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編集長:まあ、あのですね、どのくらい基礎知識が、状況がわかっているかわかんないですけど、IkkIって言う雑誌はちょっと特殊でっていうかいろんな意味で特殊な感じなんで、一般的なそのなんかー・・・マンガ作りは同じですけど、おもしろいマンガを作るのは同じだけどホントは週刊誌の職場を見たほうが漫画誌らしい感じのところもあると思うんですけど、僕自身はほとんどスピリッツにいたのでスピリッツのことと、このIkkiのことと、それくらいししかわからないので、僕がわかっているコミック編集部とかコミック誌が全部ではないという前提で、まあ人それぞれだよねってことで。まあそういう前提で聞いてください。で、一応今配ったんだよね? これね? 佐藤さん:はい 編集長:配ったと思うんですが、これですね、すごく昔で91年ですね。91年の「創」っていうやつに載せた、これ僕がデスクになってないくらいなのかな、よくわかんないけど。十何年前のことで、これはまあコミック編集者の生活を書いてください見たいなこと言われて書いたんだよね。でも、まあなんつうんだろうなあ、今とは時代ってのは変わってるなあと思いながらも、やってることは変わってないなと思っております。読んでないよね? 今配ったばかりだよね? まあ一応これ資料ということで適当に見てください。何が一番知りたいかな? 中野:まず私達が気になっているのが現場の雰囲気といいますか・・・。 編集長:何やってんの?とか? 中野:そうですね、実際問題なかなかわからないことが多いので、実際にお話を聞かせていただければと思っています。 おもしろいマンガができるためにやれることは全部する 編集長:じゃあこの「創」の頭のページに載ってるのが、大体僕の目から見たコミック編集者の仕事だよね。非常にシンプルなんだよね、要は「おもしろいマンガを作る」っていう。これが結構大変なことで。あのう、それはマンガ誌じゃなくて何の編集でも共通していることとマンガ誌特有のこととふたつあるんだけど。特にマンガ、まあ文芸もそうだろうけど、マンガ誌の特殊性ってのはやっぱり自分では肩代わりできない部分を負ってる、非常に大きく負っている作家って言う人たちがいるっていう事だよね。実際みなさんも、趣味とかいろんな範囲で物を作ろうとしたときに、物を作るっていうのはすごく時間とは関係ない世界なんですよね。もう降りてくる、神様が降りてくる世界の話なんですよ。で、かたや非常にシビアな世界があるわけですね。何時何分ていうか何日の朝までに全国に本がばらまかれるって言うのはものすごくシビアで、そこから逆算していって、配送して、製本・印刷とかあるわけだから、ここの現場ってのはめちゃくちゃシビアな時間できっちり出来ている。こっち側は神が降りてくるっていう世界。この間に、まあいろんな人がいるんだけど、やっぱり編集者ってのが一番大きくいて、ここに書いてあるように、隙間産業っていうか、おもしろいコミックを作って読者に届けるために、コミックを本当に作る人は作家であって、届けたり印刷したり実作業って具体的な物を作る人は別にいるんだけど、その間にいてアメーバのように動き回るっていうか。別に何やったからこの仕事が終わりって言うんじゃなくて、おもしろいマンガができるためにやれることは全部やらなければならなくなっちゃうっていう考えが僕の考えですね。他の考え方の人もいるだろうけど、もっと優先順位が違って、土日はちゃんと休む、生活を大事にするっていう人もいるだろうし、僕みたいにおもしろいものを作るためにできることは何でもやんなきゃいけないなあっていうか、だっておもしろくないのが一番嫌だから。そうなると永遠になんかやり続けるっていうか。 ↑ それを描かせるのがいかに大変か 編集長:昨日の朝、明け方、僕は始発よりあとで帰ったわけなんだけど、彼女は今、パンテラっていう滋賀県に住んでいる人の作品をやっているわけですね。それの下絵が来てたのかな、ま、ネームって言うコンテのもう一段階進んだ、ホントはコンテで、まなんとなくわかると思うんだけど、コンテ、まあネームっていわれてるやつでいいとか悪いとかで打ち合わせして直してもらって、下絵になって、本ちゃん(本番?)ができるわけだけど、時間がやっぱりなかなか理想的にはならないから、じゃあ下絵でチェックみたいな段階で僕も見せてもらったんだけど、かなり良くないできだと思ったんだよね。彼女もそう思ったと思うし。ただこれをよくするっていうのを、なんていうかな、どうしたらいいか。例えば彼女は前1、2回くらいの所で自分なりに、彼女が自分でこの人のネームっていうか最初のコンテというのかな、かなりゆるいものを書いてくるわけですね。でそれはやっぱりあのーこの人たちがさぼってる所もあるけど、やっぱりある種の部分が得意である種の部分がやっぱり得意ではないってことがあって、特にストーリーとかを構築したりこう一本筋を通したりすることが得意じゃないんだよね。そういうところを買っているわけじゃないんだけど。やっぱり最低限のものがないと商品にならないっていう感じがあって。前2回くらいははっきりとしたシノプシスをこっちが渡してたっていう、むこうのゆるいネームを見たあとに、シノプシスを見たあとにかなりはっきりしたシナリオを与えてから書かせてたけど、もう彼女は昨日それじゃやっぱり漫画家のためにならないならないんじゃないかと。全然成長しないでこっちにおんぶすることばっかり増えてきちゃうっていうので、今回はそうしたくないと思ってるんだけど、でもやっぱりそうしないとかなりひどいのがでてきちゃうというところで、かなり悩みながらも、結局まあ下絵を見て、一応そこから僕とも打ち合わせして、まあシナリオみたいなものを書いて、で朝の6時くらい? 安島さん:7時くらいです。 編集長:7時くらいにむこうに送ったりしてるわけですよ。まあそれもねえ、ぱっとでてきたネームがOKだったらそれで終わりだよね。そっから彼女はさあ、6時間くらいの作業を、まあ別にやんなくてもいいんだけど、そのネームがおもしろくないんだったらやんなきゃいけない、おもしろくするためには。もしかしたらそれでもおもしろくないかもしれないんだよね、おもしろくないものがあがるかもしれない。ただまあそれはやれるだけやって、やるとこまでやってしょうがないというところで納得するしかないんだけど。でも読者はそれもわからないわけだから、「つまんないじゃん」とか言われておしまい。うん。「何これ?」とか言われておしまいだからね。だからホントにおもしろい作品を作るー、まあ僕なんかが思うコミック編集者ってのはだから、すべてのものよりかおもしろいことが一番、優先順位1番ていうことが1番の資質かなあという。おもしろいっていうのはまたねえ、すごい気分によって、その非常に曖昧なことだけどね。少なくとも自分がおもしろいと思わなかったらダメでしょうというところでは、まあそういう意味でね、自分の基準でね、最低自分の基準でおもしろい。ただおもしろいもの書かせるということがいかに大変かっていうことがですね、1番新しい「創」にも書いてありますけど。すっごい大変なんだよね。それはコミックだけじゃなくてさ、クリエイティブな、映画でもTVでもさ、みんなさあ一生懸命勉強してさ専門知識を得てさあ。そんなかで選ばれた人たちがやってたりするじゃない? TVも映画も。でもつまんないものができるじゃない? 一体気づかなかったのかっていう映画があがるわけだよね。わかんないけど、『魔界転生』(注1)見てないけど。ものすごい金をかけてさ・・・。 安島さん:名指しでそんな(笑) ↑ 作家と編集者の2人でほとんど作っちゃうから 編集長:ものすごい金をかけて大失敗を作るっていう世界だよね。まあTVだってそうだし、映画だって。でもTV・映画ってのは、こうクレジット見てると、ものすごい人が関わってる。いろんな人が関わってることによって、1人じゃ出来ないことができるって言う意味では、やっぱりこうクレジット見てると「ああ、すごいなあ。こんなにみんなで力合わせて、こんないっぱいの人で作ったのか。なんか憧れるなあ」と思うけど。一方ではこのみんながそれぞれさあ、失敗作にしても、みんなそれぞれが「おれこんなはずじゃなかった」とか思ってるんだろうなあとか思うとねえ。監督も「なんか主演のやつが違ったんだよなあ」とか思ったりさあ、プロデューサーも「いきさつがあってあの主演、あの脚本家使いたくなかったんだけど仕方なく使ったらダメだった」とかさあいろんなこと思うんだよね。すっごくその複雑なだけにやっぱりいろんなこと思うけど。マンガってのがいい所はシンプルなわけですね。もうほとんど作家と編集以外はまあほとんどいないんだよね。だから二人くらいだね。うん、せいぜい。すると相当、彼女にしたって、佐藤君にしたってまだ全然ひよこだけど、でも自分が持った担当作品に関しては唯一の担当だから、おれよりか強いんだよね。答えは3つとかいってその3つ選んでるのは彼なんで、おれが校了でつまんないとかいったってさあもう遅いじゃない。次からこの2つ目くらいのテイストのネタを3つめに持ってきたほうがいいよくらいしか言いようがなくて、やっぱり圧倒的に強いわけだよ。もっと強いのはまあ作家だしね。作家と編集者の2人でほとんど作っちゃうから。そこがねえ、やっぱり、マンガの編集をもしするんだったら、そのなんか非常に特性って言うのかな。