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【政治】

宇宙基本法が成立 防衛目的での利用可能に

2008年5月21日 夕刊

 自衛隊による高解像度の偵察衛星の打ち上げや運用など、宇宙空間の防衛目的利用を可能にする宇宙基本法が、二十一日午前の参院本会議で、自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。共産、社民両党は反対した。

 「平和目的に限る」との一九六九年の国会決議に基づき、日本が取ってきた宇宙利用の「非軍事原則」を転換。世界の大勢に従って「非侵略ならば平和利用」との解釈を取り、専守防衛の範囲内で軍事的利用を認めた。

 具体的には、ミサイル防衛(MD)で弾道ミサイルの発射を検知する早期警戒衛星の導入などが可能になるとみられる。

 だが専守防衛として容認し得る範囲は、国際情勢や科学技術水準に応じて政府が判断することになり、歯止めが不十分だとの懸念が出ている。国会での実質的審議はわずか四時間だった。

 法案は自公民が共同で起草。宇宙開発利用を「安全保障に資するように行う」などと位置付けた上で、宇宙政策を総合的、計画的に推進する必要があるとして、首相を本部長とする「宇宙開発戦略本部」の設置や、宇宙基本計画の策定などを定めた。

 

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