長崎県佐世保市で04年に起きた小6同級生殺害事件で県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)が、児童自立支援施設「国立きぬ川学院」=栃木県さくら市=に入所する加害少女(15)について「強制措置」の処遇を延長しない方針を固めたことが分かった。少女の更生状況や心身の成長から、行動の自由を制限できる措置は不要と判断したとみられる。
強制措置が解除されても同学院に残れるが、別の施設に移るなどの処遇も可能になる。
加害少女の処遇については、長崎家裁佐世保支部が04年9月の少年審判で「児童自立支援施設に送致する保護処分」と決定。「現段階では行動変化を予測できず他傷・自傷の可能性がある」として、児童相談所に対し少女への強制措置を2年間を限度に許可、少女は強制措置が取れるきぬ川学院に入所した。
期限切れとなる06年、児童相談所は措置の延長を同支部に申請。少年審判が再び開かれ、08年9月までの措置延長が認められた。期限が迫ったことから、児童相談所は今後の処遇を検討していた。
関係者によると、少女は施設で暴れたり自傷行為をすることもなく、鍵のかかる個室に入れるなどの強制措置は、ほとんどなかったとみられる。少女はスタッフや同年代の少女と集団生活を送り、人間関係を築く取り組みをしていた。精神科医などから定期的にカウンセリングも受け、今春、学院内の中学を卒業した。
加害少女は小学6年生だった04年6月1日、通っていた佐世保市の小学校内で同級生女児の首などをカッターナイフで切り死亡させた。
毎日新聞 2008年5月28日 2時30分