大韓民国 Republic of Korea

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(2006/06/28)
【安全対策基礎データ】

| 査証、出入国審査等 | 滞在時の留意事項 | 風俗、習慣、健康等 | 緊急時の連絡先 |
犯罪発生状況、防犯対策
  1. 犯罪発生状況
     韓国警察白書(2005年度版)によれば、2004年の犯罪発生総件数は、1,968,183件、人口10万人当たり4.083件で、前年に比べ約3.9%増加し、詐欺、横領、背任は、前年に比べ約9.1%増加しました。統計の取り方や警察の事件の認知の仕方等が異なるため日本とは一概に比較できませんが、主な犯罪の内訳は以下のとおりです。

    [主要犯罪内訳]
      窃盗   155,311件 (前年比 17.1%減)
      詐欺   239,664件 (前年比  3.3%増)
      横領    25,702件 (前年比 15.3%増)
      背任    5,787件 (前年比 31.0%増)
      殺人    1,083件 (前年比  8.5%増)
      強盗    5,832件 (前年比 20.0%減)
      強姦    6,950件 (前年比 17.8%増)
      暴力犯  286,464件 (前年比  2.9%減)

    警察白書では、2004年に発生した犯罪の特徴について以下のとおり分析しています。

    (1)景気低迷による経済犯の増加
     国内外の経済状況の悪化による内需不振、失業率の増加等により、詐欺、横領、不正手形使用等が増加した。

    (2)コンピューター犯罪の増加
     インターネット利用人口の増加に伴い、ハッキング、ウィルス流布などのほか、インターネット詐欺、不法サイト運営等のサイバー犯罪が引き続き増加した。

    (3)強盗など凶悪犯罪の減少
     刑法犯は、前年比2.9%減少し、特に強盗事件は前年比20%減少した。これは、生活侵害事件に対する取締の強化によるものと見られる。

    (4)女性、少年犯罪者の増加
     女性及び少年犯罪者総数は487,575名で、犯罪者総数の21.2%を占めた。

  2. 主要都市・地域別の状況

    (1)犯罪発生件数は、ソウル市が392,377件で全体の19.9%を占め、ついで京畿道(19.9%)、釜山市(7.2%)、慶尚南道(6.4%)の順となっています。

    (2)釜山市の犯罪発生件数は、141,672件で全体の7.2%、済州島は、29,627件で全体の1.5%となっています。

  3. 日本人の被害例

    (1)犯罪被害事例、犯罪手口
    (イ)窃盗(置き引き・スリ)
     駅、市場、繁華街や混雑した車内などでのスリの被害が多く見られ、空港、ホテルのロビー、バスの車内などでは置き引きが多発しています。また、観光中に見知らぬ人から声を掛けられ、油断した隙に財布等を持ち去られる事案も発生しています。
    さらに、旅館やモーテルなど比較的安価な宿泊施設を利用した旅行者が室内で窃盗の被害に遭うケースが見られます。これらの施設は安全面で問題がある場合もあり十分注意が必要です。
    (ロ)強盗
     深夜、ソウル市内の人通りが少ない路上で、後方から接近してきた複数の者にショルダーバックを強奪されるという事件が発生しています。(後方から被害者を押し倒して、肩にかけていたショルダーバックを強奪するものです。)
    (ハ)昏睡強盗
     男性が釜山市内の繁華街で一見紳士風の男性とその友人と称する者から日本語で言葉巧みに誘われ、飲酒酩酊し(睡眠薬等薬物混入の疑いあり)、数時間後、気が付いた時には財布から現金を抜き取られているという事件が発生しました。
    (ニ)暴行傷害事件
     釜山のホテルに宿泊中の男性が、ホテルの地下でビリヤードに興じていたところ、韓国人2人と台の順番をめぐってトラブルとなり、相互に暴行傷害を負わせる事件が発生しました。
    (ホ)詐欺
    • タクシーの運転手や空港での無資格ガイドに観光案内を依頼し、法外な料金を請求されたり、無理矢理ショッピングに連れて行かれ、高額な商品を購入させられるケースが見られます。
    • ソウル市内の北倉洞(プラザホテルの裏手)、南大門市場周辺、新村等では、日本人男性が日本語のできる見知らぬ男性と親しくなり、タクシー等で移動しクラブで飲酒したところ、法外な料金を請求されるケースが発生しています。
    • 親しくなった韓国人に仕事もしくは投資等を持ちかけられ詐欺に遭うケースや、同棲状態の韓国人女性のために女性名義で家を購入したあげく、別れる際に家等を取られたケースがあります。
    • 日本からインターネットを利用してホテルを予約し料金を支払ったものの、実際には予約されていなかったり、予約の変更等が困難であったりするケースがあります。
    (へ)殺人
     男性が釜山市内ホテルの室内で殺害され、そのまま放置されるという事件が発生しました。
    (ト)文化財保護法違反
     釜山観光に来ていた日本人4人が、骨董品屋で陶磁器(1点数万円程度)等を購入し、金海空港から出国しようとした際、「文化財的価値のある陶磁器を当局の許可なく国外に搬出しようとした」として文化財保護法違反容疑で検挙されるという事案が発生しました。

