日本ブランド
「松下⇒Panasonic」
世界中の人々から見て「日本ブランド」といったとき何を思い浮かべると思いますか?
トヨタとかソニーとかキャノンとか出てくると思うかもしれませんが、アメリカではソニーなどはアメリカの会社だと思っている人が結構いますのでそうはなりません。松下がPanasonicに名称を統一したのも、海外での認知を広げるためです。松下よりPanasonicの方が通りがいいですから。
では「日本ブランド」って何なんなのでしょう?
「正確さ+正直さ」
国際的に見ると、モノづくりや人的サービスにおいて、日本らしさが際立っている分野が多くあります。日本ブランドと呼ぶ、或いは日本の力の源泉は「正確さ+正直さ」に尽きると思います。トヨタにしてもキャノンにしてもその日本人の力が製品に反映されているから、国際的な信用と認知を勝ち得ているわけです。
日本は労働生産性が悪い、効率が悪い国だと批判されます。たしかにOECDの統計によると労働生産性は世界15位となっています。でもこれは、お金に現れるものだけで量っている訳で、お互い信用がベースでスムースにお金のやりとりができたり仕事が任せられるという、「信用」というポイントは全く考慮されていません。
例えば「手形」。これは日本にしかありません。
100万円を60日後に払うよ、と誰かに出すとします。悪い人(会社)がいれば明日換金しちゃえ、なんてことがすぐおきそうですが、みなさん商習慣として60日をキチンと守る。
その代わり裏書をすることで次の人に譲れる。つまり100万円の価値を裏書で生み出していく。これはお互いの信用が無ければできない訳で、アジアはおろか、欧米でも絶対に通用しない究極の信用システムです。
でも、そのおかげで中小企業は資金繰りができます。長めのスパンで手形を発行して資金繰りは楽になる上に、無駄な金利も支払わなくて済む。これはまさに「ウィンウィンの関係」と言えます。
「疑い」
以前アメリカに旅行をして、華僑のツアコンにお世話になったときのこと。ツアーの途中で中華料理店に立ち寄ったとき、水槽のエビを選んで好きな調理法で頂くことになりました。 その時に、彼は水槽から出したエビの触角を左右違う長さにポキリポキリと折ってから店員に手渡していました。
「なんで?」と聞くと「こうすればすり替えられなくて済むから」との答え。
聞けば、彼は家電量販店で買い物をする時も目の前で映っている、つまり見本で飾ってあってみんながべたべたさわった指紋だらけの商品じゃなきゃ買わないと言っていました。
「新品のきれいなものがきちんと自宅に送られてくる方がいいのでは?」と言っても首を横に振る。いま目の前できちんと映っているという確証のある商品を自分で持って帰る、と言う訳です。
なぜなら、中国などでは粗悪品にすり替えて送ると言うリスク、そして配送業者が粗悪品にすりかえるというリスクが存在する。それを避けずになぜ、こんな高額な商品が買えるのか、とおっしゃる訳です。百歩譲って、全てを家に持ってきて据え付けた上できちんと映ってからでないとお金は払えない、と言う。
こんな環境では手形は流通しません。
「同じカンバンでも…」
アメリカや中国のハンバーガーショップに行かれたことがありますか?どっちが客だかわからない態度をとられ、挙句の果てマニュアルにはないだろう、というくらいの焼け焦げたハンバーグにはみ出したレタス。それも芯の部分が堂々とコンニチハしている。
アメリカ人の友人は初めて日本に来て、まずマクドナルドに衝撃を受けたと話していました。まず店員がみんな若くてかわいい(これは好みの問題にもよりますが)。店員がみんなにこにこしている。そして何よりレタスがはみ出していないハンバーガーが出てくる。
カンバンが同じでもこれだけ違うのかとカンゲキされるそうです。新宿なんかに行くと、マクドナルドが欧米人だらけという光景を目にしますが、彼らは大変満足してお食事をしていらっしゃる。
それは安いサラリーでもマニュアルどおりに熱心に働くスタッフによって支えられているから。日本人はおしなべて「時給が幾らだからこれだけしか働かない」などとは考えません。サラリーが幾らであっても全力投球します。
