文:Daniel Terdiman
翻訳校正:川村インターナショナル
2008/06/02 07:00
2008年に入ってから発表されたレポートの中で、IDCのアナリストであるBilly Pidgeon氏が次世代ゲーム機3台の2012年までの売り上げを予測した。
Pidgeon氏は、2012年の時点ではPLAYSTATION 3が全世界で1億700万台を越える総販売台数を記録し、1億700万台弱を売り上げるWiiをわずかに上回ってトップに立つと予測している。
ただし、短期的にはWiiが圧倒的な強さを発揮し、総販売台数では2008年中にXbox360を上回るだろうと予測している。
「われわれは、Wiiの出荷台数が2010年までXbox 360とPLAYSTATION 3を上回ると予測している」(Pidgeon氏)
2012年までのXbox 360の販売台数が4000万台をわずかに上回る数にとどまり、ライバルから大きく後れをとるだろうというPidgeon氏のレポートに、ショックを受ける人もいるだろう。
Pachter氏は、この予測には真実味があると述べている。
「Microsoftには、イメージの問題を抱えている。同社は自ら、Xbox 360はハードコアゲーマー向けというイメージを定着させた。しかし、ハードコアゲーマーの数はそう多くはない。1億2000万人には程遠く、せいぜい3000万から4000万人だろう。コアなファンは今後もXbox 360から離れないだろうが、ファミリー層への訴求力は期待できない。一方、ソニーはファミリー層に常にアピールしている。」(Pachter氏)
Microsoftは、この意見に真っ向から反論している。
Xbox 360とXbox Liveのプロダクトマネジメント担当ディレクターであるAaron Greenberg氏は、Xbox 360が幅広く浸透していることを示すデータがあると主張している。同氏はその1つとして、米国で100万本以上の売り上げを記録したのは、Wii用ソフトが8タイトル、PLAYSTATION 3用ソフトが2タイトルにすぎないのに対し、Xbox 360用ソフトは16タイトルにも及ぶということを挙げている。
Xbox360が他の2つのハードよりも1年先行して発売されたことについて、「最初に発売できたことが非常に有利に働いた」とGreenberg氏は述べている。「それにより、Xbox 360はサードパーティー(パブリッシャー)にとってのデフォルトのプラットフォームになることができた。1200万人のXbox Liveユーザー、最大のソフトラインアップ、そして専用タイトルの多さがわれわれの強みだ」(Greenberg氏)
Microsoftは、本当の戦いが始まる前に勝敗を決してしまいたいようだが、数字を見るかぎり必ずしも思惑どおりにはいかなそうである。
調査会社NPDによると、2008年4月までの米国での総販売台数はXbox 360が1008万台、Wiiが951万台、PLAYSTATION 3が429万台となっている。
現時点で販売台数をリードしているのはXbox 360だが、勢いは明らかにWiiにある。米国での4月の販売台数はXbox 360の18万8000台、PLAYSTATION 3の18万7000台に対し、Wiiは71万4000台に達した。
「Wiiがあらゆる層の消費者に受け入れられているのは喜ばしいことだ」、とNintendo of Americaのコーポレートアフェアーズ担当バイスプレジデントであるDenise Kaigler氏は言う。「皆が家族や友人とともに素晴らしい体験をしている。また、NPDによれば、これほどのペースで売り上げを記録したゲーム機はこれまでにないという」(Kaigler氏)
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