  4. 犯罪被害危険地域
     特段危険地域とされている場所はありませんが、歓楽街や、夜間人通りの少ない場所への立入りは控えましょう。

  5. 防犯対策
     何よりも、自分と自分の家族の身は自分たちで守るという心構えが大切です。韓国の治安は比較的安定していると言えますが、外国にいることを常に忘れず、スリや置き引き、詐欺等の一般犯罪には特に注意する必要があります。また、歓楽街や、夜間人通りの少ない場所への立ち入りは控えましょう。
     雑踏では、カバン等はしっかり持ち、貴重品からは常に目を離さないでください。
     パスポートは、コピーをとっておき、クレジット・カードの紛失時の連絡先等は記録しておきましょう。外出する際には必要最小限の貴重品、現金を所持するようにしましょう。また、ホテルに在室中はドアの施錠を確実に行い、ドアチェーンも使用しましょう。
     詐欺や不当な料金請求等の被害に遭わないためには、他人を無条件に信用しないようにしましょう(甘い言葉や誘いにも「ノー」と言う勇気が必要です)。

  6. その他
     ホテルやタクシー内での置き忘れなど、パスポートを紛失する旅行者が多くなっています。行動の節目には必ず貴重品を確認しましょう。
     路上で観光バス等から乗り降りする際や歩行の際には交通事故に遭わないよう十分注意しましょう。
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査証、出入国審査等
  1. 査証(ビザ)
     2006年3月から、観光に加え、短期商用や短期語学研修等を目的に韓国を訪れる場合にも無査証での入国(90日)が認められることとなりました。なお、滞在期間が90日を超える場合や、就労を目的とする場合には、日本などにある韓国大使館、総領事館であらかじめ査証を取得しなければなりません。

  2. 入国手続
     入国手続は、検疫、入国審査、税関の順で行われます。

    (1)検疫
     健康状態がすぐれない人は申告が必要です。また、全ての動物と動物加工製品は検疫を受けなければなりません。ただし、ペットとして犬、猫を同伴する際、狂犬病伝染歴のない国から入国する場合には、病歴書類を提出し検査を受けて異常がなければ24時間以内に通関できます。狂犬病の伝染歴のある国から入国する場合、10日〜40日の検疫期間を必要とします。なお、全ての植物と植物加工品は入国時申告しなければなりません。

    (2)入国審査
     入国審査ではパスポート、出入国記録カードを提出します。本人確認等が行われ、パスポートに入国スタンプが押印されます。その際、入国目的、滞在日数、宿泊先等を質問される場合があります。過去、韓国より強制退去を受けた後5年を経過していない人、伝染病患者、放浪者や国家の安全・秩序を乱すおそれがある人等は入国を拒否される場合があります。

    (3)外貨申告
     1万ドル相当以上の外貨(トラベラーズ・チェック等を含む、以下同じ)を持ち込む場合には、入国時に携帯品申告(以下税関申告)を行い、出国時に確認を受けなければなりません。入国時に申告しなかったり、申告しても申告した額以上の外貨を持ち出そうとした場合には、外為管理法違反で処罰されます。その際、過失であっても罰金を徴収され、場合によっては出国停止となり、悪質な場合には懲役刑が科される場合もあります(毎年、相当数の日本人が同法違反で検挙、処罰されていますので注意が必要です)。
     現地通貨(ウォン)から外貨への再交換は、原則としてウォンへの交換外貨額の範囲内で認められ、再交換時には「買入証明願」の提示を求められる場合があります。

    (4)通関
    税関検査場は「非課税」と「課税」に区分されており、次の免税範囲を超える場合、もしくは申告対象品を所持している場合には「課税」と書かれた検査台に行きます。
     なお、「非課税」の検査台では抜き打ちで荷物の開披検査が行われています。

