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「違法と知っていた」逮捕の課長供述 グッドウィル事件

2008年06月04日09時50分

 日雇い派遣大手グッドウィルが派遣した労働者を港湾関連会社の東和リースが二重派遣したとされる事件で、職業安定法違反の幇助(ほうじょ)容疑などで逮捕されたグッドウィル事業戦略課長上村泰輔容疑者(37)が警視庁の調べに、「東和は昔からの顧客で、利益も多く、違法と知っていたが派遣を続けた」と供述していることがわかった。同庁は同社上層部の関与についても解明を進める。

 保安課の調べでは、北関東エリアマネージャーだった上村容疑者らは06年5月〜07年6月、港湾荷役会社2社に二重派遣していた東和リースに、労働者5人を27回にわたって派遣し続けた疑い。

 関係する4社の間では、労働者1人当たりの「リベート」が決められていたという。正規の手数料とは別に、港湾荷役会社から東和に1人2千円、東和からグッドウィルには5千円が渡っており、グッドウィルは東和からのリベートで月100万円前後の純利益を得ていたとみられる。

 上村容疑者は、ともに逮捕された野上敏弘容疑者(35)の前任のEV(イベント)新宿支店長で、その後同支店を含む13支店を管理する立場にいた。東和との契約は、グッドウィルが02年ごろに吸収合併した別の派遣会社が結んだものを引き継ぎ、多くのグッドウィル幹部がかかわった「重要案件」だったという。同支店にとっては屈指の契約企業だったとされる。

 東和の元常務江川隆一容疑者(47)は今年1月の警視庁による家宅捜索の直後、朝日新聞の取材に「二重派遣を続けた理由はコメントできないが、グッドウィル側も知っていた」と話していた。

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