わが国は,別項のとおり32ヵ国(昭和47年3月31日現在)との間に査証免除取決めを結び,3ヵ月ないし6ヵ月の短期間(ニュー・ジーランドのみは30日間)の観光,商談などで,生業につくことなく,わが国に入国しようとする外国人に対しては,査証を免除することとしている。これらの査証免除取決めの対象となる者,ならびに法務大臣から再入国許可を得て再入国しようとする者のほかは,外国人はすべて原則として外国にある日本の大便館,総領事館あるいは領事館において,有効な旅券にわが国に入国するための査証を受けていなければわが国に入国することは出来ないこととなつている。
1971年中(1〜12月)に,わが在外公館において発給した査証の種類別件数および比率は,次のとおりである。
また,過去5年の地域別統計は別表のとおりであるが,その合計に明らかなように査証の発給件数は年をおつて増加している。これはわが国と諸外国との友好,通商経済関係が緊密化するに従って,人的交流がますます盛んになりつつあることを如実に示すものといえよう。さらに,1971年中の査証件数を地域別にみると,北米地域が最も多く,全体の49.1%にあたる171,464件となつており,次いでアジア地域が37.8%を占め,132,016件であり,これら両地域の合計は,全体の86.9%を占めている。
わが国が査証相互免除の取決めを結んだ国の数は,合計32ヵ国となつた。(この中の18ヵ国については査証料の免除についても取決めている。)これらの国を取決め締結の順に示すと次のとおりである。
ドイツ,フランス,テュニジア,イタリア,オランダ,ギリシャ,ベルギー,デンマーク,スウエーデン,ノールウェイ,ルクセンブルグ,スイス,ドミニカ,トルコ,オーストリア,フィンランド,パキスタン,アルゼンティン,コロンビア,連合王国,カナダ,スペイン,アイルランド,アイスランド,ユーゴスラヴィア,サンマリノ,チリ,ニュー・ジーランド,イスラエル,シンガポール・ペルー・メキシコ。
上記のほか,わが国はインド,フィリピン,ソ連,米国,およびオーストラリアとの間に査証料の相互免除あるいは減額についての取決めを締結しており,中でも,米国およびオーストラリアとの間は相互に4年間有効の数次入国査証を,またニュー・ジーランドとの間には2年間有効の数次入国査証を発給することを約している。したがつてそれらを含めると査証に関する取決め締結を行なつている国は37ヵ国に上つている。