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【主張】竹島 「固有の領土」明記は当然
学習指導要領改定に伴い、文部科学省が、教科内容などを詳しく示す中学社会科の解説書で、島根県の竹島について「我が国固有の領土」と明記する方針という。
竹島は歴史的にも法的にも、まぎれもない日本の領土で、韓国が不法占拠している。韓国の外交通商相が文科省の方針に対し「事実であれば不当」などとして抗議したが、日本の領土について正しく教えることは当然である。
中学の地理、公民の教科書では北方領土についてすべての教科書が記述している。しかし、竹島の領土問題を取り上げているのは14冊中、4冊にとどまる。
高校教科書を含め、教科書検定では竹島問題について「日韓両国が領有権を主張」などの第三者的な記述に対し「誤解する恐れがある」と検定意見がつき、「日本固有の領土」であることが明記されるようになってはいる。だが中学、高校教科書とも、竹島が韓国に不法占拠されていることなどを含め領土問題を分かりやすく説明している教科書は少ない。
授業でも「韓国が領有権を主張している」といった韓国側の主張を強調しがちだ。教員から「どう教えてよいか分からない」との声もあるという。それでは困る。
韓国の中学教科書は、竹島(韓国名・独島)について「我が国の領土として連綿と伝わってきた」などと詳しく書かれている。
また昨年、教育課程が改定された韓国の指導要領や解説では「独島が持っている意味を理解する」など、竹島を韓国の領土として指導することが明記されている。
竹島は島根県隠岐島の北西約160キロに位置し、2島(東島と西島)と数十の岩礁から成る。江戸時代から日本が実効支配し、付近の豊かな漁場で漁師がアワビ漁などを行った記録が残っている。
地元、島根県隠岐の島町教育委員会は、こうした竹島の歴史などを詳しく紹介した副教材をつくり小中学校で使っている。島根県教委も来春からの使用に向け独自の副教材をつくるという。
領土問題は、沖縄県の尖閣諸島について中国が一方的に領有を主張している。だが北方領土を含め、領土問題への国民の関心は必ずしも高いとはいえない。
国の主権や国益にかかわる領土問題について、歴史的経緯を含めて知り、関心を高める学習の充実は極めて重要である。