島根県益田市の診療所が、血糖値測定用の針付き採血器具を使い回していた問題で、同県ではこの診療所も含め、計20の医療機関で同様の不適切な使用が行われていたことが県の調査で分かった。
厚生労働省は2006年3月、医療機関などに出した通知で、同種器具の使い回しを禁止しており、使用実態に関する全国調査を行うことを決めた。
島根県は問題発覚後、県内の全医療機関(753施設)を調査。浜田市立の2診療所、4私立病院、13私立診療所でも使い回しを確認した。いずれも、針は使う度に交換していたが、本体に血液が付着していた可能性がある。
浜田市は25日、市立の2診療所で計86人に使い回していたと発表した。市国民健康保険弥栄(やさか)診療所(阿部顕治所長)は07、08年に開いた健康イベントの血糖値測定コーナーで、ペン型採血器具1個を使い、参加者計71人から採血。07年11月には健康教室で2人の採血をした。同波佐(はざ)診療所(北条宣政所長)では厚労省の通知以降、所内の検査で同種の器具1個を13人に使った。両診療所とも、本体は交換せずに、アルコールでふいただけといい、市は器具を使った全員を対象に、26日から感染症などについて検査をする。
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