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アナウンス室 プロフィール

おおの おさむ

大野 修

プロフィール

お医者さん

僕は結構お医者さんに恵まれている方だと思う。
が、あまりいいお医者さんにめぐり会えない人もいるらしい。

先日、大学時代の友人H田と話したときのことである。
ボート部に入部しようとした彼は一つの難題にぶつかった。
そう、彼は“痔主”だったのである。
彼はボート部に入部したい一心で、手術を決意した。

が、大きな病院では誰かに見つかっちゃうかも知れないし
第一きれいな看護婦さんに見られでもしたら…。
というわけで、H田は
町の中で【肛門科】の看板を掲げる小さな病院の門をくぐった。
雑居ビルの3階にあるその病院は80代後半の医者が一人でやっていた。
H田が恐る恐る症状を訴えるとその医者はこう口にしたという。
「キミは騎馬隊には入れんね」

手術は無事成功したそうだが、
その一件以来、H田は病院は大きな所に限ると思ったそうだ。

それから1年後、彼は急性盲腸炎にかかった。
痛み具合がハンパじゃないので、これは手術が必要かもしれない。
そう思った彼は、今度は大きな大学病院を選んで駆け込んだ。

すると診察中から10人ほどの若い研修医が彼を取り囲んだ。

年老いた医者はレントゲン写真や血液検査の結果を見せながら
H田にではなく若い研修医たちに向かって
「君たちここの部位が炎症を起こしているのが分かるかね。
 血中の白血球も抗炎症反応を起こして…云々」
と延々30分近くも講義を行った。

痛み止めの注射をしても痛みが沸いてくるH田は
脂汗を流しながら難解な講義を若い研修医とともに聴いていたが、
何せ専門用語が飛び出すものだから何がなんだかワケが分からない。
おまけに若い研修医たちは研修の一環なのか
「H田さんどんな風に痛いですか?」
「いつから痛いですか?」
などと質問してくる始末。

これから手術するのに痛いも何もあったものではないが、
ここで下手に逆らっては手術中に何をされるか分からない。
痛みを堪えながら大人しく質問に答えていたが、
文字通り「腹わたが煮えくり返る」ような思いだったという。

で、ようやく手術となった。
ご存知の方も多いと思うが、盲腸の手術は部分麻酔を使う。
下半身の感覚は麻痺するが、上半身は素のままとなる。
つまり、周りの声が聞こえちゃうのである。

手術は年老いたベテラン医師が執刀すると聞いていたが、
いざ手術が始まると状況が少し違った。
「君、やってみたまえ」
「そこじゃない、もう少し右…そうそう切り過ぎないように」
「そこでゆっくり止めて」
「それじゃだめ!だめだよ!」
まるで教習所の教官とドライバーの会話みたいである。
H田は生きた心地がしなかったという。

それ以来、H田は大きな病院も敬遠するようになったという。

2002.12.17 | コメント[0]トラックバック[0]