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発生確率99%:必ず来る県沖地震 震災の教訓、生かしたい /宮城

6月11日13時2分配信 毎日新聞


 ◇あす、各地で防災訓練−−仙台市は市民参加型で実施
 ブロック塀の倒壊などで28人が犠牲になった78年6月12日の県沖地震から30年。教訓を生かすため、「県民防災の日」の12日、県内各地で防災訓練が行われる。仙台市は市内7カ所で市民参加型の防災訓練を行い、再来が確実視される県沖地震への備えを強化。県も各市町村の担当者ら約800人に呼び掛け、開始時間未公表の「6・12総合防災訓練」を実施する。【青木純】
 仙台市主催の「仙台市総合防災訓練」は、県スポーツセンター跡地(青葉区川内)と市立立町小(同区立町)を主会場に、午前9時から開始。その他の地域でも、午前8時から市立虹の丘小(泉区)で、同8時半から▽市立枡江小(宮城野区)▽市立金剛沢小(太白区)――で、同9時から市立大和小(若林区)、同9時半から市立栗生小(青葉区)で訓練を行う。
 訓練には一般市民に加え県警、自衛隊、東北電力など250機関・団体から計約1万人の参加を予定。午前7時に最大震度6強の地震が発生したと想定し、事前に申し込みをした人は訓練会場への移動途中にも▽けが人の救護▽火災の消火――などを行う。雨天でも決行する。
 今回の訓練では、避難所の設置・運営を特に重視。市消防局防災安全課は「女性の視点に立った避難所の運営など、震災時にはさまざまな配慮が必要になる。実践的な訓練で震災に備えたい」としたうえで、「地震が起きれば、隣人同士で助け合えるかどうかが明暗を分ける。事前申し込みしていない人でも積極的に参加してほしい」と呼び掛けている。
 一方、県と地方機関、各市町村は同日午前、「県沖を震源とする地震が発生し、県全域が震度6強の揺れに襲われた」との想定で訓練を行う。
 発生時間は事前に指定せず、村井嘉浩知事ら災害に関係する全職員を抜き打ちで招集。徒歩や自転車による登庁訓練や、山形県との連携訓練などを実施する。村井知事は「地震発生から30年目の節目の年。私も自転車で登庁し、災害時の初動体制を確認したい」と話している。
 ◇県沖地震とは−−平均37年間隔、近い将来確実視
 県沖地震は、政府の地震調査研究推進本部のまとめによると、平均37・1年間隔で発生。前回の発生から30年がたち、近い将来の発生は確実な情勢だ。
 ◆死者28人、負傷者1万人強
 前回の県沖地震は、78年(昭和53年)6月12日午後5時14分に発生した。震源は石巻市・金華山沖約60キロ、深さ約40キロの海底で、地震の規模を示すマグニチュードは7・4。仙台市や石巻市、岩手県大船渡市などで震度5の揺れが観測された。
 地震による死者は28人(うち1人は福島県国見町で被災)。うち12人が倒壊したブロック塀の下敷きになって亡くなり、門柱3人▽石壁2人▽墓石1人――と屋外の構造物倒壊による死者が半数以上を占めた。けが人は県内だけで1万962人に上り、住宅は1377棟が全壊、6123棟が半壊した。
 被害はライフラインにも広がった。断水や給水トラブルは約8万8000世帯で発生し、復旧まで9日間を要した。電気の供給トラブルは約42万世帯で最長38時間、都市ガスは16万戸で供給が止まり、全面復旧まで約1カ月かかっている。
 ◆同じ場所で周期的に発生
 県沖地震は、太平洋プレート(岩盤)が陸側のプレートの下に沈み込んで、ひずみが蓄積。陸側のプレートが跳ね上がる際に揺れが起きる「海溝型地震」に分類される。エネルギーの蓄積は絶えず行われるため、このタイプの地震には同じ場所で周期的に発生する性質がある。
 前回の県沖地震発生を起点にすると、今年6月現在、平均発生間隔(37・1年)の81%が経過したことになる。政府の地震調査研究推進本部の長期評価(基準日・今年1月1日)は「30年以内の発生確率は99%」としている。同本部が長期評価を行っている地震では最も確率が高い。
 ◆連動型なら前回超える揺れに
 県沖地震が再発すれば、どの程度の揺れが起こるのか。県が04年3月に公表した「第3次地震被害想定調査報告書」によると、78年の地震と同規模の「単独型」の場合、マグニチュードは7・6で仙台平野や大崎市古川などで震度6弱〜6強の揺れが予想される。
 一方、最大級の地震として想定されている、複数の震源域が同時に活動する「連動型」の場合、マグニチュードは8・0に達し、「単独型」よりも震度6強の範囲が拡大。県北部の沿岸では、広範囲で津波が起こり、本吉町では最大約10メートルの津波も予想される。
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 ◆宮城県沖地震と評価された過去の地震◆
  発生日       発生間隔  規模(M) 津波
1793年 2月17日       8.2程度 有
1835年 7月20日 42.4年 7.3程度 不明
1861年10月21日 26.3年 7.4程度 有
1897年 2月20日 35.3年 7.4   有
1936年11月 3日 39.7年 7.4   有
1978年 6月12日 41.6年 7.4   有
 (政府の地震調査研究推進本部まとめ)

6月11日朝刊

最終更新:6月11日13時2分




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