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今日の仕事のコツ ver2.0

見ているものを写真のように記憶する「脳内写真」の技術

 それだけで心の中に写真が撮れるものだろうか。ばかばかしいと思わずにやってみていただきたい。意外と撮れることに驚かれると思う。

 もちろん、人によって上手下手はあるかもしれないが、駐車場の車の位置を思い出すくらいは簡単にできるだろう。

 記憶を読み出す時は、光景そのものを思い出そうとしてもいいし、言葉の雰囲気と一緒に光景を思い出してもいい。効率がよいのは、脳内撮影の時刻を逆に振り返ることだ。この感覚は、iPodやiTunesの音楽アルバムのカバーフロー(複数のジャケットをめくるようにしてアルバムを探すインタフェース)みたいな感じだ。

 重要なポイントは、脳内写真を撮ることよりも、その光景に言葉をつけること。心理学的な裏付けはないのだが、言葉を探すというプロセスが視覚に結びつくことで記憶が少し強化されるようだ。このトリックは、タイ仏教の瞑想修行にあるサティ(気づき)を応用している。タイの仏教では、意識を覚醒するために今していることを一言で表現するという瞑想技法がある。

 その他の部分については、適当にアレンジしていただいてかまわない。シャッターの位置はこめかみでなても鼻の頭でもいい。ただし、何か所定の動作を決めておく方が記憶準備の条件づけになるだろう。

 「カシャ」という擬音でなくても、「ピンポン」でもいい。小声で言うのは恥ずかしいなら心の中で言うのもよいが、実際に音声を脳にフィードバックさせる方が条件づけの強化になる。

 人にもよるだろうが、慣れてくるとかなり対象が脳内写真に撮れるようになる。本を読んでいて、気になる箇所があったら、カシャッとする。文書がそのまま脳にコピーされることはないが、どのページに重要なことが書いてあったかくらいは記憶に留まる。本のしおり代わりに、読みかけのページを脳にカッシャと撮影してもいい。

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著者プロフィール

佐藤 信正(さとう・のぶまさ)

佐藤 信正

テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。1990年前半友人と翻訳・テクニカルライティング事務所を経営。1994年末、インターネットによる遠隔地業務可能に合わせフリーランスとなり沖縄に移住。2002年東京に戻り現在に至る。「日経クリック」(現在休刊中)で10年間Q&Aを担当。デジタルARENAネットで起きてる最新トレンド、およびGoogle調査隊のコラムを執筆中。著書、『ブラウザのしくみ』(技術評論社)、『Ajax実用テクニック』(ナツメ社)など。

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