川辺川ダム建設による水没地区を抱える五木村の和田拓也村長や田山淳士村議会議長らが28日、県庁を訪れ、蒲島郁夫知事に、五木村振興への配慮を求める要望書を提出した。
和田村長は「ダム計画発表時に比べて人口が70%減った。地域再生に向けて特段の配慮をお願いしたい。また有識者会議の委員にも五木村の現状を視察してほしい」と求めた。
蒲島知事は「村の現状や歴史はよく認識している。9月にどのような結論が出ようとも、ダム問題と連動させずに村の再生を進めたい」と答えた。
面談後、和田村長は「ダムの結論は早く出してもらいたい。推進ならなお良いが、いずれにしても地域再生が最大課題だ」と述べた。さらに「ダム中止となった場合、地域振興などに対する国土交通省の予算は大きく減るだろう。県の比重が高くなると思う。県がいろいろな面で配慮してくれなければ、村が立ち行かない」と強調した。【笠井光俊】
毎日新聞 2008年5月29日 地方版