    [免税範囲]
    (イ)海外もしくは韓国内で取得(無償の物を含む)あるいは購入した個人用物品(商業用品・会社用品は除く)で、価格の合計額が400ドル以内
    (ロ)酒類(19歳未満の者を除き、上記400ドルまでの免税範囲とは別)ウィスキー、ブランデー(コニャック)、ワイン等の酒類で1本(1リットル以下で400ドル以下のもの)
    (ハ)タバコ(19歳未満の者を除き、上記400ドルまでの免税範囲とは別)紙巻き200本、葉巻50本まで
    (ニ)香水(上記400ドルまでの免税範囲とは別)2オンス以内
    (ホ)漢方薬剤等(上記400ドルまでの免税範囲に含まれる)
     総購入金額が10万ウォン以内で、人参300g、鹿茸150g、その他1品目あたり3kg以内
    (ヘ)農畜水産物(上記400ドルまでの免税範囲に含まれる)
     総購入金額が10万ウォン以内で、松の実1kg、牛肉10kg、その他の物品は1品目あたり15kg以内

    [申告対象品]
    (イ)外貨及びウォン貨等
     米貨1万ドルを超える外貨又はウォン貨、小切手、有価証券、債権等
    (ロ)その他の申告対象物品
    (ハ)販売目的の商業用物品、緊急補修用品、サンプル等の会社用品
    (ニ)出国に際し携帯搬出申告を行ったもので再搬入する物品
    (ホ)別送品又は引っ越し貨物がある場合

    [輸入禁止物品]
    (イ)公安又は公序良俗を害する物品(不法・わいせつな書籍、CD、写真、ビデオテープ等)
    (ロ)政府の機密漏洩又は誤報に供する物品
    (ハ)貨幣、有価証券類の模造・変造・偽造品

    [輸入制限物品]
    (イ)銃器、刀剣、火薬類(模造又は装飾品を含む)
    (ロ)麻薬、向精神薬、誤用又は乱用が憂慮される医薬品
    (ハ)国際条約により保護の対象となっている絶滅の危機に瀕した動植物及びこれら製品

    [その他]
    • 楽器、業務用機器、宝石・貴金属等その場で鑑定が難しい物は税関申告書を提出する必要があります。また、ゴルフセット、ビデオカメラ、その他高価な装身具等で携帯品と認められたものについては、税関でパスポート等に携帯物品持ち込み確認を受けた(「再搬出条件付一時搬入物品確認書」を受領した)上で持ち込みが許可されますが、出国に際し現物を携行していないと贈与又は売却したものと見なされ高税率(20%以上)が課税されます。
    • 引越荷物については、入国後6か月以内に税関手続きを完了することが必要です。現に使用中のもので、質・量の観点から生活上必要と判断されるものについては免税になります(但し、同伴者の有無や滞在予定期間等により免税にならない場合があります)が、他国に比べて認定は厳しいと言われています。

  3. 出国手続
    • 出国手続は、チェックイン、セキュリティーチェック、出国審査の順で行われます。
    • 出国のための航空券は、出発時刻の72時間前までにリコンファーム(航空機予約の再確認)することになっています(航空会社によって不必要な場合もあります)。リコンファームは航空会社に電話するか、直接カウンターに行き、氏名、搭乗日、便名等を告げれば可能ですが、短期間の滞在の際には到着時に空港で行っておくようおすすめします。

    (1)チェックイン
     通常、出発時刻の概ね2時間前までに搭乗する航空会社のカウンターに行き、パスポートと航空券を提示し、荷物を預けるとともに搭乗券を受け取ります。
     入国時にゴルフセット、ビデオカメラ、その他高価な装身具等を携帯品と認められた場合(「再搬出条件付一時搬入物品確認書」を受領した場合)や外貨申告を行った場合等には、チェックイン時にその旨航空会社のカウンターで告げた上で税関に申告する必要があります。
     出国に際して、2004年7月以降、韓国の空港施設利用料等は航空券の代金に含まれていますので別途支払う必要はなくなりました。

    (2)セキュリティーチェック
     出国ゲートへ進み、セキュリティーチェックを受けます。手荷物等の検査は厳重に行われており、時間がかかる場合があります。

    (3)出国審査
     出国審査場では、パスポートと航空券を提示します。

    (4)その他
     出国に際しては、特に一定の文化財等の持ち出しは禁止されており、文化財に準ずる古美術品、骨董品、歴史的遺物及び重要民族資料等で50年以上以前のものは予め文化財管理局の許可(非文化財確認書を受領)を受けなければならず、これに違反した場合には懲役刑を含む重い罰則が適用されます。この骨董品の範囲は広範囲にわたっていますので、骨董品を購入した場合には予め所要の手続を終わらせておくことが望まれます。
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滞在時の留意事項
  1. 滞在届等
    (1)外国人登録
     韓国に90日以上滞在しようとする人は、入国した日から90日以内に居住地を管轄する出入国管理事務所で「外国人登録」を行い、「外国人登録証」の発給を受けなければなければなりません。この手続には、パスポートまたは外国人入国許可書、申請書、写真3枚、手数料及び滞在資格別に疎明書類が必要です。申告期間を超過した場合には、罰金等の対象となる場合がありますので注意が必要です。

