5月23日頃に、逗子のわが家に2通の「ねんきん特別便」が届いた。私自身への宛名の物と、いま同じ住所に居る私の実母の宛名のものだ。 ふたりとも、「亡くなった夫の厚生年金の遺族年金」を受け取っている。ただし、私は61歳で、母親は85歳だから、途中で年金制度は変わっているだろうし、私の夫が亡くなったのは2007年の7月で、母の夫、つまり私の父親が亡くなったのはもう10年位前だ。計算方法や記録方法など違っているだろう。 父親も夫も、1つの会社に長年勤めたので年金の納付記録は「わかりやすい」はずだ。 父は終戦後まもなくは「日赤病院」に数年間勤めていたが、そのころの記録など探しようもないから、もういい、ということにする。 私の夫は、長年勤めたNHK出版を、定年の10年ほど前に辞めたが、そのあとの「国民年金」がどうなっていたか、というのも、もうメンドクサイから、どうでもいいことにする。 ともかく去年の夏に夫が亡くなったあとに、私は横須賀の社会保険事務所に行って、いろいろヤヤコシイ手続きを教わって、無事に(?)「厚生年金の遺族年金」というのを受け取っている。 その「計算」が正しいかどうか、なんて、私は専門家じゃないから、お役所の出した数字を信じるしかない。 私自身の「納付記録」は、以前から確認してあって、20代から勤めたいくつかの会社の名前は(パート以外は)網羅されているようだし、国民年金の納付(ある時期から納付をやめている)の記録も、たぶん正しいのだろう。 そんなわけで、私の年金も、母の年金も、問題はないと思っていた。だから、「ねんきん特別便」が届いても、ほっとけばいいかな、なんて思っていた。 しかし、薄緑色の封筒をあけてみると、なんか大げさな「舛添要一厚生労働大臣」の署名があって、「必ずご確認・ご回答をお願いします」と書いてある。 これが最もシンプルな特別便のワンセット (撮影:安住るり) 「もれ」や「間違い」がなくても、住所・名前などを書き込んで、薄紫色の返信封筒で、送り返さなくちゃならないらしい。めんどくさい。 年寄りの一人暮らしだったら、返信などしない人が多いだろう。そもそも「内容の確認」なんてロクに出来やしない。たいがいは、「間違いありません」で返信するだろう。 自分の、2ページにわたる「加入記録」を一応「確認」して、「間違いがない」のほうにマルをつけて、次に母の分を「確認」した。 母の宛名の「あなたの加入記録」は、わずか4行だけだ。 父が1953年から1986年まで、ある会社に勤務していたが、4つの時期に分かれているのは、年金制度の何らかの変更のためだろうか? 考えても分からないから、間に「抜け」がないことを確認して「よし」とする。 母は、終戦後、数年間公立学校の教師をしていたが、そんなのも、調べようがないから「どうでもいい」ことにする。 「加入記録」が「父の勤務」のものだが、母の主婦時代には、国民年金には入っていなかったから、こういう記録になるのだろうな、と推測した。 母の住所・氏名などを代筆して出そうとして、念のため「基礎年金番号」とはまったく別の12桁の「照会番号」や、そのあとに続く何だか分からない3桁と9桁の番号、それと、私のにはなくて、母のにだけある「#1300xxxx」という、やはり何だか分からない番号などを見ていった。 そして、間違っているはずはないと思って気にしていなかった「生年月日」を見たら、まったく違う。えっ!これは「父の誕生日」だ。でも、父の名前はどこにも書いてない。宛先は母の名前であり、「あなたの加入記録」となっている。しかし、これはたしかに「父の加入記録」なのだ。 1番下の(14)備考欄に、「亡くなられた方の被保険者記録です」と書いてある。 「遺族年金」を受け取っている「未亡人」には、本人ではなく【夫の加入記録】が届くのか? しか~し、私も「未亡人」で「遺族年金」を受け取っていて、自分の「厚生・国民年金」の支給は「停止」されている。それなのに、私宛の「加入記録」は、夫のものではなく、私自身のものだ。 どうなってんの~~??? 「ねんきん特別便専用ダイヤル」は、きっとつながりにくいだろうと思って、横須賀の社会保険事務所に電話した。もちろん有料である。 すぐにつながって、交換さんから、「ねんきん特別便」の担当者の男性に変わった。手短かに説明する。その担当者は、のどかな声で、「あとから、あなたのご主人の記録も届きます」とおっしゃる。 なんだそりゃ? 「ということは、母に届いたのは、父の名前はどこにも書いてありませんが【父の記録】であり、これからあとに別に【母の加入記録】が届くということですか?」 「はい、ランダムに発送していますので」 私宛のものと母宛のものが「同じ日」に届いたのは偶然だったのか?【作成年月日】は私のは3月で、母宛の(父の記録)は5月だ。なるほど「ランダム」である。 となると、私の夫の「加入記録」が、私宛に、【夫の名前はどこにも書いてなくて夫の生年月日】で、そのうちいつか届く、ということか?母宛には、母自身の「加入記録」が、そのうちいつか届くということか? 私は「これの返送の【期限】はありませんよね」と尋ねると、その男性は、なぜかハッキリと「はい!」と答えた。 「それなら、私にも母にも、別の【ねんきん特別便】が届くまで待って、つき合わせてから返送したほうがいいですねぇ」と言うと、「はい、そうですね」というお返事。 アア、なんと表現していいかわらないほど、このクニの年金制度は、シッチャカメッチャカになっているのだ! 舛添さん、優秀なあなたがいくら頑張っても、低姿勢で【ご説明】しても、どうにもなりませんよ。老人医療の事実上の切り捨てが、怒りを呼んでいる「健康保険制度」の見切り改定も、その中身のデタラメさは、推して知るべし、だ。
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