薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 1.日時及び場所   平成18年6月26日 15:30〜   厚生労働省専用第15会議室 2.出席委員(19名)五十音順   伊 賀 立 二、 池 田 康 夫、 板 倉 ゆか子、 井 部 俊 子、   ◎井 村 伸 正、 笠 貫   宏、 神 山 美智子、 北 澤 京 子、   竹 嶋 康 弘、 土 屋 利 江、 永 井 良 三  長 尾   拓、    早 川 堯 夫、 広 津 千 尋、 本 田 佳 子、 松 尾 宣 武、    溝 口 昌 子、 望 月 眞 弓、 吉 田 仁 夫 (注) ◎分科会長    欠席委員(6名)   岩 田   誠、 河 盛 隆 造、 松 本 和 則、 山 口   徹    3.行政機関出席者   福 井 和 夫(医薬食品局長)、 黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、   北 村   彰(総務課長)、   川 原   章(審査管理課長)、   小 林   剛(医薬情報室長)、 山 本 弘 史(医療機器審査管理室長)、   中 垣 俊 郎(安全対策課長)  山 田 雅 信(安全使用推進室長)、  関   英 一(血液対策課長)、   植 村 展 生(血液対策企画官)、     杉 浦 勝 明(農林水産省消費・安全局畜産水産安全管理課長)、他 4.備  考   本分科会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○総務課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事 分科会を開催させていただきます。  本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。当分科会委 員数23名のうち現在17名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達してお りますことを御報告させていただきます。  本日、□□委員、□□委員、□□委員、□□委員におかれましては御欠席との連絡が 入っております。  また、□□委員は後ほどより御参加との連絡が入っております。  審議に入ります前に、委員の交替がございましたので御紹介申し上げます。□□委員 が退任されまして、□□委員が就任されております。 ○□□委員 ただいま御紹介にあずかりました、□□□□□□□□□□□□□□に就い ております。私自身は□□まで九州に住んでおりましたので東京では国立がんセンター に約4年ほど勤めておりました。久しぶりのことなのでどうぞよろしくお願い申し上げ ます。 ○総務課長 それでは□□委員、以後の進行をよろしくお願いいたします。 ○□□委員 それでは始めさせていただきたいと思います。最初に事務局から配付資料 の確認をお願いします。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。審議事項につきましては、資料1となっ ております。  報告事項につきましては、資料2〜27となっております。  その他、議事次第、座席表、名簿を本日配付しております。御確認いただきたく存じ ます。  本日は、審議事項が1件、報告事項が26件予定されています。 ○□□委員 ありがとうございました。それでは、議事に入らせていただきます。  まず、審議事項でございまして、本日は審議事項が1つしかございませんが、議題1、 資料番号も同じ1でございます。「塩酸モザバプタン及びフィズリン錠30mgの生物由来 製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造承認の可否、再審査期間の指定並びに毒 薬及び劇薬の指定の要否について」という議題になっております。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、 「薬事分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第一部会及び薬事分科会にて 審議を行うこととなっております。始めに部会での審議結果等を御報告いただいた後、 当分科会で審議をしていただくということになろうかと思います。  なお、塩酸モザバプタンについては、本来ですと医薬品第一部会の□□□である□□ 委員から御説明をいただくところなのですが、□□委員がこの品目の治験に関与されて いたため、当分科会の申し合わせ事項に基づいて、医薬品第一部会での審議には参加さ れておりません。そのため、議題1の審議の間は□□委員におかれましては別室に御待 機をいただいて、また後ほどおいでいただくということになっております。医薬品第一 部会の□□□□□であります、□□委員から御説明をいただきたいと思います。よろし くお願いします。 □□委員退室 ○□□委員 それではフィズリン錠30mg及び塩酸モザバプタンについて御説明いたし ます。