    (2)滞在期間の延長
     滞在期間を超過して引き続き滞在することを希望する場合には、予め滞在地を管轄する出入国管理事務所または外国人投資支援センターに滞在期間の延長を申請しなければなりません。この手続には、パスポート、申請書、外国人登録証、在職証明書、身元保証書及び手数料等が必要です。

    (3)再入国許可
     外国人登録を行った外国人が滞在期間中に出入国する場合、滞在地を管轄する出入国管理事務所、外国人投資センターもしくは出国当日空港内にある出入国管理事務所で再入国の許可を得てから出国する必要があります。再入国許可には一次(有効期間1年以下)と数次(有効期間2年以下)があります。

    (4)滞在資格の付与
     外国人投資企業勤務者等から生まれた子女で出生日から31日以上韓国に滞在予定の人は、その父又は母が出生日から30日以内に滞在地を管轄する出入国管理事務所又は外国人投資支援センターに滞在資格の付与申請を行わなければなりません。

    (5)滞在地の変更届
     滞在地が変わった場合には、14日以内に新しい滞在地を管轄する市・郡・区庁等に転入届けをしなければなりません。外国人登録証に変更内容が記載されます。

  2. 旅行制限
     旅行制限区域は特段設定されていませんが、軍事境界線付近、軍用施設・区域及びその他国家保安上定められた区域へ許可なく立ち入ることはできません。

  3. 写真撮影の制限
     軍事施設(その範囲は非常に広範にわたっているので特に注意が必要です)、大統領官邸、警備兵等が警戒する重要施設及びその他撮影禁止表示のある区域や一部建造物の写真撮影は禁止されています。また、韓国人の国民感情において好ましくないもの、韓国側が外国に見せたくないと思われる場所や物、あるいは韓国の企業が企業秘密保持の観点から部外への公開を避けようとしている施設等の撮影は、住民や関係者との間に無用のトラブルを起こす可能性がありますので控えましょう。その他、撮影される側の立場に立って、人物等を無断で撮影すべきでないことは、我が国を含め韓国も同じです。判断に悩む場合等には、周囲の人に質問するのも一案です。

  4. 各種取締法規
    (1)麻薬
     麻薬・覚醒剤等は、麻薬法や向精神医薬品管理法、大麻管理法及び麻薬類不法取引に関する特例法に基づき厳しく取り締まられています。製造者はもちろん、販売者、輸出入者等に対する最高刑は死刑で、少量でも麻薬や覚醒剤を所持していれば、使用しなくても5年以下の懲役、5,000万ウォン(約500万円)以下の罰金が科されます。
     韓国内の麻薬類犯罪発生件数は、2002年にサッカー・ワールドカップ大会開催に伴い取締りが強化されたため2003年は3,713件、前年比27%減少しましたが、2004年は、4,741件と再び増加しました。近年、麻薬、覚醒剤の常習者が主婦、少年及び知識階層まで拡散・浸透していると言われており、深刻な社会問題となっています。
     この種の犯罪者が徘徊すると思われる遊興街等での甘い誘惑には絶対に応じないことです。大麻(マリファナ)も禁止されています。

    (2)不法就労
     一般的に外国人の就労は非常に難しく、就労するためには在日韓国大使館又は総領事館で予め就労査証を取得しておかなければなりません。観光等の短期滞在査証で入国(査証なしでの入国を含む)し、日本料理店等で働いている事例が散見されますが、違法滞在については取締りが行われており、違反者には出入国管理法により3年以下の懲役もしくは禁錮または1,000万ウォン(約100万円)以下の罰金が科せられます。

    (3)外国人の政治活動
     国家保安法により共産主義的活動は反国家的行為と見なされ、違反者は死刑を含む重刑に処せられます。外国人の政治活動は禁止されています。また、反国家的活動を称賛・鼓舞する文書、図画等の製作、輸入、複写、所持、運搬、頒布、販売、取得は厳しく罰せられます。特に、韓国人の前で共産主義を礼賛したり、共産主義について論議をしたりすることは、自分のみならず相手にも迷惑を及ぼす可能性があります。

    (4)銃器
     拳銃所持は銃砲・刀剣・火薬類等取締法により10年以下の懲役または2,000万ウォン(約200万円)以下の罰金に処せられます。

    (5)買売春
     2004年9月23日、韓国では「性売買斡旋等の行為処罰に関する特別法」が施行されました。この法律は、人身売買、売春の強要、売春の広告行為に対する処罰を主な内容としたものですが、旧法(淪落行為防止法)では罰則規定はあったものの実際には警告処分で済まされていた売春の相手方についても、無条件で逮捕・立件の対象となり、1年以下の懲役又は300万ウォン以下の罰金、拘留、科料に処せられる等、これまで以上に罰則が強化され、取締りも行われています。

