皇太子さまが英国のオックスフォード大に留学した当時の様子を記した「テムズとともに 英国の二年間」(学習院教養新書、93年出版)をブラジル・サンパウロ大学の二宮正人教授らがポルトガル語に翻訳して出版した。ブラジルで開かれる日本人移住100周年式典などに出席する皇太子さまの人となりを知ってもらおうと、昨年末から翻訳作業を始めた。
皇太子さまは16日に出発し、ブラジリアやサンパウロなどを回り、27日に帰国する。
翻訳したのは二宮教授と妻ソニアさん、二宮教授の教え子のアウレア・タナカさん。3人は皇后さまの「はじめてのやまのぼり」などもポルトガル語に翻訳している。
翻訳本には、オックスフォード大の恩師と写る皇太子さまや、町の風景など計8枚のカラー写真を掲載。83〜85年に過ごしたオックスフォードでの生活、マートン・カレッジに入学した当時の緊張した日々、研究生活などが盛り込まれている。
出版にあたって皇太子さまが寄せた「ブラジルの読者のみなさんには、青年時代の私が本国から遠く離れた英国という地において経験し、あるいは感じた事柄の中に、何らかの関心を見いだしていただければ幸いです」との文章も収録した。計3000冊出版され、地元の病院、日本人学校、在日ブラジル人学校などに配られた。
【真鍋光之】
|