フィズリン錠30mgについてですが、本剤の投与対象となる「異所性抗利尿ホルモ ン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群」は、腫瘍において過剰産生された 抗利尿ホルモンであるバソプレシンの作用で腎集合管での水再吸収が促進され、血管内 に水分が貯留した結果、低ナトリウム血症を呈し、様々な症状を引き起こす希少疾病で あります。  本剤の有効成分である「塩酸モザバプタン」は、バソプレシンV2-受容体に結合し、 バソプレシンによる腎集合管での水再吸収作用を阻害することにより、電解質排泄は増 加させずに、水の排泄のみを選択的に増加させる「水利尿作用」を示します。  本剤は、現時点で、海外において開発及び承認申請はなされておりませんが、類似の 作用機序、バソプレシンV1A及びV2受容体拮抗作用を有する医薬品コニバプタンが昨 年末に米国にて承認されております。  本剤については、去る4月20日に開催された医薬品第一部会において審議し、脱水症 状に関する注意、適正使用のための本剤の提供方法、市販後の調査の内容等について議 論・確認を行い、承認して差し支えないとの判断に至りました。審査の詳細につきまし ては、事務局から説明をお願いしたいと思います。 ○□□委員 よろしくお願いします。 ○事務局 それでは事務局より資料1につきまして御説明を申し上げます。  資料bPでございます。審査の概略につきましては臨床試験の成績を中心に御説明申 し上げます。  臨床試験に関する資料といたしましては、健康成人を対象とした臨床薬理試験、異所 性抗利尿ホルモン産生腫瘍によるSIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)の患者を対 象といたしました非盲検非対照試験などが提出されております。  まず、有効性に関してですが、日本人男性の異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による SIADHの患者を対象とし、本剤を1日1回7日間経口投与する非盲検非対照試験におい て、本疾患が希少疾病であることから本剤投与症例数は16例と少ないものの、主要評価 項目である血清Na濃度及び臨床症状の改善が認められております。  次に安全性に関してですが、特に急激な血清Naの上昇に伴い脳に重大な障害を引き 起こす橋中心髄鞘崩壊症の発症が懸念されましたが、血清Naを測定しながら実施され た臨床試験においては認められておらず、夜間頻尿、口渇等の副作用は発現しましたが、 臨床試験では、重大な問題となる有害事象は認められておりません。  本剤につきまして特に注意すべき事項でございますが、資料1の水色のタブがある第 一部目次の裏側に添付文書(案)がございます。本剤によります治療は、あくまでも対症 療法であり、SIADHにおける低ナトリウム血症に対する治療の第一選択である水分摂取 制限を試みた上で必要と判断された場合にのみ投与されるべきと判断しております。そ のため、本剤投与時には脱水症状に注意を払う必要があり、添付文書の3ページ目、「重 要な基本的注意」の(2)におきまして注意喚起を行っております。  また、臨床試験の成績より、本剤投与開始3日後までに低ナトリウム血症の改善傾向 がみられない患者におきましては、7日間投与しても薬効が示されないことが明らかと なっておりまして、低ナトリウム血症の改善がみられないままに漫然と投与されること は避けるべきで、添付文書上に必要な注意喚起を行っております。具体的には2ページ 目の下の方に用法・用量に関連する使用上の注意の(1)でその旨の記載をしております。 さらに、前述いたしました橋中心髄鞘崩壊症の問題があることから、添付文書の「警告」 において、血清Na濃度の推移を注意深く観察し、血清Na濃度の急激な上昇がみられた 場合には必要な処置をとるよう注意喚起をしております。なお、本剤は、SIADHの治療 に十分な知識と経験を有する医師のもと、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍によるSIADH と診断された患者にのみ投与されますように、提供方法につきましても工夫を行う予定 です。  効能・効果の表記については、ICD-10に準拠いたしまして、「抗利尿ホルモン不 適合分泌症候群」という用語に改めております。  用法・用量でございますが、空腹時投与で消化器系の副作用が認められることから、 「通常、成人には塩酸モザバプタンとして30mgを1日1回食後に経口投与する」という ことになっております。  承認後の市販後調査でございます。これにつきましては、本申請の対象疾患に対する 本剤投与症例数が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデー タが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤 使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性等に関するデータを 早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じることを承認条件としております。  