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アーティストは境界線上で踊る

著者
斎藤環

日本のアート・シーンに、いまなにが起こっているのか。
著者は精神科医として、思春期・青年期の精神病理と向き合ってきた経験をふまえ、ひきこもりからアニメ、文学、アウトサイダー・アートまで、現在進行形の文化現象に鋭く斬り込んできた。本書では、アートを通じて「リアルとは何か」を問いつづけるアーティストたちの、ユニークな創作衝動を抉り出す。
ベテランから若手まで、いまもっとも注目されている23人のアーティストへの、当意即妙のインタビューと、怜悧な作家論・作品論が響きあう。カラーも含めて作品写真をふんだんに盛り込んだ充実のビジュアル。展覧会では経験できない、肉声と批評のコラボレーション。アート・ブックの世界にあらたな事件を引きおこす、待望のクリティック集成。


「アーティストは境界線上で踊る」の著訳者:

斎藤環
さいとう・たまき
1961年岩手県生まれ。精神科医。筑波大学医学研究科博士課程修了(医学博士)。現在、爽風会佐々木病院精神科診療部長。専門は思春期・青年期の精神病理、病跡学。「社会的ひきこもり」の治療、支援に取り組む診療医であり、執筆や講演などによる文化評論活動も行なう。著書:『文脈病――ラカン・ベイトソン・マトゥラーナ』(青土社、1998年)、『社会的ひきこもり――終わらない思春期』(PHP新書、1998年)、『戦闘美少女の精神分析』(太田出版、2000年/ちくま文庫、2006年)、『博士の奇妙な思春期』(日本評論社、2003年)、『心理学化する社会――なぜ、トラウマと癒しが求められるのか』(PHPエディターズ・グループ、2003年)、『ひきこもり文化論』(紀伊國屋書店、2003年)、『解離のポップ・スキル』(勁草書房、2004年)、『フレーム憑き――視ることと症候』(青土社、2004年)、『文学の徴候』(文芸春秋、2004年)、『家族の痕跡――いちばん最後に残るもの』(筑摩書房、2006年)、『生き延びるためのラカン』(バジリコ、2006年)、『メディアは存在しない』(NTT出版、2007年)、『思春期ポストモダン――成熟はいかにして可能か』(幻冬舎新書、2007年)ほか多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

序論 ヒステリーに抗するアーティスト
草間彌生――象徴の去勢の象徴
できやよい――ロリータ・バロック・できやよい
加藤泉――正しきイマージュの系統発生
中ザワヒデキ――「顔」と「方法」
やなぎみわ――不在の「フェミニズム」
会田誠――ヒューモアとしての美少女論
小沢剛――背中から地蔵になっていくような幸福
木本圭子――エロスと運動のダイヤグラム
ミスター――ヤンキー・ロリコン・ミスター
小谷元彦――伸びる舌のレティサンス
ヤノベケンジ――廃墟に生きる子供のために
山口晃――ポストモダンの形式主義者
鴻池朋子――反復する「不時着」
村山留里子――透明なるアブジェクシオン
田中功起――形式のアイロニーから、ユーモアの形式へ
西尾康之――鏡像としての「死体」
杉本博司――写真の「もどき」
藤幡正樹――フレームとしての「アルゴリズム」
高嶺格――エイリアンによる歓待
八谷和彦――介入美術のアフォーダンス
岡田裕子――物語=関係は無限であることについて
タカノ綾――〈少女〉という透明な媒質
岡崎乾二郎――「非対称性」〈が/を〉もたらす「悟性」
掲載作品リスト
初出一覧

この本の関連書


「アーティストは境界線上で踊る」の画像:

アーティストは境界線上で踊る

「アーティストは境界線上で踊る」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/352頁
定価 3,360円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-07331-4 C0070
2008年2月22日発行

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