ほかのメディアでもないし、編集でもほかの一般誌にいる人たちなんかに言うことあるんだけど、「マンガって言うのはやっぱりすごいなあ」ってそいつが言うわけ。なんでかっていうとそいつは記事物の雑誌にいたんだけど。昔の「GORO」(注2)とかね。知ってるかな? 「GORO」なんか知らないでしょう。 「GORO」って雑誌知らないでしょう? 知らないんだよね? もうほんとにねえ。 安島さん:多分江上さん以外みんな知らない(笑) 佐藤さん:はい。僕らも知りません(笑) ↑ 出来心からブームを作ってしまえる、という快感 編集長:いま上にいるお父さん達はねえ、「知ってる、知ってる」なんだけどね(笑)あるんですよ。昔のだから。まあ小学館が出してる雑誌ね。まあグラフ誌だったんだけどね。いま「サブラ」(注3)みたいなのにちょっと下品になったけども。「サブラ」が引き受けてるんだけど。そいつがやっぱ言ってたのは、一般誌ってやっぱりねえ、アイドルがいなかったらグラフ作れないんだよね。アイドルっていうか女の子がいなかったら。で車の新車が出ないかぎりは車の記事作れないんだよね、基本的には。でマンガってなんにもなくても作れる、出来ちゃうわけですよ。もう二人で、作家と編集だけでおもしろがって、もうほんとに適当なんだよ、ある意味。出来心みたいな話し合いから出来ていく。でまあ今なかなかヒットするマンガは少なくなったけど、昔だともっとね、マンガバブルだから、自分達がつくったほんと出来心みたいなことが、まずマンガ誌に載って、日本全国にぼーんと何十万部届けられる。で、それを見た、それこそ一般誌の人が「あ、いまこれきてんのかな」つって取り上げる。それで、TV局の人が取り上げて、TVになったりしてブームになっていくっていうのはものすごい快感なわけですよ。だからそういう意味ではすごく、そのー、マンガの編集ってのは、大変なところはあるけど、醍醐味ってのはありますよね。 ↑ 作家という特別な生き方/黒田硫黄のこと(1) 編集長:・・・っていうようなことでそんな漠然とした話が聞きたかったのかどうかよくわかんなくなっちゃったんだけど(笑)まあ具体的にそれでもやることはもう何から何まであるわけですよ。それも作家によって全然違うから。優秀な作家っていうかね、やっぱすごいもん描く作家ってどこかどうかしてるわけじゃないですか(笑)なんかどうかしてるんですよ。つまりこんなページ数を毎月でもね、毎週でもペンで埋めていく、描こうなんてやっぱちょっと、やっぱり普通は続けられないよねっていう気がするんだよね。モチベーションとして。こんなもん描くこと自体ちょっと変わってるわけだし、まその内容的にね、人を惹きつけるようなもの描く人は、やっぱりどっか特出してて、どっか欠けちゃってるから、やっぱりみなさん大変なんですよ。すごいっすよね、みんなすごい。でこれIkkIもし読んでいる人いたら、黒田硫黄(注4)って最近載ってないって思ったりすることってあったりする? 飯田:します。 編集長:するよね? 中野:彼、ファンなんで。 編集長:あ、ファンですか。黒田硫黄さんやっぱり天才的じゃない? 描いたもの。おもしろいしさあ、すごく絵柄も個性的だし。なんかもう天才、天才黒田としか言いようがないくらい天才なんだけど、載ってないじゃない?ねえ。やっぱりなんか起こってるわけですね。そういうことがねえ。やっぱり大変なわけですよ。載せたいんだよね。雑誌としては載せたいんだけど載らないわけだから、やっぱりねえ、思ったようになんないわけですよね。あるすごい特出した才能はすごい扱うの大変だし。まあ黒田さんで言えば、まあ落ちちゃたわけですよね。でしかもまあ、さっき「作家の人いないんですか?」って言ったけど、ここにカンヅメまでしてね。このあたりの部屋に籠もっていただいて、最後やってたわけですよ。てことはさあ、本人もサボりたいわけじゃないんだよね。描きたかったわけ。何日間もここにいて、時々「散歩行ってきます」って言ってね。 安島さん:3時間くらい。 編集長:3時間くらい用事ないのに出て夜中歩いたりさあ、こうずっと何考えてんだかわかんない時間ずーっとうーんと下向いて突っ伏したり、なんか「ちょっとくさくさしたからおもしろい話聞かせてください」とか、こっちは失敗談でも一生懸命話して、夜中の3時くらいにさ、「なんかおもしろい話なかったっけ」みたいなさあ。それでなんかちょっと気分がのってくる。「ああ、なんかのってきたな」て。で結局ネームまで描いてたんですよね。ネームが描けたらもういけそうじゃない。で本人ももういけるような雰囲気になってきてだんだん気分がちょっと上がってきたなっていう。こっちも安心して、「じゃあネームが描ければ絵はあとはもう物理的な時間だけだな」っていう。「家帰って描いてきます。手伝いの人も今家にいますし」「がんばって」でね、佐藤君が原稿を取りに。 佐藤さん:行きました。 編集長:佐藤君がとりにいったの。前半ていうか扉だけ先にくれって印刷の方が言うんでさ。 佐藤さん:もし可能ならもう2、3枚取って来れるんじゃないか、と。 編集長:扉とあと2、3枚。だって他もう全部校了終わってるくらい遅いんだよね。もう落ちそうなところの最後の最後で印刷所にもう泣いてもらってやってるから。もうとにかく1枚でも多く取って早く持っていきたい。「佐藤君、扉だけじゃなくてあともう2、3枚取れたら」っ言ったら。 佐藤さん:はい。 編集長:どうだったんですか? 佐藤さん:扉だけありまして、で「もう描けません」て言われて、「無理です」って。いろいろ言われて。月刊化の第1号の時の話だったんで、「月刊の第1号だから次休むのはしょうがないかもしれないけど第1号には載ってて欲しいんで」って。 編集長:「(月刊の)創刊号だからどうしても載ってくれ」 佐藤さん:ええ。 編集長:しかも(黒田硫黄さん)文科庁メディア芸術祭なんとか大賞とってるし。 佐藤さん:とった次の。 編集長:そう。とって出したつぎの翌日が授賞式だしみたいなさあ。 佐藤さん:発売日の翌々日が授賞式。 編集長:落としたら様になんないだろうっつってね。 佐藤さん:もうぼそぼそっと。「無理です」「わかりますけど。編集さんのそういう気持ちとかわかりますけど」ぼそぼそっと。 ↑ 作家という特別な生き方/黒田硫黄のこと(2) 安島さん:子犬のように震えてたらしい。 佐藤さん:そう。もう子犬のように。 編集長:震えてたんだよね? 佐藤さん:震えて、ちょっと。「もう無理でした」って震えてた。 編集長:震えてたらしいんだよね。 佐藤さん:もう無理でした。僕の手じゃあ。 編集長:そのまえに「創」にも書いたけど、そこは名指しはしてないけどね、名誉を守るためにね、ぜったいわかるけどね。あのう「マンガの描き方」を忘れたって言い出したんだよね。カンヅメになっていると、なんか「マンガの描き方忘れました」ってぼそっと言って、「どうして描けてたかがわかりません」て言ったわけね。で結構すごいわけだよね。「えっ!!」みたいな。「いまごろ忘れてもらっても困るー」みたいな。「アフタヌーンやってたときはなぜ忘れてくれない」みたいな。 一同:笑 編集長:でもそういうことになっちゃうわけね。でもうそれは極端な例ではあるけれども、そんないろんな人がいるわけ。まあ彼女が持ってるある作家だってねえ、2号目だか3号目で落としてるわけだし、まあ落とすまでいかなくてもやっぱすごいんですよ。やっぱすごい作品描く人はすごい性格ももれなくくっついてきてますからね。そういうのを相手にしながらも期日までにおもしろい作品を取るっていうのがもうほんとすごい大変っちゃ大変なんだよね。それを楽しいって思える人はやったほうがいいし、それをなんかもう、やりたくない人はやっぱやりたくないと思うのね。 ↑ 作家という特別な生き方/一色まことのこと、土田世紀のこと 編集長:だから、どんなに編集長としての、まぁ、才能あってスキルがあっても、なんかちょっと別なんだよね。きっと。だから、一般誌はやったらもっとちゃんとやれるけどこっちはだめだっていう人いると思うよ。絶対いるよね。それをだから良さとして楽しめないと。まぁおれも、楽しくない局面もあるんだけど。やっぱりそれでも、なんかその得体の知れない人ってやっぱりおもしろいんだよね。そいつらだから描けるもんがあるって思っちゃうともうしょうがないんだよね。 (資料を見て)まぁこれも、一番最後のほうにね、このI先生っていうのは、一色まこと(注5)先生だよね。知らないかもしれないけど。今『ピアノの森』(注6)かなんかやっててね。でももう10何年生きてるってえらいよね。こんなこと言っておきながら。 一同:(笑) 編集長:これも週刊連載だったんだよね。週刊でやってるのに、毎回の打ち合わせで、自分は漫画家に向いてないと思いますってことを言うわけですよ。つまり、やる仕事っていうのは、今後の展開ではどうなるんですか主人公っていう前にまずあなたは漫画家に向いてるんだと。マンガがしかないだろうよく考えてみろと。で、ようやく、漫画家を今週やろうっていう話から始まるわけですね。すっげぇ大変なわけ。うん、その説得で、ほんとに大変だよね。で結構もうマンガしかありえないのにマンガじゃなくていいとか思ってる人がいるんだよね。この中で言ったら土田世紀(注7)さんなんかもさ、いつでも漁船にのるとかっていってるわけ。お前みたいなあまちゃんが乗れるのかって思うんだけどさ。