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<キヤノン>研究所の男性社員自殺、労災認定…過労が原因

6月13日19時26分配信 毎日新聞


 キヤノンの研究所「富士裾野リサーチパーク」(静岡県裾野市)に勤務していた男性社員(当時37歳)が自殺したのは、仕事による過労が原因だとして、沼津労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。男性は自宅に仕事を持ち帰るなどして月に200時間を超える残業をしていたという。遺族側代理人の川人博弁護士は「日本経団連のトップが会長を務める企業で過労自殺が起きたのは深刻」と指摘している。

 川人弁護士らによると、男性は1992年に研究職でキヤノンに入社し、2000年からリサーチパークに勤務。05年4月、経験の乏しい分野に異動になり、06年11月に静岡県内の踏切で投身自殺した。

 リサーチパークでは午後10時までしか残業できないことになっており、男性は帰宅後、自宅のパソコンで仕事をしていた。代理人らがパソコンの履歴を調べると、亡くなる直前の1カ月は263時間、それ以前も200時間近い残業があり、54日間連続して働いていたことも分かった。仕事へのストレスや長時間労働の実態などから、労災が認められたとみられる。

 3人の子供を抱える妻(34)は「キヤノンでは残業が慢性化していた。主人のつらさ、苦しさを理解していただきホッとした」と話した。キヤノン広報部は「労災認定を厳粛に受け止め、誠意を持って対処したい」とのコメントを出した。

 一方、沼津労基署は当初、代理人や遺族が求めた認定理由の説明を拒否した。厚生労働省は、労災決定の際は納得のいく説明をするよう指導しており、再度の要請に同労基署は「判断が間違っていた。遺族、代理人には納得のいく説明をする」と誤りを認めた。【東海林智】

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最終更新:6月13日20時25分

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