お金に左右されない「正確さ+正直さ」は日本人特有のもののようです。
「インドの人は…」
世界中のサービス産業で恐れられているあるインド人。彼らは伝統的にサービスに対する要求水準が非常に高いと言われます。エアラインなどで一番要注意はインド人旅客とマニュアルに「陰書き」されている所もあるそうです。
聞いたハナシでは、究極の手段があるそうです。それは飛行機に乗ったらすぐに「コメントカード」を取り寄せるというもの。
コメントカードは、サービスがひどいとかCAの態度が悪い、とか腹を据えかねた時に、マネージャーやCEO宛に出す書類です。スタッフ側もコメントカードなんかを出されたらdemotion(降格)の対象になってしまうので必死に誤って勘弁してもらうという、乗客にとって最終兵器のようなシロモノです。
何もサービスをされていないうちに「コメントカード下さい」言われたら、「なぜですか」と必ず聞かれます。そうすると「いいサービスを受けた時に『良かった』とコメントするために先にもらっておくんだ」と答えるのだそうです。
インド人恐るべし。これでは文句のいいようがありませんし、コメントカードを握っていると思えば嫌でもケアせざるを得ないですよね。本当に頭がいい、と同時に「こうでもしないとインド人は絶対に働かないんだ」と考えているとか。
でも、そんなインドの方から見て、日本のエアラインにはそういう必要は全くないそうです。JALもANAもサービスはイマイチというお声もありますが、インド人も太鼓判!世界的にはすばらしい水準ということですね。
「日本ブランド」
かほど左様に日本人のきちんとしたお金を意識しないサービスというものは世界中に認識されているわけです。最近「日本人はダメだ」という論調も見受けられますが、いえいえどうして。お金に左右されない「正確さ+正直さ」=「日本ブランド」は今後ますます見直されると思います。
民間の現場レベルのオハナシですが。
世界中の人々から見て「日本ブランド」といったとき何を思い浮かべると思いますか?
トヨタとかソニーとかキャノンとか出てくると思うかもしれませんが、アメリカではソニーなどはアメリカの会社だと思っている人が結構いますのでそうはなりません。松下がPanasonicに名称を統一したのも、海外での認知を広げるためです。松下よりPanasonicの方が通りがいいですから。
では「日本ブランド」って何なんなのでしょう?
「正確さ+正直さ」
国際的に見ると、モノづくりや人的サービスにおいて、日本らしさが際立っている分野が多くあります。日本ブランドと呼ぶ、或いは日本の力の源泉は「正確さ+正直さ」に尽きると思います。トヨタにしてもキャノンにしてもその日本人の力が製品に反映されているから、国際的な信用と認知を勝ち得ているわけです。
日本は労働生産性が悪い、効率が悪い国だと批判されます。たしかにOECDの統計によると労働生産性は世界15位となっています。でもこれは、お金に現れるものだけで量っている訳で、お互い信用がベースでスムースにお金のやりとりができたり仕事が任せられるという、「信用」というポイントは全く考慮されていません。
例えば「手形」。これは日本にしかありません。
100万円を60日後に払うよ、と誰かに出すとします。悪い人(会社)がいれば明日換金しちゃえ、なんてことがすぐおきそうですが、みなさん商習慣として60日をキチンと守る。
その代わり裏書をすることで次の人に譲れる。つまり100万円の価値を裏書で生み出していく。これはお互いの信用が無ければできない訳で、アジアはおろか、欧米でも絶対に通用しない究極の信用システムです。
でも、そのおかげで中小企業は資金繰りができます。長めのスパンで手形を発行して資金繰りは楽になる上に、無駄な金利も支払わなくて済む。これはまさに「ウィンウィンの関係」と言えます。
「疑い」
