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我那覇選手への処分否定 ドーピング問題で仲裁裁判所

2008年05月27日22時30分

 サッカーのJリーグ1部(J1)川崎フロンターレのFW我那覇和樹選手(27)が、ドーピング禁止規定違反でJリーグから受けた処分の取り消しを求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS、本部スイス)に提訴した問題で、CASは27日、我那覇選手側の訴えを認め、Jリーグの処分を覆す裁定結果を発表した。

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笑顔も交えながら質問に答える我那覇選手=27日、川崎市の川崎フロンターレ麻生グラウンド、有田憲一撮影

 我那覇選手は07年4月、発熱などの症状が出て当時のチームドクターからビタミン入り生理食塩水の点滴(静脈内注射)治療を受けた。静脈内注射はドーピングの痕跡を隠すために使われる可能性があり、世界反ドーピング機関(WADA)が条件付きで禁止。Jリーグは点滴治療を違反と判断し、同年5月に同選手に公式戦6試合出場停止、所属クラブに罰金1千万円の処分を科した。だが、07年当時のWADA規定で静脈内注射が許される「正当な医療行為」だったという我那覇側の主張を、CASが支持。Jリーグに処分の取り消し、我那覇側の仲裁費用の一部の2万ドル(約208万円)の負担などを求めた。CASは一審制で、これが最終決定となる。

 処分は実行済みで、裁定を受けて我那覇選手側の弁護士は、Jリーグに対し、我那覇選手や当時の川崎のチームドクターに対する謝罪や名誉回復の措置をとるよう訴えた。

 我那覇選手は昨年12月、CASに仲裁を申し立てた。CASは今年4月30日と5月1日に東京で開いた聴聞会で関係者から事情を聴き、「数週間かけて検討する」としていた。CASによる日本での聴聞会開催は、00年8月に競泳選手の千葉すずさんが、シドニー五輪代表から落選した日本水泳連盟の選考を不服として申し立てた仲裁(訴えを棄却)に続いて、2例目だった。

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