    (6)ポルノ
     刑法により、猥褻な文書、図画、フィルムその他の物を頒布、販売、賃貸又は公然に展示、上映した者は、1年以下の懲役又は500万ウォン(約50万円)以下の罰金に処せられるほか、頒布、販売、賃貸又は公然に展示、上映の目的で猥褻な物件を製造、所持、輸入、輸出した者は、1年以下の懲役又は500万ウォン以下の罰金に処せられます。
     また、公然に猥褻な行為をした者は、1年以下の懲役、500万ウォン以下の罰金、拘留又は科料に処せられます。

    (7)違法両替
     路上等で闇両替することは禁止されています。また、法律の規定による基準換率等によらずに取引した人は、5年以下の懲役又は1億ウォン以下の罰金に処せられます。但し、違法両替の額の3倍が1億ウォンを超過する場合、その罰金は両替額の3倍以下とされています。

    (8)不敬罪
     「不敬罪」という罪名はありませんが、韓国を侮辱する目的で韓国国旗・国章を損傷、除去又は汚辱した者は、刑法により5年以下の懲役又は禁錮もしくは10年以下の資格停止又は700万ウォン(約70万円)以下の罰金に処せられます。また、韓国を侮辱する目的で韓国国旗・国章を誹謗した者は、1年以下の懲役又は禁錮もしくは200万ウォン(約20万円)以下の罰金等に処せられます。なお、北朝鮮の国旗を所持、掲揚、振る等の行為は一部特別な場合を除き一切禁止されています。

    (9)パスポートなどの身分証明書の常時携帯義務
     出入国管理法においては、外国人はパスポート等の身分証明書を常時携帯することが義務付けられており、違反者には100万ウォン(約10万円)以下の罰金が科せられます。

    (10)賭博
     刑法により500万ウォン(約50万円)以下の罰金又は科料に処せられます。

    (11)その他
     次に該当する行為は軽犯罪処罰法により処罰される場合があります。たばこの投げ捨て、路上放尿、自然毀損、酒に酔ってことさらに騒ぐ行為、禁煙場所での喫煙、航空機内での喫煙など。

  5. 交通事情
    (1)特徴的な法規
     車は右側通行です。都市部の大通りでは左折禁止の交差点が多く見られます。また、曜日と時間帯を指定したバス専用レーン(青色の実線もしくは破線)が設定されている場合があります。

    (2)交通マナー
     ソウル等の都市部では交通渋滞が激しく、また、強引に割り込む車、ウィンカーを出さずに進路変更や右・左折する車、信号や車線を守らない車、見切り発進する車、一旦停止しない車、駐車違反(二重駐車を含む)、渋滞時に反対車線を逆走する車、車の間を縫い走行するオートバイ等がみられるなど、運転に際しては細心の注意が必要です。また、歩行者も、横に広がって歩く人々、横断歩道以外で道路を渡る人、信号を守らない人、道路への急な飛び出しなどがあり、注意が必要です。

    (3)道路状況
     道路標識は、ハングルに併せて英語表記されているものの、ハングルを読める人にとってもわかりづらい場合が多くあります。なお、都市部では道路の舗装率は高く、給油所も各所にあります。

    (4)運転時・歩行時の注意事項
     生活習慣として、歩行者、車とも安全に対する配慮が日本と異なりますので、運転時・歩行時ともにバス、タクシー、乗用車、オートバイ等の動きには常に注意が必要です。

     車の前席(高速道路では全席)はシートベルトの着用が義務づけられています。また、運転中の携帯電話の使用は禁止されており、いずれも違反者には罰金が科されます。なお、横断歩道にある歩行者用信号は比較的点滅時間が短いので注意を要します。

    (5)交通機関
    【ソウル】
     ソウルの交通機関は、主に地下鉄、バス、タクシーです。

    [地下鉄]
     現在、ソウル市内には9本の地下鉄が開通しています。駅名等はハングルの他、アルファベットで表記されており、さらに路線、駅毎に番号分け及び色分けがなされています。
     運賃は距離制で、1回券の場合、12km以内は900ウォン(約90円)で、それ以上は距離に応じて100ウォンずつ加算されます。市内から金浦空港までは概ね1,100ウォン(約110円)です。

