次回、5月27日の放送は
FILE038:「この世はすべてお見通し?」
出口弘(社会シミュレーション学)
社会の、どんな現象であっても、その全てはコンピューター上でシミュレーションできるはずだ。 そんな野望を持つ研究者が、東京工業大学の出口弘教授だ。
感染症の蔓延、新商品の市場開拓、村落の人口動向予想、商品の配送・・・。対象は多岐にわたる。出口教授は、経済学と理学の二つの博士号を持つ。その両方を生かすことこそが自分の生きる道と考え、社会現象のシミュレーションに取り組んできた。
その一つが「天然痘によるバイオテロ発生」というシミュレーション。出口研究室から生まれたこのシミュレーションは世界最高水準との呼び声が高いものだ。天然痘はすでに撲滅されているため、感染に対する対策はなされていない。それを逆手に取ったバイオテロの危険性が指摘されている。仮に天然痘が発生した場合、いったいどんな対策が有効なのか・・・?爆笑問題の二人が挑戦する。
出口教授は多岐に渡る社会シミュレーションに取り組んでいながら、「シミュレーションは、所詮シミュレーションでしかない」と自ら言う。出口教授の研究目的とは、「シミュレーションで学問の垣根をなくし、この世を見通す術を得ること」。それをどのように可能にするというのか・・・?
出口研究室はこちら。
http://www.cs.dis.titech.ac.jp/ (NHKサイトを離れます)
SOARSプロジェクト・ウェブサイトはこちら。
http://www.soars.jp/ (NHKサイトを離れます)
次回放送の研究者は
出口弘(でぐちひろし)
1955年東京生。東京工業大学教授。著作に『システム知の探求1』『複雑系としての経済学』(ともに日科技連出版社)『デジタル社会の編成原理』(共著・NTT出版)など。
次回予告
2008年5月27日 放送
FILE038:「この世はすべてお見通し?」