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【社会】

サマータイム、眠りに悪影響 睡眠学会が反対声明

2008年6月6日 朝刊

 政府が導入を検討しているサマータイム制度について、日本睡眠学会は5日、「睡眠障害が発生し、不登校や交通事故が増大。省エネどころか1兆2000億円の経済的損失を招く」として反対する声明を発表した。同制度は、夏季に時刻を1時間早めることで、日照時間の有効活用を目指す。地球温暖化対策として福田康夫首相も導入に前向きな姿勢を示している。

 同学会によると、導入されれば夏時間への移行期の約1週間で国民の約4割に睡眠障害が発生。特に夜型の生活を送る子どもたちは通常より早く起きることに順応できず、不登校につながる可能性が高い。

 さらに睡眠の質の低下により、うつ病患者や自殺者が増えて医療費が増大。注意が散漫になり、交通事故や工場内の事故も増えるという。

 同学会事務局長の大井田隆・日本大医学部教授は「サマータイムの経済効率ばかりが注目され、人間が受けるダメージへの視点が今の政府には欠けている。慎重に検討すべきだ」としている。

 主要8カ国の中でサマータイムを導入していないのは日本だけだが、ロシアでは「心筋梗塞(こうそく)や自殺が増加」として国会に廃止案が提出された。

 

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