「漁船に乗ります」とか言ってさ、海の男になるとか言うわけ。信じられないよね。ほんとに。 安島さん:絶対無理ですよね(笑) 編集長:無理だよね(笑) おいそんなあまちゃんがさ、ふられたくらいで落としそうになってるやつが・・・ほんっとにもうありえんって思ってるんだけどさ(笑) 一同:(笑) 編集長:ただ一方ではわかるんですよね。すごく普通の仕事に比べると、あの、なんていうの我々もプライベートとね、編集っていうのは若干プライベートな部分っていうか、周囲、プライベートで考えてる部分と仕事がぐちゃぐちゃしちゃうけど。作家は完全に一致してるから、確かに失恋した週って描くの大変だろうなと思うんだよね。うん。あの、大変だと思うんだ(笑)つっちー(土田さん)もよく失恋してるからね(笑)失恋しては何か、うーん。。ちょっと何か、うーん。ちょっとね、彼女に内緒でね、それこそキャバクラか何かにいれあげたりして、ばれたりして。ばれて彼女が乗り込んできたこともあったんですよ。執筆現場に。 ↑ 作家と幸せな一生を暮らす、というのは難しい 編集長:ほんっともうどうでもいい話だけど(笑)すごいんだよ。どたどたって入ってきて。でも彼は偉かったんだよ。アシスタントもいて。仕事と台所が2間あるところだったんだけど。もう何で彼女が来たかわかるわけ。もうわかってるわけ。で、おれとアシスタントを残して隣の部屋にぱっと入ってさ。で彼女が乗り込んできて、隣の部屋ですごい音がするわけ。もういろんなもん投げてる感じ。あと、ぶんなぐってる感じ。でひとしきりそれが終わったあとも、顔腫らして、ドア開けて、入ってきて。またこうやって仕事やってるんだよね。漢だと思ったよね。漢。つっちーはそこで一段と漢になったと思うんだけどね。とかね、またそんなような余談はいっぱいあるんだけど。そんなことが聞きたいわけじゃないって(笑)? 一応そんな感じで得体の知れない人からおもしろい作品取るのは大変ですということなんですけど。 安島さん:そんなすごい人ばっかりじゃないって、それをちゃんと言わないと(笑) 編集長:すごくない人もいるんですけどね。でもねすごくない人はね。うーん、理想的なひとは少ないと思うけどな。うん。いや結構ね、そんなはっきりしたすごい人は少ないけど、みんなやっぱり作家ってプレッシャーすごいし、やっぱり・・・おれはほとんど、まともな人っていうかさ、いい人っていうか・・・やりやすい人っていうのはいないと思うけどなー。どうですかね。 安島さん:まぁやりやすい人っていうのはいないですよね。 編集長:っていうか抱えていつか爆発するっていうことも含めると何かねー難しいよね。 安島さん:爆弾抱えてる感じは 着実にあげてくれる人でもありますね。 編集長:この前竹下さんとの話のときにでたけどちょっと今言いたい。今おれの頭んなかを捕らえてるのは、作家と幸せな一生を暮らすっていうのは難しいってこと。なかなか。うまくいくのは稀有な例で。つまり、一生幸せな作家と編集の関係をまっとうするっていうのはさ、1つがめちゃくちゃ奇跡的なことっていうのは、そいつとずっと組んでいってて、まぁ、でもそいつと組んでてヒット作を作ってればその編集者は編集長かなんかになっていくから、段々現場から離れていく。でもそのやっぱり作家は現場にいて。まぁある関係。もしかすると現場の編集は1人いるけど、なんかあったときはそこに行くみたいな関係かもしれないけど。まぁ近くにいる。で、ヒット作を連打させるっていうのがひとつの理想的な、いいか悪いかわかんないけど、だいたいそうはいかないんだよね。作家が弱ってくるか編集が弱ってくるかとかさ。やっぱり、どっかでミスったりするんですよね。 そうすると作家は編集のせいにしたくなるし、まぁ・・・したくなるしね。ぼろかすに言われたりするんですよ。そのとき、昔が幸せだっただけにすごい言われるわけ。僕も今そういうのがあって、すごくなんか憂鬱なんですよ。ある作家からすっごく恨まれてるっていうかね、ぼろかすにいわれてるのが判明して何かやっぱりすごくへこむんですよね、うん。もう。そのあるまぁ、ジャンプの作家さんが、ジャンプのあるこの前なくなった編集長とすっごくやっぱりいい仕事をしていた時期があって、やっぱりすっごい決裂してからぼろかすだったけど亡くなったときに、弔辞でやっぱりなんかそのね、まぁ一応その人に世話になったとか感謝みたいなのいったらしいんだけど。それしかないかもしれないわけ。死んだときにやっと感謝されるくらいかもしれないんだよね。それまでぼろかすにいわれる可能性はもうすごくある。割が合わないぞみたいな。というくらいね、あるという感じですね。 ↑ やっぱり生活は不規則になる 編集長:で、ここで質問コーナー。何か聞きたいことある? 今おれが言ったことに対する疑問とかまぁさっき編集部で観たことに対しての疑問。 中野:今お話を聞いてて、まぁそのマンガ雑誌の編集者って言うのはほんとに大変なお仕事なんだろうなっていうのは・・・ 編集長:はい。 中野:すごく感じるんですけども、それはあの、やっぱり実際あのお休みとかあると思うんですけども、実際いつどのようにお休みになっているのかとか、あとまぁ、題材とか読者のことを知るために色々と遊ぶことも大切だと聞いたこともあるんですけども。 編集長:まぁ、言われるよね。 中野:そういうまぁ、実地調査といいますか、そういったことはどのようにして行っているんですか? 編集者のお仕事としてもう少し詳しく聞きたいなというのがありますけども。 編集長:生活パターンとしてはやっぱり人それぞれだと思うんですよ。で、抱えてる作家によっても、全然違うし。かかえてるっていうか、いる雑誌によっても全部違うと思いますので。なんともいえないですけども、おれは、青年誌の「スピリッツ」あたりの経験からするとですね、どうかな? やっぱり仕事不規則だし。えー。でも僕はけっこう仕事遅い人なんですよ。って言われる方なんだよね。切り上げが悪いという。でもおもしろいことに準じていこうとするとそれにかかる時間は無限になっちゃうから。ただまぁ、ちょっと参考にならないけどやっぱり大体昼くらいから、昼に出てきたらえらいよね、というくらいだよね。で朝までっていうのが大体よくあるパターンじゃないかな。で、まぁ土日もなんかしらひっかかる・・・ですよね。みんなひっかかってるよね。何かネームが来るとか。 安島さん:予定通りに行けば。 編集長:ん? 安島さん:予定通りに行けばいいですけど。 編集長:予定通りに行かないよね。 安島さん:何かネームが来るのが遅れたりとかしたら、夜中でも行かなきゃいけない。 編集長:結局締め切りがあるから向こうは向こうで伸ばしてくれてここの部分で、こっちの部分で合わせていかないと。 お前が週末にかかったんだからおれは月曜日に見るよじゃ間に合わなくなっちゃったりするんだよね。特にまぁ週刊誌だと特にそうだったんだけど。だから結局、すっごく自分の管理能力があるか、まぁ作家がすごくそれをわかってくれる人じゃない限りはかなり不規則になっちゃう。うん。だから時間はかなり、寝不足にはなりますよね。 ↑ 仕事だけしていると、普通の人と考えてくることがずれてくる ただ、その、ほかの仕事もみんな大変だと思うってことを考えるとさ、朝通勤ラッシュで出かけて、終電で帰ってくるみたいな人達だっていっぱいいるわけだから。それよりかは結構いい加減な時間も多いわけ。なんか遊びだかなんだかわかんない。 さっき言ったようにその遊びも仕事だみたいなとこがあるから。それを仕事だというふうに申告するか、あの、ねぇ、残業として申告するかどうかは、個人の美学の問題だけどやっぱり全部仕事になっちゃうから。ただ、今スピリッツなんかだと、やっぱりそういうリサーチとかそういうのは弱くなってると思うから、それは、やっぱり駄目だと思うよね。うん。やんなきゃいけないと思うし、特にやっぱり昔のバブルなころってやっぱり編集も傲慢なとこがあって何やっても売れちゃったっていうのがあるから。もう、しかもメディアとしてマンガは強いからみんながマンガに注目してたから。なんかもうおれたち作りたいもの作ってあとはもうみんなついてこいみたいな感じだったけど、いまはそういう感じじゃやっぱりないじゃないですか。読者のモチベーションはすごい下がってる、マンガもワンオブゼムみたいなのがあるからやっぱり、その中でその支持を得るための作品作るためにはもっとこっちも寄っていかなきゃいけない?みたいな。 それは、まぁ迎合するっていうのとは違うんだけど、やっぱり読者が何考えてるかっていうのは、編集者は掴んでいかなきゃなと思いますよね。うちなんかだと、はからずもメインの読者は20くらいだったりするわけですよ。女子高生から、大学生、若いサラリーマン。昔のほんと10何年前くらい、15年位前くらいののスピリッツの平均読者層をいまこっち抱えてるかなぁという気はするけど。わからないもんね、おれなんか。若い人たちはある程度真っ只中にいるからわかるだろうけど。ただ、生活サイクルとしては、漫画家との打ち合わせからネームのやりとり、原稿取り、入稿に埋没するとやっぱりちょっとずつ普通の人の考えてることとちょっとずつずれてくるっていうかさ、そうなっちゃいがちだからさらに漫画家はもうしょうがない。漫画家はその作業にかかる物理的な時間でしょうがない、吸収できないっていうのはかなりもうしょうがないと思うけど、編集が社会の窓っていうかメインとなってやってないとダメだっていうことでは実は小学館全体というかね、マンガ業界の編集者、マンガ編集者のそのあたりの意識というかね、持たないとちょっと相当それは下がってると思う。