以上、総合機構の審査及び医薬品第一部会での御審議の結果、既存治療で効果不十分 な場合の「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群にお ける低ナトリウム血症の改善」に関して有用性が認められ、承認して差し支えないと判 断し、薬事分科会で審議されることが適当と判断されました。  本剤の原薬及び製剤は劇薬に該当し、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていること から再審査期間は10年間、特定生物由来製品又は生物由来製品には該当しないとされま した。  なお、本品目の申請時の名称は「フィジュリン錠30mg」でしたが、名称の類似性の問 題から、「フィズリン錠30mg」に改めるということになっております。以上審査の概要 を御説明申し上げました。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○□□委員 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの□□□□□と事務 局からの説明につきまして委員の皆様方から御意見あるいは御質問がありましたらどう ぞ御発言ください。いかがでございましょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 質問です。この添付文書の警告の(1)と重要な基本的注意の(1)の関係な のですが、重要な基本的注意は「入院させ」と書いてあるのですけれども、警告の(1) は十分な知識と経験を有する医師のもととしか書いていないのですが、警告の方にまで 注意を参照ではなくて入院させと書かなくていいものなのかどうか、これくらい書いて おけば医師はきちんと分かるということなのでしょうか。 ○□□委員 いかがでしょうか。医師はお分かりになりますでしょうか。どうぞ。 ○事務局 事務局からお答え申し上げます。添付文書の記載事項といたしまして特に警 告欄には非常に重要なことを書くという位置付けになっておりまして、これは専門医の もとで使っていただくということを書いておりますが、重要な基本的注意の入院可とい うところは先ほど御説明申し上げたように血清Naが急激に上がる可能性もありますの で、投与中は入院をしていただきたいということでここに書いております。要するにそ こは重要度の程度において両方で書き分けているというふうな経緯でございます。 ○□□委員 いかがでしょうか、□□委員、よろしゅうございますか。 ○□□委員 そうすると、入院させなくても血中濃度が上がるかどうかというような監 視はできるということになるわけでしょうか。 ○□□委員 この書き方はこれは入院させるのではないでしょうか。 ○□□委員 そうだとしたら、重要度に差があるように思えないのですけれども。 ○□□委員 審議官どうぞ。 ○審議官 一般論として御説明申し上げますと、当初こういった使用にあたっては、患 者さんの全身状態あるいは血液中の塩分の測定などを精密に行って、適切な量や投与の 間隔を決めなくてはいけません。その意味で例えば「重要な基本的注意」に書いてござ いますとおり、入院してすぐに何かあった場合には医師が駆けつけて、手当てができる ようなところで使っていきます。一方で、この薬はがんを患っておられる患者さんが使 うことが多いわけであります。できれば病院ですので元の疾患が落ち着いたところで退 院されて、きちんと自宅で様子を見ながら、ある期間を過ごしていただくということも 医療の目的になってくるわけであります。  したがって、要望の中から重要なもの、それから最初はこういうふうにしてください という主旨で書き方がしてあるものと私は理解しておりまして、もう少し親切に書いて という御意見であれば、是非検討をいたしたいと思いますが、いずれにいたしましても 退院をしていただきたいというようなことがございますので、こういう書き方になった と思います。 ○□□委員 どうぞ、御意見ありましたら、よろしゅうございますか。□□委員、どう ぞ。 ○□□委員 私も今の指摘と同じなのですけれども、Na値をモニターしなければなら ないので、少なくとも投与開始3日間は入院を必要とするいったようなことをするか、 あるいは薬を飲んでいる人にきちんと定期的に検査を受けに来なければいけないと言っ たようなことをするか、Na値をフォローできるような指摘事項を書いておいた方がい いのではないかというふうに私も思います。 ○□□委員 事務局はどういうふうに対応なさいますでしょうか。簡単に済んでしまう のではないかと思うのですが。 ○審査管理課長 御指摘を受けまして、警告の3番目のあたりにもモニターの重要性の 指摘がございますので、今の御指摘を踏まえまして記載を改めさせたいと思います。 ○□□委員 それではそのように書いてください。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 血清Na濃度については了解しましたけれども、高K血症の発症増悪です が、メカニズムとしてはNaによる血清浸透圧の上昇で高カリが起こり、それ以外にA CE阻害剤あるいは利尿剤のスピロノラクトンなどの併用を考えますと、重要な基本的 注意のところで血清K値に注意をするということで十分かとは思います。しかし、Na 濃度を測定するならば、Na濃度とともにK値も測定するのが望ましいと、どちらにし ろ同時に測れますので、そうしていただけるとより安全と思います。 ○□□委員 そうですね。管理課長、どうぞ。 ○審査管理課長 御指摘ありがとうございます。□□先生のおっしゃるカリウム値の関 係につきましては、重要な基本的注意の順番は下の方になるのですが、4番目に一応、 その関係は書いてございますが、これではいかがでございますでしょうか。 ○□□委員 Na値をせっかく4時間、6時間計ると書いてありますので、Na値ととも にK値を量ると入れていただければ必ずチェックが入るのではないかという意味でござ います。 ○審査管理課長 それでは少し書く場所も移動させまして、まとめるなどという形で適 切に対応したいと思います。 ○□□委員 それでよろしゅうございますでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 用法で3日間有効な場合は7日まで連続投与となりますが、そのあと対症 療法ですが、これは再度休薬期間等を置いて使用する場合というのはどのような形にな るのですか。どこにも記載がされていないのですが。 ○□□委員 どうぞ。お願いいたします。 ○事務局 再投与につきまして実は臨床試験では再投与の方がいらっしゃらなかったも のですから、その旨の情報提供といたしまして用法・用量に関連する使用上の注意の(1) のところの括弧の中ですが、再発後の再投与及び減量投与の有効性及び安全性は検討さ れていないと事実関係の情報提供をさせていただいております。  ただし、臨床現場では再投与される可能性もあると思われますので、そこは市販後調 査の計画の中で再投与をされた方の情報を含めて、収集し検討させていただきたいとい うふうに考えております。 ○□□委員 この括弧は必ずしも使ってはいけないという意味ではないのですね。分か りました。 ○□□委員 専門家が判断するのだそうです。ほかにいかがでございましょう。よろし ゅうございますか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 素人なので、そもそも論の質問をしたいのですけれども、これは希少疾患 に指定されていて患者さんが大変少ないということですが、ここで臨床試験をされた患 者が全部で17例でした。かつ、17例のうちのここの審査報告書に書いてあったのです けれども、かなりの例でGCP違反や重大な逸脱など、必ずしもものすごい少数例で試 験をしたけれども、その少数例の中でもかなりの数が逸脱だったり、試験の質として必 ずしも良くないということが審査報告書に書かれていたのですけれども、こういうこと でも承認をするのかという、これは発想と言いますか、考え方の問題だと思いますけれ ども。この辺についてどこまでならいいのかということが素朴に分からなかったので、 お尋ねしたいと思います。 ○□□委員 私もごもっともな御質問だと思います。 どうぞ、お答えいただきますでし ょうか。 ○審査管理課長 御指摘ありがとうございました。審査報告書の54ページをお開きいた だきますでしょうか。こういった新薬につきましては現在、いろいろなデータの信頼性 に係る調査なども行っておりまして、その結果に基づきまして、□□先生から御指摘が あったようにそれで評価ができるのかどうかというようなことでございますが、その辺 については54ページの下の方にV.機構による承認申請書に添付すべき資料に係る適合 性調査結果及び判断で機構の判断としましてはここにございます。  2番目にGCP実地調査結果に対する機構の判断ということでここは御指摘の部分だ と思いますが、これについては機構としては調査結果を踏まえて当該資料の質について は十分留意すべきと考えるものの一定の科学的評価は可能であり、これらに基づき審査 を行うことは可能であると判断をしたということです。総合的な判断としましてはここ に記載がございますように、対象患者数が非常に少ないこと、それから他に有効な治療 薬がないこと等を考慮すると評価可能な情報に基づいて本薬についての一定の臨床的な 意義を認めることができるということで記載をさせていただいております。以上です。 ○□□委員 ありがとうございました。□□委員、今のような機構の判断、専門家の意 見を加えて最終的にこのような結論になったということです。ほかに御意見ございます か。よろしゅうございますでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 確認ですが、これは死亡例があったというのは注射による死亡例で経口薬 ではないということでよろしいのでしょうか。 ○事務局 御指摘のとおり、同じ有効成分の注射剤で死亡例がございますけれども、本 剤の経口剤と因果関係のある死亡例はございません。 ○□□委員 それでよろしゅうございますか。ほかに御意見ございませんか。よろしゅ うございますでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 もっと初歩的な質問なのですけれども、この低ナトリウム血症というのは こういう治療をしないとどうなるのですか。 ○□□委員 いろいろな障害が起こってくると思いますけれども。どなたか解説をして いただけますか。低ナトリウム血症の結果、どうなるのでしょうか。どうぞ。 ○新薬第二部長 症状について、分かりやすいところですと、添付文書(案)の10ページ のところにSIADHの診断の手引きの抜粋を載せております。その中の1番の主症候にあ りますように、倦怠感、食欲低下、意識障害などが低ナトリウム血症症状としてありま す。主症候としては、ここに書いてあるようなものが出てくるということでございます。 ○□□委員 その程度でよろしゅうございますか。よろしいですか。 ○□□委員 そういう診断基準は確かにあるのですが、そういうものが改善されるとい うベネフィットとこれを使うことによるリスクですが、この2つを考慮して有用性のあ るというふうに判断しておると思いますが、それほどのものなのかなという素朴な疑問 を感じたものですから。 ○□□委員 審議官、どうぞ。 ○審議官 これは資料の中で水色タブの3つ目に起原又は発見の経緯及び開発の経緯と いう部分がございます。資料の4ページに表の1.5-2でこういったような疾患がある ということです。肺小細胞癌、膵癌などが出ていまして、重症度分類ということで、血 清Naの濃度が125〜134では意識障害はなしですが、114以下になると刺激すると覚醒 する、しないという昏睡状態になり、全身痙攣を起こす、こういうようなことが知られ ておりまして、100mEq/L以下では死に至るというようなこともあり、シリアスな状況 だと理解しております。 ○□□委員 □□委員、どうぞ。 ○□□委員 これは放っておくと、本当に意識障害が起き、死亡するような非常に医師 としては緊急に対応しなければいけない状況だと考えていいと思います。もちろんNa の減り方の度合いによって随分違いますけれども。 ○□□委員 ほかに。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 少し、気になったことがあって確認したいのですが、先ほど、海外では類 似薬が承認されているという御説明がありましたが、それの効能・効果も今回と同じ異 所性ADHの産生腫瘍によるSIADHということでよろしいでしょうか。 ○事務局 今の御質問でございますけれども、アメリカで昨年の末くらいにコニバプタ ンという類薬が承認されまして、そちらは注射剤でございますが、効能・効果が体液正 常型の低ナトリウム血症ということです。ですから、こちらの方よりも少し幅が広くな るというふうに思ってます。  ○□□委員 そこが一番ずっと気になっておりまして、SIADHというのは先ほど、審議 官が御説明くださった4ページのところの表にあるように原疾患がいろいろありまし て、私たちがよく経験するのは薬剤性のSIADHなのですが、今回のこの症例の中でもか なりいろいろなものが混ざっていて、その中から16例だけとりあえず異所性の産生腫瘍 のものを取り出して分析をし、結果を出しているという形になっています。  恐らく、臨床の先生方はSIADHの治療薬はほとんどないので、水利尿を図って治療す るということを考えると使われる可能性もないわけではないような気がいたしまして、 それを私は制限するためにいろいろなことを書かれているとは思います。ただ、実際に は使われてしまうのではないかなと思い、その辺りは行政的にはどう対応しようと考え ていらっしゃるのか、ほかの原因によるSIADHに対して使っていくということは実際に あり得ますね。  それは抗ガン剤の場合も今、適応外使用のことはいろいろな委員会でされているとは 思うのですが、こういった希少の疾患の場合は症例をとっていくのは非常に難しいと思 うのです。そのようなケースは出てきてしまいそうな気がするのですが、なかなかお答 えが難しいかと思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいのですが。 ○□□委員 いかがですか。川原課長、どうぞ。 ○審査管理課長 御指摘がございましたけれども、このものにつきましては、一番最初 の警告のところで本剤の投与は抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の治療に十分 な知識と経験を有する医師のもとSIADHと診断された患者にのみ行うというようなこと で、まず最初に注意喚起をしてあるということ、それから企業の方も当然こういう形で の適正使用を行うようにということで市販後のいろいろな情報提供や適正使用に向けた 対応をとることでそこは確保するということになると思います。 ○□□委員 何か。 ○□□委員 私は個人的には制限することがいいのかどうか少し分からないことがあり ます。確かに結果として有効性や安全性が確認されていないので、今の時点では使わな いということで、ここでの結論はそういうふうになるのだと思います。もしそうするの であり、それを徹底したいのであれば、例えば承認条件にほかの薬剤で効能・効果を確 認した上で製品を出すというような制限をかけている場合もあったような気がするので すが、どちらがいいのか分かりませんが、そういう対処はする必要はないのですか。 ○□□委員 どうぞ。 ○事務局 今の□□先生の御質問の関係なのですが、審査報告書の58ページを御覧いた だけますでしょうか。(5)の市販後の情報収集について、本剤の提供方法でございます けれども、医療機関には本薬の在庫を置かないこといたしまして、本薬を使用する医師 及び患者が適切であることを確認した後に提供するというようなことで提供方法につい てはこういう対応をさせていただこうと思っております。 ○□□委員 先ほど、□□委員からも再投与についての御質問がございましたけれども、 これも同じようなことでクリアできるのでないかというふうに事務局は考えておられる ようです。ほかに御意見ございますか。よろしゅうございますでしょうか。もし、御異 議がないようでございましたらば、部会の報告に基づきまして、この分科会におきまし てもこの品目について生物由来製品及び特定生物由来製品の指定はしなくてよろしいと いうことで、製造承認を可とする、再審査期間は10年としまして、原体と製剤ともに劇 薬に指定するということが適当だろうというふうに認める旨、議決したいと思いますが、 それでよろしゅうございますでしょうか。   それでは御異議がないということで薬事・食品衛生審議会規定第3条の第1項の規定 に基づきまして、この分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申す るということにいたします。答申者の文案等につきましては私どもにお任せいただけま すでしょうか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。ここ で□□委員に御入室をいただいて次へ進もうと思います。   □□委員入室 ○□□委員 それでは□□委員がお入りになりましたので、報告事項に入らせていただ きます。いつものように担当されました部会ごとにこれを区切って説明をしていただき たいと思いますので、まずは副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会の関係の議 題2です。ここからはまず事務局から御説明お願いいたします。 ○事務局 議題2の副作用・感染等被害結果について御報告申し上げます。資料2を御 覧ください。前回の分科会以降に副作用・感染等被害判定第一部会が一回、第二部会が 二回開催されております。資料は各開催ごとの資料とその表紙に三回の件数を集計した ものを提出させていただいております。それでは資料1ページ目のまとめと記載された 三回の部会の集計結果にそって御報告させていただきます。部会開催日につきましては、 平成17年度第三回の第二部会が平成18年3月23日、平成18年度第一回が平成18年6 月1日、第一部会につきましては平成18年度第一回が平成18年4月27日に開催されて おります。医薬品の副作用の判定における三回の合計の申請内訳につきましては新規の 副作用の請求が215件、副作用の継続の請求事例が18件、また障害の現況確認が42件 の計275件について御審議いただいております。  審議結果につきましては、支給決定とすることが適当と考えられるものが224件あり、 その内訳は請求どおり支給決定するものが104件、請求期間の一部について支給決定す るものが117件、請求内容の一部について支給決定するもの8件となっております。ま た、不支給決定とすることが適当と考えられるものが45件あり、その内訳につきまして は医薬品の使用方法が不適正であったものが10件、医薬品以外の原因によるものが16 件、副作用による疾病が入院治療を必要とする程度ではない場合が6件、障害とは認め られないものが2件、副作用による障害が日常生活を著しく制限される程度の状態でな い場合が6件、厚生労働大臣が指定する救済給付対象除外医薬品を使用された場合は1 件、又資料不足により判定不能であった場合が3件、請求された疾病又は症状等医薬品 との因果関係が判定不能であった場合が1件となっております。さらに追加情報を得て 再度審議することを適当と考えられたものが6件ございました。また生物由来製品によ る感染等の判定は6月1日の第二部会において輸血用血液製剤により感染し、肝障害を 発現したとして請求された1件について審議が行われ、生物由来製品等との因果関係が 確認され、請求期間の一部について支給決定されました。  