田中信孝・人吉市長が川辺川ダム建設の賛否を決める参考にするための市民公聴会が22日、同市下城本町のカルチャーパレスで始まった。
賛成派の意見を聞く同日は昼と夜の2回の公聴会に、計54人が参加したが、発言は7件にとどまり、建設推進を訴える意見は1件だけだった。各2時間の予定が、昼の部が30分、夜の部も45分で終了した。23日は反対派の意見を聴く。
参加した男性の1人が「ダムで治水をしないと今住んでいる地域の水害は永久になくならない。また、ダムで正常流量が確保できれば、冬場もくま川下りが出来る。夏場でも渇水で下れない日がある現状ではダムは必要」と推進を訴えた。
一方、別の女性は「賛成ではないが、苦渋の選択をした五木村の水没地の方々の気持ちを考えると反対とも言えない」とする「中立」の意見を述べた。
田中市長は「賛成の方の意見がもう少し聞きたかった。23日の反対意見やその他の意見も踏まえて、8月中旬までには賛否を決めたい」と話した。【高橋克哉】
毎日新聞 2008年5月23日 地方版