そんな感じかな。 ↑ 一つの媒体として動かないと読者に届かない 中野:ありがとうございます。実際に働いていらっしゃる方でもその、例えば読者の考えてることとかとだいぶ乖離してしまっているように感じるということですね。 編集長:乖離していると僕は感じますね。だから、ほんとはだから時間あればっていうかまた機会があれば おれは要するにリサーチしたいんですよね。うん。もうなんか、ほんとに知りたいんだけどね。最近あの、先週末にその京都の方にある書店のすごくマンガが好きな売り場の担当者3人くらいと話したんだけど、やっぱり書店の話を聞くこともやっぱり少なくなってくるんですよ。昔だと、昔はやっぱり少なくとも社内でも販売の意見っていうのはそんなにまぁ向こうも販売も販売でもうトーハン(注8)に一発どーんってまくと売れちゃってるからあんまりやっぱり考えなかった。 で、あの、まぁうちくらいの規模の会社だとやっぱりセクションが全部分かれてるから宣伝とか販売とか広告とかそれぞれみんなバラバラのセクションの人たちがやってて、そういうこともあって、非常にその声も聞かない。入ってこないし、聞かない傲慢さもあるんだよね。編集者に。 作ったから売れるから売れよ。これだけ部数あるんだから広告とってきてよみたいなこととか含めて、なかったんだけど。 やっぱり最近は編集とおんなじような比重が販売の人にもかかってるし、広告にも宣伝にもかかってると思うし。もっといえばそっから先の取次ぎの人たちから、やっぱり書店の店頭の人たち。そこまで全部こう、意思を疎通して、一個の媒体として動かないと読者に届かないんじゃないかとかいう気はすごくするんですよ。 ↑ 読者が買う場所のことを考えていなかった、という傲慢 編集長:すごくね、読者のあの、端的な例は、昔ビッグコミックの単行本でビッグゴールドっていうね、大人向けの雑誌が出たときにその単行本を作ったことがあるんですね。おれじゃないんだけど。 で、ゴールドっていうのはさ、ひとつこうなんていうかな、一段クオリティの高いものみたいなさ。あの、そういう考えもあったのかもしれない。少し装丁を他と変えたんだよね。しかもサイズも変えたんだよね。でね、縦のサイズを確か5ミリ増やした。他の単行本よりか5ミリ長いような単行本を作ったんですよ。それはきっと、デザイナーと編集部の総意でなんかその、アイデンティティ。それをビッグゴールドコミックに持たせようと思って。それでこのサイズでいこうっていうのがあったんだけど、書店のB6の棚に入らなかったんだよね。でもう書店から総スカンくって、返本くらって。すっごい文句を言われたんだけど。それは、やっぱり書店のことっていうか、読者が買う場所のことをまるで考えてなかった編集者の傲慢さだよね。で、それを結局販売まで含めて気づかなかった。作っちゃったんだから。作ってまいちゃったんだから。 だから、そのくらいのことすら気づかないで本を作ってるっていう時代があったけど、やっぱりそういう意味ではね、バブルのころっていうのはおかしかったんだよね。今はやっぱり健全になってきたともいえるけど昔のバブルが良すぎたからみんなおたおたしちゃって。ほんとに売れなくなってますから。うん。だからまぁ、多少適正になってるのかなっていうのはまぁちょっと強がりだけどこの中ではほんとに、受け取る読者のことを考えたものをすっごくきちんとこう作っていかないとまぁ売れないだろうな。そう考えると、やっぱりリサーチしたいよね。みんなどういう本だったら買うのって聞きたいよね。うん。雑誌と単行本とのかかわりっていうのもさ、すごく今こう、問われてきているわけですよ。 ↑ 雑誌が売れなかったら広告媒体の価値はない 編集長:昔は雑誌がありきだった、おれがもう先輩からずっと言われたのはもう、「雑誌だよ!」と。「単行本作るために雑誌に載せてるわけじゃねーんだぞ!」って。で、文芸とかの世界ではもう雑誌なくなっちゃったじゃない。なくなったっていうか弱くなっちゃったから、単行本は売れるけど、ベストセラーは出るけど、文芸の雑誌はなくなったと。で、あんなふうになりたいのかよって言われてたわけ。で、そう、なんていうの、すっごく雑誌っていうのへの思いは強いんだけど、実際読者ってもうさ、実はこれだって、松本大洋(注9)の読者がみんな買ったらもっと売れてるわけですよ。だけどやっぱり単行本待とうって思ったりするわけじゃない。だからそれはほんとに毎月買いたいとかさ、「スピリッツ」だったら毎週買いたいというものを提供できていないっていうことかもしれない。だからそこを放棄したらおしまいだという意識は当然あるからより雑誌として魅力なものはないのか、っていうことは思うけど、もしかするとそれでもさ、やっぱり変わってきてるのかなっていうことは考えないといけないんじゃないかと。うん。だから、一番極端な考えっていうのは、まぁまだ小学館でも受け入れてないしおれだってそれを受け入れたくないけど、あるとき考えたわけ。もう雑誌やめようかと。つまりここにかける・・・変な話、雑誌って赤なんですよ。普通。この感じ、この手触り、ページ数、紙の感じで100万売れたら黒字ですよね。50万売れたら黒字かもしれないけど。例えばアフタヌーンとかは10万とか越えてるわけで、一番成功してる部類だけど、それでも大赤字なわけですよ。そんな話をするあれでもないんだけど。そんな話するのも知っとくのもアリかな。もう大赤字。原価率200%、300%、400%なんていう本もあるわけですよ。つまり刷った部数の4倍売れるとコストが取れるっていう、そういうなんかこう抽象的な計算になるわけだよね。全部売れても赤字なわけ。だけど、成り立ってるのは、単行本が売れてるわけですよ。単行本で、帳尻を合わせましょう。っていうのがひとつのモデルになってるわけだけど。もっとそれをどんどんいけばさ、雑誌の赤ない方がいいじゃん。とか思うわけ。例えば、誰も雑誌をもし読んでないで単行本だけ買ってるなら、なくてもいいじゃん。ここで赤を食らうはずの原稿料だってさ、制作費だって、宣伝費だって全部単行本に回しちゃえばいいじゃんっていうのもあるわけ。昔、雑誌があるのは、ひとつはさ、雑誌って一番の宣伝媒体でしょ。「スピリッツやってますよ」っていうことは、毎週やってると。 毎週やってるんだから、単行本の宣伝として一番強くなる。おもしろい作品をそこでやってる、毎週やってる。っていうのが単行本の売り上げにも影響するんですよって言われてたんだけど、そんなに雑誌が売れなかったらもう広告の媒体の価値ないじゃん。ってことを思うわけだよね。 ↑ 雑誌は変わらなくちゃいけない 編集長:そうすると完全に単行本にシフトするっていう。IKKIっていうブランドは一つの単行本? 毎月単行本を出していくっていう「今月はこれです」みたいな?「今月はナンバーファイブ」を出しますよみたいなことでやっていくっていうのはアリなのかなーとちょっと思って言ったらすごい怒られたけどね。もうまだ始めたばかりで白旗あげるっていう・・・まぁそうなんだけどね(笑)。始めて2、3ヶ月でね、上司がなんかオタオタしてるから先回りしてね、いってあげたんだけど(笑)まぁちょっとそう怒られまして・・・。ただ、そういうのがあるからまぁ単行本と・・・まぁ雑誌がないと新人が育たないのもあるんだよね。だからまぁそれは大事かなぁ・・・だからまだ雑誌はあきらめちゃいけないと思うけど絶対に変わってきてるってのは確かなんだよ。うん、どう考えても・・・。MONSTERが、あんな100万部売れてたけど、オリジナルの雑誌と関係ないんだよ。浦沢直樹、MONSTERとオリジナルを読む「釣りバカいいなー」なんていってる人とまったく関係ないんだよね。アンケートみても関係ないんだもん。あんなに関係がなかったのも珍しいけどね。だからそれはすっごく考えなきゃいけないなと思う。将来に、これからの課題だよね。て言うようなことを思ったりしましたけど、ほかになんかない?答えていきますよ。質問に答えてるきもしないけどね(笑) ↑ 江上編集長の場合(1)/別にマンガは好きじゃなかった 中野:本当に貴重なお話を、どうもありがとうございます。 編集長:支離滅裂ですけどね(笑) 中野:とんでもないです。えーとー、ちょっとプライベートなことになってしまうんですけど、よろしかったら三人の方それぞれの、たとえば大学時代の話とか、経歴とか。まぁIKKIは最近月刊化されたということなので、それまでどういうお仕事をされていたのかとか。差し支えなければ担当されていた作家さんの名前ですとか、まぁエピソードとか、さっきまぁ少しお話にありましたけど、そういったこともお聞かせいただけたらと思うのですけれども。 編集長:そう、僕はだからまぁ、えーとーなんだろう、学生時代は心理学をやっていたけど、それはよくわからなくてやってて・・・。 中野:そもそもなんで編集者になろうと思われたんですか? 編集長:や、あのーその・・・なろうとおもわなかったんですよね(笑)みなさんのなかにはもっと将来にたいして疑問をもっていらっしゃる方もいるとおもいますけど、別に他になんか仕事もしたくなかったわけじゃないですか。 佐藤さん:最高学府でありながら。東京大学です。 