以前アメリカに旅行をして、華僑のツアコンにお世話になったときのこと。ツアーの途中で中華料理店に立ち寄ったとき、水槽のエビを選んで好きな調理法で頂くことになりました。 その時に、彼は水槽から出したエビの触角を左右違う長さにポキリポキリと折ってから店員に手渡していました。
「なんで?」と聞くと「こうすればすり替えられなくて済むから」との答え。
聞けば、彼は家電量販店で買い物をする時も目の前で映っている、つまり見本で飾ってあってみんながべたべたさわった指紋だらけの商品じゃなきゃ買わないと言っていました。
「新品のきれいなものがきちんと自宅に送られてくる方がいいのでは?」と言っても首を横に振る。いま目の前できちんと映っているという確証のある商品を自分で持って帰る、と言う訳です。
なぜなら、中国などでは粗悪品にすり替えて送ると言うリスク、そして配送業者が粗悪品にすりかえるというリスクが存在する。それを避けずになぜ、こんな高額な商品が買えるのか、とおっしゃる訳です。百歩譲って、全てを家に持ってきて据え付けた上できちんと映ってからでないとお金は払えない、と言う。
こんな環境では手形は流通しません。
「同じカンバンでも…」
アメリカや中国のハンバーガーショップに行かれたことがありますか?どっちが客だかわからない態度をとられ、挙句の果てマニュアルにはないだろう、というくらいの焼け焦げたハンバーグにはみ出したレタス。それも芯の部分が堂々とコンニチハしている。
アメリカ人の友人は初めて日本に来て、まずマクドナルドに衝撃を受けたと話していました。まず店員がみんな若くてかわいい(これは好みの問題にもよりますが)。店員がみんなにこにこしている。そして何よりレタスがはみ出していないハンバーガーが出てくる。
カンバンが同じでもこれだけ違うのかとカンゲキされるそうです。新宿なんかに行くと、マクドナルドが欧米人だらけという光景を目にしますが、彼らは大変満足してお食事をしていらっしゃる。
それは安いサラリーでもマニュアルどおりに熱心に働くスタッフによって支えられているから。日本人はおしなべて「時給が幾らだからこれだけしか働かない」などとは考えません。サラリーが幾らであっても全力投球します。
お金に左右されない「正確さ+正直さ」は日本人特有のもののようです。
「インドの人は…」
世界中のサービス産業で恐れられているあるインド人。彼らは伝統的にサービスに対する要求水準が非常に高いと言われます。エアラインなどで一番要注意はインド人旅客とマニュアルに「陰書き」されている所もあるそうです。
聞いたハナシでは、究極の手段があるそうです。それは飛行機に乗ったらすぐに「コメントカード」を取り寄せるというもの。
コメントカードは、サービスがひどいとかCAの態度が悪い、とか腹を据えかねた時に、マネージャーやCEO宛に出す書類です。スタッフ側もコメントカードなんかを出されたらdemotion(降格)の対象になってしまうので必死に誤って勘弁してもらうという、乗客にとって最終兵器のようなシロモノです。
何もサービスをされていないうちに「コメントカード下さい」言われたら、「なぜですか」と必ず聞かれます。そうすると「いいサービスを受けた時に『良かった』とコメントするために先にもらっておくんだ」と答えるのだそうです。
インド人恐るべし。これでは文句のいいようがありませんし、コメントカードを握っていると思えば嫌でもケアせざるを得ないですよね。本当に頭がいい、と同時に「こうでもしないとインド人は絶対に働かないんだ」と考えているとか。
でも、そんなインドの方から見て、日本のエアラインにはそういう必要は全くないそうです。JALもANAもサービスはイマイチというお声もありますが、インド人も太鼓判!世界的にはすばらしい水準ということですね。
「日本ブランド」
かほど左様に日本人のきちんとしたお金を意識しないサービスというものは世界中に認識されているわけです。最近「日本人はダメだ」という論調も見受けられますが、いえいえどうして。お金に左右されない「正確さ+正直さ」=「日本ブランド」は今後ますます見直されると思います。
民間の現場レベルのオハナシですが。
2008.05.24 | | コメント[0] | トラックバック[0]