原則非公開の少年審判で犯罪被害者や遺族による傍聴を認める改正少年法は11日、参院本会議で自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決、成立した。
「殺人など他人を死傷させた重大事件」を対象に、家庭裁判所が加害少年の心身の状態などを考慮したうえで、傍聴の可否を決める。被害者らが不安を感じる場合、弁護士などの付き添いも可能。日本弁護士連合会などは「加害少年の立ち直りを目的とする少年審判が変容してしまう」と反対を表明している。
衆院法務委員会では、民主党が日弁連などの主張に配慮し▽加害少年が12歳未満の場合、傍聴はできない▽家裁は可否を判断する際、加害少年の弁護士(付添人)から意見聴取する--などの修正を求め、与党が全面的に応じていた。
採決に先立ち、遠山清彦参院法務委員長は、(1)少年が(萎縮いしゅく)しないよう、広めの審判廷の使用や座席配置の工夫を検討、周知する(2)被害者らが別室でモニターにより傍聴する方法について利点と問題点を検証する--ことなどを政府と最高裁に求める付帯決議が同委で採択されたと報告した。【坂本高志】
毎日新聞 2008年6月11日 12時33分(最終更新 6月11日 14時05分)