編集長:んーだからあまり考えなくて・・・あの、ほんとはさ、もっとなりたかったものがあるわけですよ(笑) 一同:(笑) 編集長:うーん、だから就職しなきゃいけなかったわけですよ。そうするとまた僕は安易にイロイロ考えるとやっぱりテレビとかさ、すっごくありがちな考え方だよね、広告代理店とかさ。で、出版社もべつに小学館と集英社のちがいがわからなかったんですよ。 佐藤さん:アハハハハ 編集長:で、わからなくて友達にくっついて・・・出版社はここしか受けてなくて・・・うん。で、マンガが好きじゃなかった!それは言っとくとマンガはたいして知らなかった。で、音楽は、音楽と写真が好きだったから、やっぱりそのグラフ誌か音楽誌に行きたいっていうんで、最初の二年間はオーディオの雑誌にいたんですね。まぁつぶれましたけど。よかったーとかいって。 一同:あははははは!! 編集長:で、2年間オーディオの雑誌にいて、それでスピリッツに行きたかったわけじゃなくて勝手に行かされたと。で、スピリッツ行ってからマンガの勉強しまして。まぁなんかだいたい偉そうなこといえるようになって10〜7年か8年17年いて一度だけオリジナルに出てまたスピリッツに戻って・・・だから入ってから21年くらいたってるのかな?で、2年間がオーディオの雑誌で1年がオリジナルだったかな?18年くらいがスピリッツなんですね。だからおれの担当した作品言い出すと長いよ?(笑) 中野:(笑)じゃぁ、あのーまぁ2〜3個もしなにか・・・ ↑ 江上編集長の場合(2)/楽しかったバブル 編集長:じゃぁ一番あのーやったっていうのは『伝染るんです』(注10)だね。ま、楽しかったなーって(笑) 中野:(笑) 編集長:あと『サルまん』(注11)も楽しかったな〜っていう。一番楽しかった時代かなーっていう(笑) 佐藤さん:(笑) 編集長:うーん 佐藤さん:(小声で)今じゃないんですか? 編集長:今、うん。今楽しいよ(笑) 佐藤さん:うふふふふ 編集長:やっぱバブルの申し子ですから、僕は。『伝染るんです』なんかほんとになんかさーもー適当に始めてるわけですよ。あの時編集の醍醐味をかんじたのは…だらか、すごい好き勝手な、『美味しんぼ』(注12)とか『めぞん一刻』(注13)とかさーもう、非常に磐石なものがあるからおれなんかはそこで遊んでたわけですよ。でねぇ、ギャグマンガなんて3ページくらいあってもなくてもいいようなねぇ・・・ちょうど相原コージ(注14)を途中からやったから、あのー相原コージの巻末2色のスピリッツのギャグ載せてたんですよ。で終わっちゃう。で、次にやる気がないっていうから次の考えなきゃいけないってんでま、吉田戦車(注15)ってなんかおもしろいんじゃないかと。『戦え!!軍人くん』(注16)ってなんかおもしろいんじゃないかとね。 そんなかでも変なヤツってのがなんかおかしーなーって。あんな感じのって。で、話が長くなるからすごくかいつまむと、やってですね。でも最初は何かよくわかんないってのが多かったんだけど、読者がついてくるってかんじが一瞬わかったのよ。なんでわかったかっていうとプレゼントやったんだよね、柱(注17)で。で、そこでやったプレゼントっていうのがなんかふつーにかわうそ…ねぇ、かわうそグッズプレゼントつっても何かつまらないから、何かねぇ、「何かあげます」って書いたのかな? 「何かプレゼントー」って 佐藤さん:何かは言ってない 編集長:何かは言ってないんだよ(笑) 佐藤さん:あはははは 編集長:で、で「欲しくなった人は応募ください」っていって。で、その応募の項目として「住所氏名年齢氏名」だったかな? わかんないけど、おんなじのを2回書かせる、っていうのをさり気なく入れてるわけ。 一同:笑 編集長:わかんなくなっちゃったよ〜みたいなさぁ。で、最後「何かください」か「何かちょーだい」のどちらかを選んで書いてきてってさ、それでなんかさ、結構来るんだよ。で、名前ちゃんと二つ書いてあるわけ。 一同:あははははは!! 編集長:で、っとさぁ、「あ、これに乗ってきてる人はいるんだなぁ」ってのがきて、キテルキテルって感じがしてま、満を持してそのね、単行本出したときに、初日単行本見に行ったらすごいんだよね。つまり、いくら売れててもこうさぁ、なんか見てるそばから売れてるって、見たことなかったんだよね。一つも。それが、見てるそばから売れてくんだよーものすごく。で、実数を言うと20万部いったんだよね。で、初日に30万増刷したんだよ。すごいわけよ。最初20万部じゃ全然たりなかったっていうのが初日のデータで出てて・・・それで、それがものすごく爽快なんですよ。それが忘れられないんだよね(笑) 一同:笑い 編集長:あ〜よかったなぁ、あれがまた欲しいなぁっていうね(笑) ないかな?と思うんだけど、もうないだろうねーで、それが一番嬉しかったヤツで、あとはまぁ『東京大学物語』(注18)がまぁヒットした・・・まぁ、あれはまぁ江川達也(注19)というのがあって、江川もいいやつだと。まぁヒットしてよかったと。ヤツの狙い通りドラマもやったしさ、みたいなのも。あと『月下の棋士』(注20)ね。そんなもんかな。それくらいですね。まぁギャグはいっぱいやりましたね。うん。・・・お!(時計を見る)で、どうですか?プライベートってそんなもんでいいですか? 中野:あ、はい。どうも、ありがとうございます。 ↑ 安島さんの場合/IKKIの意味 安島さん:私は、まだあまり経験がないので(笑)。 中野:お名前は? 安島さん:あ、安島です。 中野:じゃぁ、そうですね。大学時代のこととか、もしよろしければ。 安島さん:あたしでも特殊なんですよ、たぶん、小学館の社員として入ったんじゃないので。IKKIの編集かつ、なんだろう、あんまりいないです、全体として私のようなタイプは。 編集長:そうですね。IKKIっていろんな意味があるんだけど、外部の人たちと作ろうってかんじなんですよ。それでまぁ小学館のいままでの「ビック」ってのがついてないのは、実は青年誌ではじめてなんだよね。ん?出る?(佐藤さんにむかって) 佐藤さん:例のスピリッツの・・・(と言って外に出て行く) 編集長:あ、じゃこっからちょっといい話するから 一同:あはははは(笑い) 編集長:じゃねー!タイガースの話ねーしてらっしゃい。 中野:タイガースの話なんですか(笑) 編集長:タイガースの話なんですよ。うん。で。まぁそういうねぇ、小学館とは違った文脈みたいなところでのこともあったんで、まぁちょっとその外の方をメインに起用するっていうのもあったんで、じつはスカウトするという形でやってるんですよ。彼女(安島さん)なんかもこう偶然・・・書いたよね、彼女はこう、マンガをやってる編集プロダクションのまぁ社員だったわけなんですね。それを別に知っててその編集プロダクションへ行ったんじゃなくて、偶然彼女はそのIKKIみたいなのが好きだったんだよね。で、まぁピンポンの試写会・・・じゃなくて初日だよね。初日に僕が映画館いって映画会社の人としゃべってたら「いた!」って思ったんだよね? 安島さん:(笑) 編集長:IKKIの人だと思ったんだよね。その後なんかつけてきたわけですね、彼女が。 安島さん:ストーキング・・・ 編集長:ストーカーだったわけですよ。で、びっくりしたんだけど、まぁあのねぇ、悪い気はしないじゃない(笑)? 女性だし。 安島さん:あははは 編集長:それでなんかねぇ、近くの編集プロダクションで仕事されてる方だったんで、まぁマンガの基礎素養はあるし、IKKIが好きだってことでスカウトしたわけですね。で、そちらを辞めてもらって、何月?5月からうちの専属になってるってかんじで。佐藤君はあれだよね。大学卒業して、皆さんの・・・だから高瀬君(注)の友達だよね? 中野:そうですね、高瀬さんの後輩にあたります。 編集長:高瀬くんはスピリッツの読者応募企画に応募して、読者記者みたいなのやったのかな?・・・で、それで佐藤君もくっついてきて雑用を「スピリッツ」でやるようになったんだよね。で、就職しないのかなー?とか思ったら就職しないんだよね(笑)うん、それでそのままなんかうちでも、半分バイト君みたいな感じもあるけど、実際もうちょっと担当もさせていてマンガ編集として一人前にしている途中だから。まぁ彼も彼女もまだ浅いことは浅いんですよ。まぁIKKI自体が浅いからね。で、担当してるのが言ってもいいのかね? おれから紹介するのもねぇ(笑)自分で… 安島さん:あははは、その『パン★テラ』(注21)っていうのやってるゴツボ×リュウジ(注22)さんっていうのとあと、竹下賢次朗(注23)さんと、五十嵐大輔さん(注24)とまぁ、新人さんとか。 編集長:で、彼女の場合はこっちが期待してるところでもあるんだけど、自分で作家を持ってきてるわけですよ。それも結構大変な作業だからね。おもしろいマンガつくる以前におもしろい作家を見つけてくる。見つけて連れて来るっていうのはねーそれで描かせる、描いて貰うっていうのは。ほとんどねー。 安島さん:無駄打ちです。10人に一人くらい描いてくれる。 編集長:無駄打ちだからねー。ようやく持ってきたらなんか大変なこと言い出す。 安島さん:そうそうそう(笑) 編集長:描けませんとか、描けてもつまらなかったりとかね。 ↑ IKKI独立して会社組織にしたら雇うね 編集長:佐藤君はいまほんとに非常に細かいものと、あと答えは三つみたいなものとですね・・・あと小説の嶽本野ばら(注25)も彼にやらせたって言う感じかな、あと今度始まる吉野朔実(注26)の連載は彼にやらせる。 