文:Daniel Terdiman
翻訳校正:川村インターナショナル
2008/06/02 07:00
「Wii Fit」が米国時間5月19日に全米各地で発売された際、 このエクササイズゲームは、ゲームソフトの歴代最高にせまる販売本数を記録するのではないかと予測したゲームアナリストもおり、いわゆる「次世代ゲーム機」の話題を任天堂が独占する形となった。
「次世代ゲーム機」時代は、2005年11月、MicrosoftのXbox 360発売で幕を開け、2006年にソニーと任天堂がそれぞれPLAYSTATION 3とWiiを発売したことで一気に加速した。
ビデオゲームの2007年の売上高は米国だけで95億ドルに達し、巨大な市場に成長している。そのため、この3機種が発売されて以来、次世代ゲーム機の勝敗の決着を皆が待ち望んでいる
もちろん、ゲーム機の世代は通常数年続くもので、売り上げは数多くの要因によって左右されるものであるため、勝者はそうやすやすと決まるものではない。確かなのは、これまでの成功がこれからの成功を保証するものではないということである。そのため、次世代ゲーム機戦争の決着はすでについたと言う「自称評論家」は山ほどいるものの、業界の専門家たちは最終的にはまったく予想外の結果も起こりうると考えている。
現状はこうだ。任天堂は、Wiiで世界を驚かせた。革新的なモーションセンサ付きコントローラ、低価格、そして楽しくて遊びやすいソフトにより、新たな「メインストリームゲーマー」層を一気に取り込んだのである。当初、Wiiは次世代ゲーム機の3番手と位置付けられていたが、現時点では勝者と見られている。
当初、1億2000万人のPlayStation 2ユーザーを味方につけ、次世代の勝者になると見られていたのはソニーのPLAYSTATION 3であった。特に、内蔵Blu-ray DiscプレーヤーとCellプロセッサが実現する驚異的なグラフィック性能は大きな武器になると思われていた。しかし、PLAYSTATION 3は高価格とそれによる売り上げの低迷、そしてキラータイトルの不足により、現在では次世代機戦争の敗者と位置付けられている。
Xbox 360は堅実な2番手になると予想されていたが、米国では最初に売り上げ1000万台を突破し、多くの大人気タイトルを擁している。また、1200万人以上のユーザーを抱える「Xbox Live」は、オンラインゲームサービスのトップを走っている。
しかし、この戦いはいわばマラソンであり、短距離走ではない。これまで、ゲーム機の世代は5年周期で移り変わってきたが、今回は7年、もしくはそれ以上の周期になりそうである。
Wedbush and Morganのゲームアナリスト、Michael Pachter氏は「情勢はこれからも大きく変化するだろう。まだサイクルの初期段階なのだから」と述べている。
Pachter氏によると、次世代ゲーム機の情勢を大きく変えうる要因は、その価格であるという。
現在、価格はWiiが249ドル、Xbox 360とPLAYSTATION 3の高性能版がそれぞれ349ドル、399ドルとなっている。
Pachter氏は、この価格帯ではPlayStation 2並の売り上げを記録するのは難しいと考えている。
「消費者は、ゲーム機の価格は199ドル以下というイメージを持っている」(Pachter氏)
Pachter氏は、2009年のホリデーシーズンまでにはMicrosoftとソニーの両者がハードの値下げに踏み切ると予測している
また、Pachter氏は、ソニーが2008年と2009年にそれぞれ50ドルずつの値下げを行うと予想している。実際にそうなると、2009年のクリスマスシーズンにはPLAYSTATION 3の価格が299ドルになる。
値下げが実現すれば、PLAYSTATION 3の売り上げはようやくソニーが望む数字に近づくかもしれない。
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