北京(CNN) 中国の四川大地震で出来た、四川省北川チャン族自治県唐家山の大規模な土砂ダムの決壊の危機で、水利行政当局者は6日、岩石や泥土で成るダム堤防部分から水がにじみ出し始めたと述べた。
国営・新華社通信によると、5日午後現在、幅や長さ数キロの同ダムの最も低い地点では水があふれるまであと約1メートル20センチに迫っている。6日にはさらに水位が上昇しているとみられる。
決壊防止のため軍兵士らが長さ475メートル、幅約50メートルの排水路を完成させている。ダムが満水になった場合、排水路から流れ出す仕組みになっている。一両日中に流出が始まる可能性がある。四川省の気象予報当局は7日までに35ミリの降雨を予想している。
同ダムの決壊に備え、周辺住民25万人以上が既に退避した。
地震で土砂崩れが起き、川がせき止められて生まれた土砂ダムは約30カ所に及ぶが、唐家山のダムは最大規模で、たまった水は2億立方メートル以上と推定される。
中国・民政省は6日、四川大地震の死亡者は6万9130人、行方不明者は約1万7800人と発表した。