安島さん:ふたりとも就職活動をしていない組なんですよね、佐藤さんとあたし。 編集長:そうだよねー、いやでもおれとしてはIKKIの戦力としてね もうなんかIKKI独立して会社組織にしたら雇うね、それぐらいのつもりだね。 ↑ 江上編集長の場合(3)/おれはミュージシャンだった 谷口:もともと編集者になりたかったわけではないって言ってましたけど江上さんは何になりたかったんですか? 編集長:おれ?おれはだからさあ 谷口:音楽とか・・・ 編集長:ミュージシャンになりたかったんだよねーでもそれも本気でやってることじゃないんだよね、なんかそんなことあればなーみたいな感じでね。でもそれしか自慢がないんだけど、唯一の自慢が就職前に応募したテープに一回だけ引っ掛かったんだよ。 谷口:すごいじゃないですか! 編集長:自慢しちゃっていい? 谷口:(笑) え、その先があるんですか? ぜひ、お願いします! 編集長:いや、ないんだけど。ほとんどないんだけど。 一同:(笑) 編集長:いや、最後は落ちたのよ。落ちたんだけど一応ね、信濃町のソニーのとこでは歌ってんだよね。そうなんすよねー。やっぱりもの作るのが好きだってことだよね。ただ編集者っていうのは微妙でね、もの作ってるようで自分が表現の主宰じゃないじゃない。そうすっとね、すっごくフラストレーション溜まる人もいると思うんだよね。自分で描けないじゃない。だからって自分が描けるんだったら自分がマンガ家になってる訳だし、だからといって自分のある種のクリエイテビティを発露したいというそういう気持がなければ作品なんておこせないっていうかさ、やってられない。だけど、やっぱりすっごい才能を前にして、やっぱり才能っていうのはこういうオーラがあるんだなっていうのを思いながら、挫けるけど、でもやっぱり自分の表現欲もまだ残ってんだよね。そのへんが微妙だよね。おれみたいに中途半端に音楽やりたいなとかさーさっき人形作ってたけど、人形つくりたいなーとかどれもまあ食べ散らかしているような人っていうのは編集に向いてるかもしれないね。何の才能もないけどなんかなんとなくどこもひっかかってるみたいなさ。て言う感じかな。 なんか聞いて?就職を目指してるんだったら聞いてよ 蓮:なにか下手を打った経験ってありますか? 編集長:ん? 蓮:なにか下手を打った経験というのは・・・ 編集長:下手を打った経験? 蓮:失敗した経験というのは 編集長:そりゃいっぱいありますよ 蓮:いちばんでかいのは 編集長:いちばんでかいすかー。いや一番でかいっていうのは難しいですけど、あのー編集としてまあ外に出る一番でかいのは雑誌が出なかったっていうのが一番でかいと思うけど、おれはそれはないね。 おれの知り合いの双葉社の人はあったけどね。 安島さん:(笑) 編集長:昔江口寿史(注27)担当で双葉社の栗原さんて人が居て、その人週刊大衆(注28)にね、行った時にやくざ記事あるじゃない、週刊大衆に。やくざの記事の彼が担当したやつのリード? 彼、副編だったと思うけど、リードでその、紹介するやくざのショバをまちがえたんだよね、青山が赤坂とかさ、赤坂を青山って間違えたのか・・・出なかったんだよ。刷っちゃったのに。 あれぐらいやるとおれも相当胸を張って大失敗って言えるけどね。 安島さん:(笑)回収とか・・・ 編集長:回収とかね 回収もやったことはないなあ。だからそういう意味での下手を打ったっていう・・・大損害を会社にかけたっていうことはないけど、「スピリッツ」って読んでる?読んでたりしますか?なんとなくみてる? 土門:(手をあげる) ↑ 作家と幸せな一生を暮らすというのは難しい(2) 編集長:じゃあおれなりに凄く真面目な話、おれの中の今のすっごくこう気分が重い、さっきも出た話で、作家との信頼関係みたいな話ね。さっきも出たけどでいますっごくある作家の人と決裂しちゃってるんだけど、それはなぜか? けっこう本質的な話かもしれないんだけど。まあ、『月下の棋士』ってやったわけですよ。『月下の棋士』は成功してるんですよ、やっぱり いやそれはもうすっごく上手くいっちゃった訳ですよ色んな意味で。まあもっと売れたらもっとうまくいってるんだけど でもその作家のモチベーションっていうのを非常にこう喚起して、しかもまあ数字的にも結果が出て、まあ、能條さんとしてはおれはやっぱり『哭きの龍』(注29)だろうと思うんだけどでもやっぱり数字的には『哭きの龍』を超えてる部数をとったということでは能條さん的にはすっごく『月下の棋士』をやった体験っていうのは成功体験なわけですよ。 で、それを起こしたぼくに対してはすごく感謝するし、プラシーボ効果もあるわけですよ、つまり江上さんと一緒だったらうまくやれるのに、でも「いなきゃダメだ」ってことになってくるわけですよだんだん。で彼はやっぱり『月下の棋士』が終わった後も、やっぱりその次の作品に対しても僕を頼ってくることもあるわけですね。でももう僕の立場は現場じゃなくなってるし、IKKIに行っちゃってるっていうかIKKIに行きだしたんだね、そうすると立場として僕がすごく関わると現場編集者にも迷惑じゃない、しかももうそろそろ「スピリッツ」とも関係がなくなってきてるわけだから。あと、もうひとつは能條さん(注30)に次の作品を描かせるイメージがあんまりなかったのよ。能條さんはビリヤード描きたい!ってすっごく思ってるけどビリヤードがいいのか悪いのか自分の中でまだ確信がなかったわけですよ、確信がないけどまあ、スピリッツで次を始めるって言うタイミングが来て、あとまあその当時の編集長が言ってしまえば言ってしまえば原作者的な素養もあるし、世界の謎みたいなのが好きな人なのね、中国のパンの裏社会みたいなのが大好きな人なのね、入ってるじゃない今の『J-BOY』(注31)の後ろっかわに。それをその編集長の趣味でこう彼に与えたりして。おれはパンの社会の裏側を描くっていうこととビリヤードと全部ひっくるめてこうイメージがなかったんですよね。でもなんかもうしょうがないしちょっとだけ腰がひけたところで能條さんを信じてやっちゃえと、まあ応援しますよみたいな感じで。やったんだけど、すぐさま失敗したと思ったのね、始めた時に。でそっからやっぱりもうミソつけちゃったっていうか、まあ色んな言い訳はあるんだけど、少なくとも彼は、『J-BOY』を江上さんはしっかり成功させてくれなかったという思いが強い訳ですね。第一部のときもおれはもう終わったほうがいいって言ったけど、それはもう「あなたがそれを言うのか」って事になるわけだしさ、僕には責任があるから最後まで全うするんだって、ふつうに考えたらもうやめたほうがいいんじゃないのって。 マンガ家って絶対失敗作あるわけじゃない、かわぐちかいじ(注32)だって失敗してまた次をつくってて、成功させたりしてるわけなんだけどさ、やっぱり作家はそれだめなんだよ。おれは彼のまあ、おれからするとしょっぱな起こす時に逃げたっていうのがあるんだよね、それで大決裂大会になっちゃったんだよね。別にけんかした覚えないけど。だから彼はもうぼろかすに言いたいだろうし、場所によっては言ってるだろうなって思う感じなんだけどね。それは今おれの中ではすごく頭が痛いと言うかさ。で、そういうケースって多いわけ。もうあんなにしたのに、って言う人が意外となっちゃうわけ。もう正月返上していっつもおせち料理を正月、元旦に届けてたって人もいるわけ、能條さんじゃないよ全然別の作家との関係だけど。恋人のような関係だった人が多いんだよ、そうなるんだよ、女性みたいな人が多いから。だけどやっぱりちょっとしたことなんだよね。ちょっとしたことで裏切られたと、私だけ見ていてくれると思ったのに他の人を見た!みたいな感じになるわけですよ。 一同:(笑) 編集長:そうするとすごいわけ、全部前の事とか覚えててさ、そういえばあの時はみたいなことになるわけ。大変だよね。 土門:そうすると二人とか三人の作家さんをかけもちされたり 編集長:なるよね、それをうまくやってるっていうのはもう結婚詐欺師みたいなもんなわけですよ。重婚罪をしてるわけだよね。みんな私だけだと、私が妻だと思ってたら何人も妻だったぐらいのことを、成立させるぐらいのそれぐらいの感じになっちゃう。だって事実的にはひとりに一人の作家とはならないから。何人か担当してみんなそれぞれこの人しかいないと思ってやるんだよね。だから強弱はあるけどさ、別にもう編集なんか頼らないって感じの人もいるけどさ、基本的にはそうなっちゃうから、それはすごい怖いよね。こっちの作家とこっちの作家の話をするときの怖さっていうのがあるじゃない 土門:下手に引き合いに出しちゃうと 編集長:ん? 土門:下手に引き合いに出しちゃうとヤバい関係におちいったりとか? 編集長:すごく!そのときはふんふんって聞いてたりするけど絶対引っかかってたりとかすんだよね。おれもそれでミスったことありますよね。つまりたとえばその人に迷惑かけたときにさ、ほんとなんだけど、「いやすいませんあっちが原稿遅れちゃって来るの遅れちゃったんすよ」って言うとさ、「あっちのほうが大事なの」と思うんだよね。あっちが落ちそうなんで、でもあなたはねえもうあがってる次の原稿の打ち合わせだから、やっぱり落ちそうなあっちを優先しちゃいましたって言うと、「遅れた方がいいんだ」「遅れた方が大事にされんだ」っていうので。ね、「あ、そう」みたいな。じゃあだだこねちゃおーって。