【秋葉原通り魔事件】加藤容疑者、事件前日にレンタカー予約　計画性の高さ伺わせる

　東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大（ともひろ）容疑者（２５）＝殺人未遂で現行犯逮捕＝が事件前日の７日夕、静岡県沼津市のレンタカー会社で「引っ越しに使う」と犯行に使用した２トントラックを予約していたことが９日、分かった。トラックは犯行当日の８日朝に借り出していた。

　「ニッポンレンタカー静岡」（静岡市駿河区）によると、加藤容疑者は事件前日の７日午後５時ごろ、静岡県沼津市のニッポンレンタカー沼津駅南口営業所を訪れ、「裾野から御殿場までの引っ越しに使いたい。３人分の荷物がある」と２トントラックを予約。初めはもっと大きいトラックを借りようとしていた。

　対応した社員は「敬語を遣い、とくに不審な点は感じられなかった。契約書類の住所などもさらさら書いていた」という。

　事件当日の８日午前８時ごろに再度、営業所を訪れて現金で料金２万２７８５円を支払って、トラックを借りていったという。

　一方、加藤容疑者が登録していた製造業派遣大手の日研総業（東京都大田区）によると、加藤容疑者は平成１９年１１月に求人広告を見て応募してきた。面接時の印象は「口数が少なくおとなしい感じで、とくに変わった様子はなかった」（同社関係者）。同月から関東自動車工業東富士工場（静岡県裾野市）に派遣され、契約期間は来年３月までだったという。

　加藤容疑者は、出身地の青森市内でも自動車組立工場で派遣社員として働いていた経験があり、東富士工場では自動車部品の塗装工程を担当していた。工場関係者は「勤務態度は良好で同僚との間も問題はなかった」と話す。勤務は原則として月曜日から金曜日までだが、事件直前の金曜日（６日）は無断欠勤し、日研総業が携帯電話に連絡してもつながらなかったという。