福岡市教委は21日、来年度の市立学校教員採用試験概要を発表した。新たに民間企業などの管理職を対象に高校の教頭を採用するほか、スポーツ・芸術分野で優秀な成績を持つ人や障がい者など、幅広い人材を登用する。
今後、教員の大量退職が予想されることや、昨年1月に発覚した教員採用試験漏えい問題を受け「経験豊かな即戦力となる人材を求め、信頼回復につなげる意味もある」という。
民間人などの教頭は、管理職として培った知識や経験を学校経営や教育に生かしてもらうのが目的。教頭の経験を積んだ後、いずれ校長としての活躍を期待している。募集人員は1人。応募資格は(1)1952年4月2日~66年4月1日生まれ(2)企業、行政・研究機関などでの管理職経験者(3)市立高校4校いずれの学校でも勤務可能--など。願書は6月23日~7月11日(消印有効)に、市教委教職員第3課に持参するか郵送で受け付ける。論文と経歴で選考後、9月下旬に2次試験がある。
一方、小・中・特別支援学校では来年度新たに(1)教職経験者(2)社会人など(3)スポーツ・芸術(4)障がい者の4分野で特別選考を実施する。主な受験資格は一般選考と同じ40歳以下で、教職経験者の場合は過去10年間、公立学校の教員経験が通算3年以上または常勤講師歴同5年以上の人。スポーツ・芸術では、国際大会に日本代表で出場した人や国際的・全国的なコンクールなどで特に優秀な成績を残した人などが対象。
採用予定者数は、小学校110人▽中学校70人▽特別支援学校25人など計210人。うち特別選考枠は若干名。7月20日に1次試験、8月19~27日に2次試験がある。
志願書の交付は6月2日から市教委教職員第1課や各区役所企画課などで。問い合わせは同課092・711・4612。【早田利信】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2008年5月22日 地方版