そういうこともあるわけですよ。すっごい大変な訳!それが。大変だと思ってきたでしょう? ↑ なんか楽しいからやってます 安島さん:いや、大変なことしかさっきから喋ってないですよ(笑) 編集長:ああ、いい話してないね 安島さん:これが喜び!みたいなやつ 編集長:ああ、いい話しなきゃいけなかったーでもまだやってるのがいい話ですよね。でもなぜやってるかっていうのは・・・なんか楽しいからやってるんですよ、ね。おもしろい作品とか出来てきたらおもしろいですからね、 安島さん:抱き締めたくなりますよね。 編集長:あ、それはある。 安島さん:「ありがとうー」って。 編集長:抱き締めたくなっちゃうねー。うーん、かわいいもんね。 蓮:ギャグマンガって、 編集長:うん、うん 蓮:あれはおれのネタだ!みたいなのってあるんですか? 編集長:や、それはねーギャグは特にね、選ぶことはあるけどネタとしてはね、 蓮:出してもらうのを選ぶみたいな感じですか? 編集長:そうだよね。10コ選んで5コ選ぶっていうことが出来るかどうかって感じじゃない?10コ選んで、まあ10コ出して1コ選ぶぐらいだったらすごいけどね、ただ分かると思うけどギャグって難しいじゃない? おもしろいかおもしろくないかっていうのがわかんないから。おれがギャグマンガに対して心得てたっていうかまあ考えてたのはさ、まあFAXでね、当時FAXでネームやる事が多かったんだけど、FAXからこう出てきた瞬間に、丸かバツか三角つけんだよね、直感なんですよ。でそれをこうやって、ひとそろい、全部出てきちゃった、10枚でてきたと。で作家と話し出すと、もうわかんなくなるんだよ。作家もまあこだわりをいうわけじゃない、いや、それはですねみたいなこと。そう言われてみるとそれもまあ、あるかもななんて思っちゃだめなんだよね、やっぱり直感的に選んだやつが一番ね、正しい。でもそれもまた怪しいんだよ、それでおれが拒絶したネタを他の雑誌にそのままやったりすんだもん、とおもしろいんだ結構。それがあるからわからないんだけどね。 飯田:ギャグ以外だったらあんまり直感では? 編集長:直感とはいわないけどでも直感的に見ておもしろければ多少のところはむしろ言わないほうがいいと思うよね、だからすごく微細な部分の打ち合わせに行くんだったらほんとは捨てた方が良い感じっていうのはあるような気がするんだよ。編集者見ててさ、若い編集者とか、すぐに各論に行く、っていうのはなんかそれは違うよね。もう期限があって、やらなきゃいけないんだったらもうねえ、あと何コマか直すぐらいがせいぜいなんだったら、それはこうでこうで、みたいなのが必要になってくるけど、「このセリフはー」みたいなのが。ほんとはもっとぼーんと見たほうがいいと思うんだよね、見た瞬間におもしろいかおもしろくないかは比較的はっきりしてるからね。だいたいおもしろくなかったりするんだけどね、もうそっから考えんだけどね、作家のプライドもあるし、時間もあるし、どこまで言ったら大変なことになるのか、とかさ、それはもう難しいよ、でもやっぱり直感だと、直感というか最初の直感は信じたほうがいいよね、まずこれおもしろいのか?と。うん。 飯田:すごい作家とかだったらけっこうわかりますか? 編集長:わかるっていうのはすごくてもすごくなくてもおなじように。すごい作家の場合は難しいのはその人に向かって「つまんないですよね」って言えないところだよねなかなかね。新人だったらまあ言いやすいじゃない。 飯田:最初のあれじゃなくて、自分で見てみてすごいっていう・・・ 編集長:え、最初のアイデアじゃなくて? 飯田:最初のその作家のイメージとかじゃなくて 編集長:自分が打ち合わせにかかわってなくて、そういう完成品?それともどっかで他の人の作品を見るの? 飯田:えーと・・・ 編集長:ちょっとなんか意図がわかってなくてごめんなさいね 安島さん:持ち込みとか?新人さんとか? 飯田:あ、別になんでもいいんですけど。 編集長:見た時にわかりますかって?見た時におもしろいかおもしろくないかぱっとわかりますかってこと?ベテランの作品だったらわかりますよ。 飯田:あーそうでもないんですけど。 編集長:いや、ちょっとごめんなさいね。それはおれの考えで他の人と違うとおもうけど、見ればその人の一流具合は分かると思いますよ。一流のひとだな、二流だな、三流だなって言うのはわかるような気がしててだからまあIKKIなんかだと一流の人と仕事をするっていうのはずるいけどね。ていうかおれは二流の人は二流だと思ってしまうんだよね、でも中には二流のやつを一流にひきあげるのがおれの仕事だって言う人もいるんだけどね。でもおれは二流の人、それは新人でもベテランでも変わんなくて、見た瞬間のこの、なんていうのかな、オーラみたいなのを持っててさ、熱みたいなのがあるかないか。っていうのは意外と伝わってくると思うんだよね、それはもうすごくわかるし、ていうことはあるよね。 ↑ 年齢でも性別でもなくて、精神的な階層で考えていく、ということ/「投稿写真」の立ち読みから深夜のABC徘徊まで 飯田:その上で、IKKIっていう雑誌は、一般的にこう大衆受けとかを、狙っているのか、マニア受けじゃないですけど… 編集長:ああ 飯田:どうなんですかね 編集長:それはけっこう良く言われると言うかね、浦沢さん(注33)からも「IKKI百万部売れたら嬉しいですか?」とか言われたりしてさ、意味深な質問をされたりしてさ、嬉しいことは嬉しいよなって。きっと浦沢さんなんかの理論っていうのは百万部目指すなら作り方ちがうよとか言いたいんだろうけどさ、まあ百万部はちょっとあれだけどさ、ただまあおれなんか『伝染るんです。』とか自分でやっちゃったことがあるから、やっぱり自分の感覚、かなりマイナーな感覚っていうのは…つまり、マイナーもメジャーもあんのかっていう考え方あるじゃない? なんで175Rがぼーんと売れてるのかわかんないとかさ、あのーそういう意味ではなんかわかんないんですよ。確かに今実数、部数は減ってると思うけど、『伝染るんです。』を手にとった人なんかのイメージってさ、おれだけわかると思ったと思うんだよね。「ぜってえ吉田戦車のここはおれしかわかんないんだよ」と思って手を伸ばしたらみんながぼーんと手を伸ばして売れたっていう。必ずしもそんな部数とかメジャーとか、あんまり意識はしないんだけど、ただおもしろい本はみんなに読んでもらいたいし、おれのおもしろいと思ったのがわかるのが、何千とかさあ、まあなんかわかんないけど、十万ぐらいはそういう人がいてもいいかなあっていう、自負はあるんだよね。うん。ただうまく届けるやりかたっていうのはあると思うんだ、うまくいってないかなあとは思うけど。ただねスピリッツとか週刊誌、ジャンプとかああいうのを作る時と同じ意識で作ってるのかというと違うんだろうねやっぱり。 飯田:違いますかやっぱり。 編集長:違うとは思うよねやっぱり。理想なんだけど、月刊誌だし、取ろうと思えばページ数も取れるわけだから、やっぱり一ヶ月に一度ぐらいは深いところにいこうよ!っていう感じがするのね、やっぱりすごく浅いところで戻ってくるのは週刊誌でいいような気がするわけ。深いところまで行かしたいんですよ。たださあ、入り口っていうのが最初から見るからに高かったらやっぱり読まないじゃない、行かないじゃない、だからおれは理想としては入り口は低く、入りやすくしたい。読みやすくしたいし、やっぱりわかりやすくしたいのよ。わかりやすくして、わかりにくいっていうか非常に高次なものまでうまく連れてってあげたい。もちろん読み方や進度によって違うけど、理想はそう。最初っから限定するのは嫌だし、理想的な形で出来るだけ多くのひとをそこまでもってってあげればいいなあと思ってるね。 あとやっぱ最近いろんなところでもさあ、雑誌の区分けっていうのが年齢層なのか性別なのかっていうのが昔よりも考え直さなきゃいけないようなことになってるわけじゃない。少年誌があって、青年誌があって、途中にヤング誌があってとかさあ。それは年齢と性別で分けていくんだけど。でまあIKKIなんかはさあ、結果的にはある性別や年齢層で区分けできるけど、性別のほうはけっこうユニセックスに向かうはずなのね、おれの志向がそうだと思うし。で年齢は別におれは何歳を目指して作ってるってほどでもないのね。てことはさあ、実は性別や年齢を超えたところの、ある種の志向性っていうのがあって、もちろんそれが強い人と弱い人がいるんだけど。でね、最近おれがちょっとこうねえ、上部に提出した書類にも書いたんだけど、おれが考えたのが、心のステージみたいなの、精神的な階層がむしろ分け方なんじゃないかって思う訳。おれもさあ、よく行くけど夜中のコンビニいったらさ、「投稿写真」(注34)とか「ブブカ」(注35)とか的なところにいくのよ。やっぱり見たいもん、夜中にこうだるだるしてるときにあのへんの雰囲気のところに行ってさ、なんか「投稿写真」とかアイドルのお宝発見みたいなの見て、なんかだんだんそこが顕在化してきてさ、それはそれでわくわくしたりするわけですよ。でも夜中の3時ぐらいにさ、六本木のABCとか行くと、やっぱり全然違うところがチャンネル入るんだよね。アートのところとかいってさ、普段以上にけっこうなんかアート系の本なんかみてさ、かっこいいなー素敵だなと思って買っちゃったりして。