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秋葉原通り魔:「おとなしい印象」派遣社員…加藤容疑者

 東京・秋葉原で8日起きた通り魔事件で逮捕された加藤容疑者は青森県出身で、東京都内の人材派遣会社に登録し、自動車組み立て・生産大手の関東自動車工業の東富士工場(静岡県裾野市)で働いていた。

 同工場の橋本直之・庶務広報室長(54)や人材派遣会社によると、加藤容疑者は昨年11月11日に派遣会社の面接で採用が決まり、同月14日から工場で働いていた。情報誌などの折り込み広告を見て応募。面接の際は「以前も派遣社員として自動車工場で組み立てをやったことがある」と話したという。

 工場での担当は塗装ライン。月曜から金曜の週5日勤務で1週間交代で日勤と夜勤についていた。自給300円で月約20万円の収入があった。契約期間は今年3月31日までだったが、来年3月31日まで更新され、評価は「良好」だった。派遣社員を6月末で200人から50人に減らす計画があったが、加藤容疑者は対象ではなかったという。

 9日朝、工場に出勤した50代の社員は「加藤容疑者は知らない。派遣社員はバスで送迎されているので、どんな生活をしているかは分からない」と話した。

 加藤容疑者の裾野市富沢の自宅は人材派遣会社借り上げの4階建てワンルームマンション。3階に1人暮らしをしていた。管理会社によると、04年12月から派遣会社が32部屋のうち5部屋を借り上げている。入れ替わりが激しく、加藤容疑者の居住は把握していなかった。

 住民によると、加藤容疑者は半年から1年ほど前から住んでおり、時折、ジーンズにシャツの軽装で午後11時ごろに帰宅する姿が目撃されていた。ただ、約1カ月前から本人と乗っていた青森ナンバーの軽自動車が見られなくなった。住民間の付き合いはなく、トラブルもなかったという。

 隣室の男性会社員(43)は「おとなしい印象。深夜に部屋から音楽が響くことが2、3回あったが、問題はなかった」と話した。

 青森市にある2階建ての実家はひっそり。加藤容疑者の弟と中学時代の同級生だったという男性(22)は「(弟は兄のことを)『引きこもりじゃないけど、ちょっとオタクっぽいところがある』と言っていた」と評した。

 加藤容疑者は、市立佃中から県内屈指の進学校の県立青森高校に進学した。知人の娘が加藤容疑者と中学、高校で一緒だった青森市議によると、実家周辺はJR社員やサラリーマンなど転勤族や公務員家庭が多いという。「エリート校の佃中から青森高だからまさにエリートだ」と話した。近所の女性も「小学生の時はあいさつをしてくれた。おとなしくて成績がいいというイメージがある」と話した。

 青森高で副主任だった男性教諭によると、加藤容疑者は目立たない生徒で「特に記憶がない」という。教諭が当時の同僚に確認したところ、加藤容疑者は卒業後、静岡県内の自動車専門学校に進学したという。

 小学校の卒業アルバムによると、加藤容疑者は陸上部や将棋クラブに所属。自分の性格を「短気、ごうじょう」と記載していた。クラスで得意なものがある人を紹介するコーナーでは「多く本を読む」「足が速い」の欄でトップだった。【鈴木久美、山田毅、村上尊一】

毎日新聞 2008年6月9日 11時56分(最終更新 6月9日 12時41分)

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