも、野球ファンの注目を集めている。中でも人気を博しているのが、昔のユニホームの復刻版だ。6日夜に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる阪神―ソフトバンク戦では、「南海ホークス」が復活する。
肩から袖に、太い濃緑のライン。左腰には小さな「腰番号」が入る。南海黄金期の1959〜68年に使われていたユニホームは、地元・大阪のオールドファンには思い出深いデザインだ。
ファン向けの南海ユニホームも約2千着、販売が始まっている。4日から南海電鉄沿線の駅売店やコンビニに置かれ、サイズによっては早くも完売。6日は甲子園球場のタイガースショップにも南海グッズコーナーが設けられる。
38年創設の南海球団は88年オフ、ダイエーに身売りし、本拠も福岡へ移転された。さらに05年からソフトバンクに変わったが、球団創設70周年と福岡移転20周年の記念に企画された。球団は当初、親会社に遠慮して「南海風のユニホーム」という案も出たが、孫正義オーナーの「歴史に感謝するならば、中途半端なものはよそう」という一声で、南海時代そのままのものに決まったという。ソフトバンクの文字は、肩のワッペンにしか入っていない。
当初は6日1試合の予定だったが、ファンの反響が大きく、8月3、4日のオリックス戦(京セラドーム大阪)でも着用することになった。
ソフトバンクは5月に、ダイエー時代のユニホームも着用。ヤクルトも、アトムズ時代の復刻版を着た。西武は交流戦終了後の28日から5カードを「ライオンズ・クラシック」と称して、西鉄時代の復刻版を使用する。
復刻版ユニホームは、阪神が交流戦1、2年目の05、06年に採用して注目を浴びた。昨年からは交流戦専用の新ユニホームを作製。今季は「野生の虎」をイメージしつつ、軽量化をはかった。「動きやすい」と選手の評判は上々だが、営業サイドは「斬新なものを提供するのはファンサービスの一環。しかし、復刻版の方が交流戦後も売れ続けた」。来年以降は、球団創設(35年)当時の大阪タイガースのユニホームの復刻なども検討するという。(野村周平)