とおれの中でもあるものが顕在化するシチュエーションていうかさ、時間帯によって、シチュエーションによって、気分によって、いくつか色んな階層があって、かなり下衆な階層から宗教に近いところまで、あるわけですよ。 もしかすると、IKKIなんかを考えた時に年齢とか性別とかじゃなくてある、言い方は悪いけど、比較的、うーんなんかあれだよね、志の高い階層。誰にでもあるんだけど、頭金髪でまゆげなくても、誰にでもあるんだよなんかこうひっかかる、階層をもってて、必ずしも若いやつはもうさ、やりたくて車と女と金か、わかんないけどそれだけか?って思う訳。欲望、じゃあその欲望に巨乳いきましょうかーみたいなことでいいの?っていうのがあるのよ。まあそれはそれで確かに反応する場所はあるわけですよ。だけどそこじゃない!と。もしかするとおれが思う階層はきっと強い人と弱い人がいるけど、かなり年齢と性別は関係ない場所に横たわってて、そこに持っていける売り場とかプロモーションとかができれば、IKKIっていうのが今までと違った読者のとりかたができるんじゃないかなと思ったりもしてるんですけど、まあ、抽象的ですね。まあ、メジャー誌とかマイナー誌っていう考えもあんまりしないんだけどね。うん。あとね、10分ぐらいかなーってかんじになっちゃったんだけどなんかありますか最後に? ↑ 光があるところとないところを記号的ではなく設けること/透過光だけでは考えない、ということ 伊藤:出版業界の現状について、最近なんか出版業界は厳しいとかいう話を聞きますけれど。 編集長:はい 伊藤:それについてなにかお聞きしたいんですけど。 編集長:おれが答えるようなことなのか知らないけどさ(笑) 伊藤:これから就職したい人もいるので。 編集長:あ、出版業界ですかー厳しいっすよね。でもどこも厳しいよね。出版業界、昔は不況になると出版が強いとかいってたけど、それはないかんじだよね、全部厳しくなっちゃってるから。あと昔と違ったのはマンガとかもそうだけど、出版・・・つまり時間を何で割るかだよね。人間の時間って限られてるから。出版社の中で集英社が少なくなって講談社が多くなってってわけじゃなくて、本を読んでいた時間それ全体がせまくなってきた、違うもので取られる時間て多いからね。自分見たってそうだよね、これ(携帯でメールを打つしぐさ)やってる時間って本読んでないんだもん。そうするとさ、やっぱり母数が減ってる訳だよ。費やす時間が。そうするとやっぱりね、その中での取り合いっていうのは今までとビジネスモデルが変わってくるのはもう間違いないし、だからもうニューメディアとかメディアミックスとかやろうとしてる。まあ今は出来ることをやろうとしてるけどちっとも、マンガとwebが合わさったものなんてちっともうまくいってないじゃない。それを考えなきゃいけないって事だけはわかってて、なんかあると思うんだけど、まあ出版っていうのはどこまでを出版っていうのかもまた曖昧になってくるわけだから、そういう意味では別にそのー本を読むような衝動っていうかニーズはなくなるとは思えないんだけどね。特にマンガとかさ。辞書とか情報誌はあぶないよなって思うんだよね、携帯、webで済んじゃうようなやつは。だって「ぴあ」見なくたってこれ(=携帯)でなに映画やってるかなんて見れるもんね。自分で。とそういう非常に情報的なものとかデータ網羅的なものっていうのは少なくとも非常に厳しいと思うけど、マンガは、マンガとか、小説・・・はまあどうかわかんないけど、おれも含めて、内容をさ、なんなんでしょう、透過光じゃ得られないような感覚ってあるんだよ、反射光っていうかものがあって始めてこう得られる感覚ってあると思うのね。あくまで透過光なんだよね、ああいうwebのものって。光があるところとないところがあくまで記号としてきてるわけだからさ、あのーなんかやっぱり違うんじゃないかと思うわけ。頭の悪い人たちとはさ、そういうマンガをこっちからあっちへ寄せようとしているってことがあるんだよね。なんかめくれる携帯ツールとかさ、「本のようにめくれるんですよお!」とか言ってさ。本でいいじゃん!みたいな。 一同:(笑) 編集長:ほんとに。もう、本はね、限られたスペースの中で本が置けなくなってる、そういう意味ではそれもあるかもしれないし、なんだけど。でもやっぱりこの紙ってすごいなって。紙をめくる、アクセスの良さとかさ。すんごいやっぱりこなれてきてるメディアっていうのはあって、でwebも出版業界は絶対手を出すし、webのほうで、もしかしたらIKKIのweb版っていうのがあるかもしれないし、それはもうこれの補完するものでなくて全然違う、そっちはそっちで完全に別のもので走ってるような、でもこれもIKKIだなあっていう。そういうのもあると思うし、そういう意味では出版業界も業態を変えていきながらも生きてはいくだろうけど厳しいけど不況はいつ終わるんでしょうか?っていうねえ。それがねえ。あとまあその難しいレンタルコミックとかね。新古書店とかさ。あのーいろいろな問題はあって今まで以上に大変な事になってはくると思いますんで、おすすめはしないけどまあでも楽しい!好きだったら楽しいよね。昨日話したけど慢性文化祭前夜なんすよ。 一同:(笑) ↑ 文化祭の前日のような毎日/大きくする方向に考える 編集長:編集部っていうのは。いっつも文化祭の前の日みたいにね、やってるわけですよ立て付けやってさ、「あー間に合うのかー」なんてことをずっとくり返す。それが楽しいと思うんだったら楽しい。 他なんかありますか?編集部でなんかこう見てわかんなかったこととか意外だった事とかありますかねえ?だいたい分かった?だいたい思ったような感じだった? 伊藤:思ったより和やかでした。 編集長:あー(笑) 伊藤:みんな原稿もって走り回ってるようなイメージだったので・・・。 編集長:まあ今の時期って言うのもあるよね月刊誌の今の時期っていうのは多少空いてるから。なんてこともあるし、週刊誌じゃないってこともあるし、おれが穏やかだってこともあるし。 安島さん:仲良し編集部。 編集長:仲がいいってこともあるね。やっぱりね、デジタル化かなりされてるから、昔よりかしゃべんないで、よくも悪くもね、行き交ってる部分はあんだよね。だから意外と静かだね、昔より整然としてるよね。 伊藤:ひとつの雑誌に5人か6人ぐらいなんですか? 編集長:えっとねーそれはまた例えば週刊誌でスピリッツは20人。オリジナルは、隔週誌は7、8人かな 月刊誌はもう5人ぐらいで作ってるっていうのが多くて・・・うちはまあスポットとか色んな絡み方をしてる人がいて、全部で8、9人で作ってる。でも講談社にいくとそれが全部倍になるんですよ。だからまあ適正な数はほんとわかんないね。ただやっぱりちょっと足りないけどね。 谷口:なんか編集者として心がけていること、とかありますか? 編集長:そうですね、じゃあ僕は最後の言葉として。おれの言葉じゃなくて、初代のスピリッツの編集部の編集長、おれが色々教わった白井克哉(注)。白井克哉がねえ、今も持ってるんだけどね、彼のインタビュー。それに書いてあるんだけどね、編集者っていうのはやっぱりなんかあった時にね、「大きくする方向に考えなきゃだめだ」っていうの。例えばだけどね当時、例えばいきなりサッチャーのインタビューとりたいなって思った時に、「できませんよそれ」じゃダメ。「手紙かいてみよっかな」まあ、ブッシュでもいいや。「ホワイトハウスの住所いくつだったっけな」と思ってとにかく書いてみる。っていう風なのが編集者だって白井がいう訳ですよ。確かにさ、そうなんだよね。どうせだんだんこうなって、現実的には寄せていかなきゃいけないけど、だめですよ、って思ったらもう終りじゃない。最初はバカでもいいから、でかいことから考える。でかくて楽しい方から考えるのが編集者の資質じゃないかってまあ白井が言ってましたので、それを。僕もそう思いますんでね。どうですか? 谷口:すごい、いい言葉ですね。 編集長:いい言葉でしょう!もうずっと持ってんだよー見せてやりたいなー今なんかせこせこやってるけど 安島さん:変わっちまったのかお前は!(笑) 編集長:変わっちまったのかお前は!というね(笑)えらくなると変わっちまうのかよお前は!(笑)っていうね。まあなんか機会あったらさ、みんな勢ぞろいじゃないかも知れないけど、みなさん藤沢なんですか? 中野:はい、キャンパスは藤沢です 編集長:藤沢行ってもいいんだけどさ、おれとしては課題としてどうすればいいかっていうさ、 一同:(笑) 安島さん:課題って (笑) 編集長:IKKIはどうしたら僕は買うかなーっていうのをさ、 安島さん:そうですね、マンガがさほど好きじゃない人がIKKIを読んだらどう思うのかってところを 編集長:感想聞きたいよね。 安島さん:一番入ってこないですよね。 中野:まあマンガは一応全員すごい好きな方だとは思うんですけどまあそれぞれすごい好きな人とか色々言えると思うんで 編集長:じゃあ今度さ、藤沢まで行ってもいいしどこでもいいと思うんだけど、せいぜい夏休みぐらいにさ、こちらのもう一回セッティングしてさ、いろいろ聞かせてよ。ちょっと時間限られてたし、おれの喋る事・・・おれね自分が喋ってもあんまり得しないんだよね〜 一同:(笑) 編集長:おれね聞きたいんだよほんとは。なわけでね。ちょっと。やって下さい。ではそんなことで。 一同:(声を揃えて)ありがとうございました。 ↑ |
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