現状についての基礎知識
Q1:今、何が起こっているのか? A1:「児童ポルノ禁止法」で漫画やアニメ、ゲームの全面的な規制がされ、「ネット規制法(仮)」では法でネットが検閲状態になりそうな状況です。 Q2:児童ポルノ禁止法とは一体何なのか? A2:本来は実在の児童を性的虐待から守るための法律です。国際的要求により1999年に制定、2004年に一度改正されました。しかし現在、エクパット東京や日本ユニセフ、公明党などの規制派はこの法律の本来の趣旨を大きく歪め、漫画やアニメへの表現規制法に変質させようとしています。 Q3:ネット規制法(仮)とは一体何なのか? A3:ネット上の有害な情報を未成年が閲覧できないように、フィルタリングや18禁サイトの会員制移行を義務付ける法律です。国から委託された機関がどういうサイトが有害か基準を作り、それに抵触したサイトとは未成年が閲覧できないようにする措置(削除や会員制への移行、フィルタリングに引っかかるように自らラベリング)を求められます。 Q4:規制されたらどうなる? A4:児童ポルノ禁止法で漫画やアニメが対象になると、1シーンでも未成年(見た目が18未満、あるいは作中設定が18歳未満)のヌードや性描写のある漫画やアニメ、ゲームなどの所持、製作、購入の一切が違法化されます。 ネット規制法(仮)だとPCの購入や新規に携帯電話を契約する際、フィルタリングの導入を義務付けられます。Webサイトの管理者は、自分のサイトに1ページでも国や国の認定機関の定める基準に触れるものがあると、該当ページの削除か、サイトの会員制への移行、フィルタリングに引っかかるように自らサイトにラベリングする措置をしなければなりません。それをしなければプロバイダから強制的に削除される恐れもあります。 Q5:どういう人々が規制しようとしているのか? A5:エクパット東京、日本ユニセフ協会、公明党、警察など「児童保護」を名目に表現規制を行いたい宗教団体や政党など。 Q6:具体的に規制されるのはどんな作品やサイトか?規制されるのはエロマンガやエロゲー、成人向けサイトだけではないのか?どうしてそんな事になるのか? A6:日本の児童ポルノ禁止法の場合、ポルノだけでなく芸術や文学的な意図を持って描かれた作品でも、規制対象になるからです。 ですから普通の漫画やアニメ、例えばドラえもんやガンダム、エヴァンゲリオンでも違法になります。 そのため児童ポルノ禁止法が制定された1999 年には、紀伊国屋書店が『バガボンド』(井上雄彦著講談社刊)、『ベルセルク』(三浦健太郎白泉社刊)、『あずみ』(小山ゆう小学館刊)など、文化庁メディア芸術祭受賞作品まで撤去するという事件を起こしました。この時は勘違いで済みましたが規制が現実のものとなれば、これら公式に芸術と認められた作品まで発禁となり、コンテンツ産業に与える打撃は計り知れません。(吉川英治の小説『宮本武蔵』を漫画化した井上雄彦著『バガボンド』は文化庁メディア芸術祭大賞受賞作品だが、17歳の性交シーンがあったという事で、撤去された。) また人物画を書く上で不可欠なヌードデッサンなども製造罪になります。 ネット規制の場合も同じです。文学、芸術、研究の意図、あるいは性犯罪や自殺への啓蒙活動、同性愛 など性的マイノリティーの救済など目的であったとしても、機関から「有害である」と認定されれば法に定められた処置をしなければなりません。 作品解説 『バガボンド』(2000年 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞)累計発行部数4000万部 『ベルセルク』(第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品)累計発行部数2300万部 『あずみ』(1997年 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞)累計発行部数1000万部 以下、実際に撤去された作品と、問題となったシーン。 Q7:国会議員はそういう問題に気づかないのか? A7:全く気づきませんし、見向きもしません。芸術まで対象になる定義の曖昧さなど問題があっても、業界が問題点を伝えないので、児童ポルノ=幼い子どもを対象にしたポルノという解釈のままです。冤罪やコンテンツ産業がどうなろうと知った事は無いのです。何故なら規制する方が有権者に受けがいいからです。逆に産業を育てるといった行為は族議員や業界が州票田でもない限り関心を持たれません。 携帯サイト規制の例ですが、総務省がフィルタリングを義務化の告知をした際、未成年が締め出されるなど業界は大混乱に陥りました。しかし議員はそんなのには一切関心を持ちませんでした。 br> リンク要素 リンク要素