日豪首脳会談に臨むラッド首相(左)と福田首相=12日午前、首相官邸、松本敏之撮影
福田首相は12日、オーストラリアのラッド首相と首相官邸で初めて会談し、終了後に安全保障や経済、気候変動問題など包括的な協力関係を強化する共同声明を発表した。豪州が反対する調査捕鯨については会談で双方が「友人間の意見の不一致」とし、日豪関係の阻害要因にはならないとしたが、今後も議論は続けることになった。
声明では、政権発足当日に京都議定書を批准したラッド首相の姿勢を日本側が支持。09年末までにすべての主要排出国が参加する国際的枠組みが必要とした。50年までの温室効果ガス半減を掲げた福田首相の「クールアース推進構想」をラッド首相が評価したうえ、中印など新興経済国も「責任と能力に応じて意味ある貢献を」と強調した。
また日豪安保共同宣言を着実に進めることで一致。11月に外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を開くことや、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)での協力も盛り込んだ。
ラッド首相はアジア・太平洋の地域共同体構想を提案。福田首相も同地域の将来を議論することが重要だとした。