    [バス]
     バスは、幹線バス(青色のバス、幹線道路を運行するバス)、支線バス(緑色のバス、一定の地域内で幹線と地下鉄駅を繋ぐバス)、広域バス(赤色のバス、市内と首都圏を繋ぐバス)、循環バス(黄色のバス、中心部を巡回するバス)に分かれています。
     現金で乗車する場合、幹線バス・支線バスは900ウォン、循環バスは550ウォンです。「T-Moneyカード」(非接触式で、積み増しして使えるカード)を購入すれば、バスとバス、バスと地下鉄の間を5回10km以内であれば別料金を払わずに乗り換えられます。バス路線は複雑で、各停留所に設置されている路線図はハングル表記のみのものが多いため、バスを利用される際は路線等を予め確認されるようお勧めします。また、急発進や急ブレーキが多いので、乗車中は手すり等にしっかり掴まるなど注意が必要です。
     なお、路線バスのほか、郊外や地方都市行きの長距離バスがあります。長距離バスが利用する高速道路は事故が多発していますので注意が必要です。

    [タクシー]
     ソウル市内のタクシーは「一般タクシー」、「模範タクシー」及び「ジャンボタクシー」に分かれています。市内各所にタクシー乗り場があり、路上でも止めて乗車できます。全てメーター制ですが、特に「一般タクシー」は、深夜、相乗りや運賃交渉を行う必要がある場合もありますので注意が必要です。
     模範タクシーやジャンボタクシー(基本料金4,500ウォン)は、一般タクシー(基本料金1,900ウォン)より割高ですが比較的安全と言われています。

    【釜山】
     釜山の交通機関は、主に地下鉄、バス、タクシーです。

    [地下鉄]
     現在、釜山市内には、2本の地下鉄が開通しています。駅名等はハングルの他、アルファベットで表記されており、さらに路線、駅毎に番号分け及び色分けがなされています。運賃は、1区間が700ウォン、2区間が800ウォンです。プリペイドカードである「ハナロカード」を使用すれば、大人は10%、学生は20%割引になります。

    [バス]
     バスは、一般バス(空色と白色からなるバス、緑とベージュからなるバス)と、座席バス(車体にオレンジ色の線が入っているバス)があります。運賃は、それぞれ一律900ウォン、1,500ウォンです。各停留所に設置されている路線図はハングル表記のみのものが多いため、バスを利用される際は路線等を予め確認されるようお勧めします。

    [タクシー]
     「一般タクシー」及び「模範タクシー」があります。市内各所にタクシー乗り場があり、路上でも止めて乗車できます。全てメーター制をとっており、基本料金は「一般タクシー」が1,500ウォン、「模範タクシー」が2,000ウォンです。

    【済州道】
     済州道での交通機関はバス、タクシーです。

    [バス]
     バスは島内全域を運行しており、料金は市内バス800ウォン、座席バス850ウォンです。各停留所に設置されている路線図はハングル表記のみのものが多いため、バスを利用される際は路線等を予め確認されるようお勧めします。
     済州国際空港と中文観光団地や西帰浦市内のホテルを結ぶリムジンバス(料金は中文観光団地3,900ウォン、西帰浦5,000ウォン)があり、約15分間隔で運行されています。

    [タクシー]
     「一般タクシー」及び「個人タクシー」があります。各所にタクシー乗場があり、路上でも止めて乗車できます。料金はメーター制で、基本料金が1,500ウォンです。また、タクシーでの貸切観光が可能です。「個人タクシー」の中には日本語を話せる運転手もいます。

    【KTX(韓2004年4月1日、KTX(韓国高速鉄道)が開通しました。京国高速鉄道)】
     釜線と湖南線があり、ソウルと釜山間は最短で約2時間半、ソウルと木浦間は最短で約3時間、ソウルと光州間は最短で約2時間半で運行されています。

    【羽田〜金浦便の就航】
     現在、毎日計8往復が運行しています。

    (6)交通事故
     交通事故の発生率は比較的高く、日本と比較した場合、死亡事故は人口比において約3倍、車保有台数において約6倍と言われています。
     その原因として、運転者、歩行者ともに交通ルールを守らない場合が多いこと、運転が乱暴及び道路の構造上の問題に起因していると思われます。賠償請求の示談交渉等に難航する事例も散見されます。交通事故を起こしたら、まず警察に通報し、警官立ち会いの下、検証を求めることが望まれます。
     最近、日本人が起こした交通事故は数件ありますが、その原因は不注意や道路事情についての不慣れと考えられます。これら交通事情等から、駐在員に車を運転させない邦人企業も多数あります。

    (7)レンタカーの利用
     レンタカーの利用は可能ですが、上記交通事情等から運転手付きのレンタカーを利用するようおすすめします。

  6. その他
    (1)ホテル火災に対する注意
     韓国では、防火設備や火災の際の避難体制等が不十分なホテルが少なからずあります。ホテル等にチェックインした際には、まず、非常口や避難経路を確認するようおすすめします。

    (2)台風に対する注意
     2002年9月、台風により全羅南・北道、慶尚南・北道、江原道付近一帯で田畑、住宅への浸水・崩壊等甚大な被害が発生しました。台風シーズンに韓国を訪問される方は、気象情報に十分な注意が必要です。

