乳幼児期の集団予防接種で注射器が使い回されB型肝炎ウイルスに感染したとして、広島県内の患者3人が国に計9900万円の損害賠償を求める訴訟を30日、広島地裁に起こした。全国B型肝炎訴訟の一環で同日、福岡、札幌、鳥取の各地裁でも同様の提訴があり、全国では12都道府県の患者計33人について、国に計約11億7000万円の損害賠償を求めた。
弁護団によると、原告は41―50歳で、広島市の男性2人と三原市の女性1人。6歳までに県内などで集団予防接種を受け、現在は慢性肝炎を患っている。訴状では「国は注射針を連続使用した場合肝炎ウイルスが感染する可能性を認識し、未然防止の義務があったのに怠った」と指摘。1人当たり3300万円を求めた。
広島訴訟の我妻正規弁護団長は提訴後の会見で「肝臓がんや肝硬変を患い、不安を抱える患者に1日も早い救済策を講じるよう求める」と述べた。
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