    (3)仁川(インチョン)空港利用時の注意
     2001年3月、仁川広域市に仁川国際空港が開港し、大部分の国際線は仁川空港から離発着しています。仁川空港はソウル市内より約60キロの地点にあり(これまでの金浦空港は約20キロ)、ソウル市内へは、バス、タクシーで所要時間は約1時間〜1時間30分程度ですが、交通事情等により時間がかかる場合がありますので、余裕を持って行動してください。

    (4)民防衛の日
     韓国では、軍事的侵略や天災地変による人命、財産上の被害を防ぐことを目的として、毎月15日を民防衛の日と定め訓練が実施されます。訓練内容は、防空訓練年3回(4月、10月及び8月)、防災訓練年6回(3月、5月、6月、7月、9月、11月)と非常召集訓練年1回(2月もしくは3月)に分かれており、非常召集訓練以外は15日に訓練が行われます(15日が公休日の場合は翌日、土曜日の場合は前日)。
     防空訓練は20分程度行われ、街中にサイレンが鳴り、通行人は建物の地下等へ退避するとともに、車両を運転中の人も停車して地下に退避しなければなりません。
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風俗、習慣、健康等
  1. 風俗、習慣、国民性に関する留意事項(宗教、タブー等)
    (1)韓国の正式名称は「大韓民国」です。「朝鮮」という呼称は「朝鮮日報(チョソンイルボ)」、「朝鮮ホテル(チョソンホテル)」等の固有名詞以外には使用されません。日本語の「チョウセン」は韓国人に植民地時代の不幸な過去を想起させたり、北朝鮮が「朝鮮」を正式名称の一部に使用していること等から使用しない方が良いでしょう。

    (2)韓国の人名、地名等はできるだけ韓国語の発音を用いることが望まれます(例えば、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領)。

    (3)儒教思想の影響で、日本以上に長幼、先輩・後輩、目上・目下の区別が明確で目上や年上の人に対して敬意が払われます。

    (4)日本人観光客が訪れるホテル、記念品店等は概ね日本語が通じ、街の雰囲気、人々の顔つき・体格等が日本、日本人と似ているため、旅行者としては日本にいる時と同じ気分になりがちですが、行動様式や考え方等が異なる面も多くあることを知っておく必要があります。

  2. 衛生事情
     水道の水質は良くありませんので、生水は飲まないようにしましょう(但し、レストラン等で出されるお茶・水は飲用です)。

  3. 病気
    (1)鳥インフルエンザ
     韓国では、2003年から2004年にかけて高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が確認されましたが、韓国政府によれば、現在は完全に根絶されたとしています。韓国国内でのヒトへの感染は現在のところ確認されていませんが、滞在中は以下のことを念頭に行動されるようおすすめします。
    (イ)手洗い、うがいなど、通常の感染症予防対策を励行する。
    (ロ)生きた鳥との接触を避ける。鶏舎や生きた鳥を扱う市場などには立ち寄らない。
    (ハ)発熱、頭痛などインフルエンザが疑われる症状が見られる場合には、早めに医師に相談する。

    (2)食中毒
     衛生状態が良くない飲食店や屋台での食事、特に生もの(生ガキ等の貝類など)には注意が必要です。場合によっては食中毒や肝炎等の原因になりかねません(2002年3月、ソウル市内で120人の日本人団体旅行客58人が下痢や腹痛を訴え病院に運ばれるという事例が発生し、また、2004年9月には修学旅行生が帰国後食中毒と思われる症状を見せるという事案が発生)。不完全な調理によるフグ料理を食べて中毒を起こす事例もあります。

    (3)コレラ
     2001年8月、韓国南東部の慶尚北道永川市の食堂で食事をした人からコレラ患者が発生し、9月7日までに80人の患者が確認されました。
     コレラの症状としては、感染して数時間後から5日の間(通常1〜3日後)に嘔吐や激しい下痢を起こします。このため、患者は脱水状態になります。
     予防としては、経口感染のため口にするもの全てに注意が必要です。生水、生もの、氷菓子、非加熱のものはもちろん、加熱したものでも注意が必要です。また、食器類やトイレにも気を配る必要があります。ワクチンはありますが、有効性が50%以下と言われ、WHO(世界保健機関)は1973年にコレラを予防接種が必要な感染症から除外しました。治療は、発症すると下痢のため脱水症状になりますので点滴が必要です。これに加えて、抗生物質・抗菌剤(テトラサイクリン、ニューキノロン等)等の薬剤を使用し治療すれば、死亡率は1%以下におさまると言われています。

    (4)流行性出血熱
     DMZ(軍事境界線)付近で発生する病気であり、高熱が出て治療を行わないと腎臓に障害をきたし死亡するケースがありますので、特に夏期は注意が必要です。

    (5)マラリア
     韓国では、熱帯のみならず温帯にも広く分布する「三日熱マラリア」感染者が確認されています。症状としては、悪寒、発熱(特有の周期的な発熱)、貧血、頭痛等を伴いますが、適切な治療を受ければほとんどは治癒します。マラリアは、マラリア原虫を持つハマダラカに刺されることによって感染しますので、夏期、マラリア多発地域(京畿道及び江原道北部地域)を訪れる際には、防虫剤を使用する、蚊が活動する夜間(日没から夜明けまで)の外出は避ける、やむを得ず外出する場合には、長袖シャツや長ズボンを着用する等の対策が必要です。更に、流行している時期には予防薬の服用を検討願います。予防薬の使い方については、薬品耐性のあるマラリアがある他、副作用等に個人差もありますので、医師、現地医療機関等にご相談ください。

    (6)日本脳炎
     2005年9月に日本脳炎感染者が発生したとの報道がありました。年度別の患者数は、01年1人、02年6人、03年1人、04年なしとなっています。患者数は少ないものの、ほぼ毎年感染者が発見されていますので、流行時には特に子供や老弱者は蚊にさされないよう注意する必要があります。

    (7)予防接種
     特定伝染病感染国家地域からの旅行者を除いて、予防接種は必要としません。

  4. 医療事情
    (1)医療機関の状況
     都市部には多数の病院がありますが、大半の病院では日本語が通じないため、外国人は国際クリニック(外国人診療所)を備えた病院で受診するのが一般的です(要予約)。また、衛生管理が不十分な病院では、食中毒等の細菌感染症にかかりやすいので注意が必要です。

    (2)緊急医療体制
     都市部には24時間の救急体制を備えた総合病院が多数あります。

    (3)その他
    (イ)街中いたるところに薬局があり、薬を容易に入手することはできますが、大半の薬局では日本語が通じず、また、副作用が強い薬や薬効が強すぎる薬が多いことから、常備薬は日本から持参することが望まれます。
    (ロ)緊急の際にホテル等から病院を手配することは可能です。
    (ハ)年間240万人を超える日本人が韓国を訪問していますが、旅行中、脳梗塞や心臓病等の重病で倒れ、入院費や日本への緊急輸送費の支払(韓国の治療、入院費は比較的高額です。)等に困るケースが散見されます。万一の場合に備え、海外旅行傷害保険に加入するようおすすめします。
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緊急時の連絡先
◎警察:TEL 112
 平成15年6月1日から警察による「電話通訳サービス」が開始されました。
サービス時間は主に日中ですが、全国どこからでも市外局番なしに「112」に電話すれば、オペレーターが出た後、電話をかけた人と通訳者と警察官の3者通話が可能になりました。
 なお、事件・事故等でこの通訳サービスを利用された際には、大使館領事部や総領事館にもご連絡ください。(大使館等では皆様からの要請等を踏まえて、助言や可能な範囲での支援等を行います)。
◎救急・消防:TEL 119
◎観光公社通訳・旅行案内電話:TEL 1330
◎通訳ホットライン:TEL 1588-5644
◎在韓国日本国大使館領事部(在釜山、在済州総領事館の担当地域以外の地域)
 住所:Seoul特別市鍾路区壽松洞146-1, 利馬Bldg7F
 TEL :(82-2)739-7400(領事部代表)
    (82-2)2170-5200(大使館代表)
 FAX :(82-2)723-3528(邦人援護、その他)
    (82-2)739-7410(査証)
 ホームページ: http://www.kr.emb-japan.go.jp/
 E-Mail: houjin@japanem.or.kr (邦人援護、その他)
      visa@japanem.or.kr (査証)
◎在釜山日本国総領事館(慶尚道、釜山・大邱・蔚山広域市を担当)
 住所:釜山広域市東区草梁3洞1147-11
 TEL :(82-51)465-5101〜6
 FAX :(82-51)464-1630
 ホームページ: http://www.busan.kr.emb-japan.go.jp/
◎在済州日本国総領事館(済州島を担当)
 住所:済州道済州市老衡洞977-1
 TEL :(82-64)710-9500
 FAX :(82-64)743-5885
 ホームページ: http://www.jeju.kr.emb-japan.go.jp/

在留邦人向け安全の手引き
 現地の在外公館(日本大使館・総領事館等)が在留邦人向けに作成した
「安全の手引き」も御参照ください。
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(問い合わせ先)
外務省海外安全相談センター
東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902
外務省海外安全ホームページ
http://www.mofa.go.jp/anzen/
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