以上3回の副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会の結果報告を終わらせてい ただきます。以上でございます。 ○□□委員 ありがとうございました。これにつきまして御意見がございましたら、ち ょうだいいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。望月委員、どうぞ。 ○□□委員 19番目の症例についてですが、症例の表になっている部分の2枚目になる でしょうか。 ○□□委員 3月23日分ですね。 ○□□委員 そうです。咽頭気管支炎等々が原疾患で原因医薬品が一回目、二回目、三 回目、四回目となっていて、副作用がアナフィラキシー(様)反応で判定は支給というこ とになっている症例ですが、これは4回アナフィラキシー(様)反応が起きているという 理解でよろしいでしょうか。 ○事務局 こちらの方は合計4回にわたってアナフィラキシー(様)反応を起こしまし て、それぞれに原因医薬品が特定できずに使っていた結果、こちらの方の請求になった という事例でございます。 ○□□委員 気になったのが、1回目の使っている薬以外の中のメイアクト以外のアス ベリンドライシロップとムコソレートドライシロップと4回目のアスベリンドライシロ ップとムコソルバンDSは全く同じ製品でして、一回起こしていてもう一回使っている というのは、少し気になって原因薬剤は特定されていないと今説明がありましたけれど も、こういうので支給してもいいのかどうかというのはどう判断されたのでしょうか。 ○事務局 こちらの方につきましては、例えば重篤な症状が起こっている場合に特定で きていなくても使っているような場合はやはり問題があるだろうと、この場合は少し事 例ごとで詳しいことは言えませんが、症状が軽微であってそれが医薬品かどうか分から ない状態で使われていたと、最終的に4回目の時に出たので1回目と4回目の薬剤につ いては危ないということで使わないというコメントがあった上で判定させていただいた と思うのです。  ですから、とりあえず一回目のアスベリンやムコソルバンが重篤な症状を起こしてい てなおかつ医師がこれを医薬品によって起こしたというようなコメントが出てくれば4 回目については不適正使用であろうという判断になるのだと思います。 ○□□委員 □□委員、いかがですか。 ○□□委員 アナフィラキシー(様)反応が…入れる必要があるのかどうか私には分から ないのですが。 ○□□委員 今の御説明は第一回目に医師がこれはこれによるアナフィラキシー(様)症 状だとはっきりおっしゃって、あるいはどこかに書いてあるというようなことがあれば 不適正使用だというふうに考えるわけですか。 ○事務局 こちらについては通常ですと、例えばそういう症状が起こりまして問い合わ せをして、医師が4回目にかけて変わっているのでこちらの方は今調査の段階の資料を 見ますと「医師が過去の病歴を聞き、注意深い対応を求められるが」ということがある ので、もしかしたら違う医師で起こしているかもしれないということで、これにつきま しては事例を確認します。 ○□□委員 ありがとうございます。よろしいですか。そういうことで、□□委員、よ ろしゅうございますでしょうか。ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。□□ 委員、どうぞ。 ○□□委員 今のところから大分いきまして92番の症例ですが、そう古い申請ではない と思うのですけれども、この病名はいまだに使われているのでしょうか。実は、前回に も数件同じ病名が使われていたのです。 ○□□委員 今、□□委員が言っておられる92番というのは。 ○□□委員 精神分裂病で現在使われていないわけです。 ○□□委員 分かりました。何か。 ○事務局 現在では統合失調症という名前にさせていただいて、請求資料において診断 書の方がこちらになっていたものですから、申し訳ございません。統合失調症に訂正さ せていただきます。 ○□□委員 どうもありがとうございました。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 相変わらず、スティーブンス・ジョンソン症候群が多いと思うのですけれ ども、前の資料で少し出てきたので、2003年の2月13日に1億5千万の損害賠償請求 を求める訴訟が横浜地裁に提訴されたという新聞記事があったのですが、そういうよう なことは事務局の方では把握されておられるのか、これは厚生労働省に対してではなく て製薬会社に対してではないか思われるのですけれども、こういう副作用でいわゆる民 民の普通の患者さんが製薬会社を訴えるというような訴訟があった場合にはそれは厚生 労働省の方では把握はしておられるものなのですか。 ○□□委員 中垣課長、どうぞ。 ○安全対策課長 □□委員の前でお答えするような話ではないのですが、民民の訴訟の 全てを把握するシステムは残念ながらなかなかもっていないところでございます。もち ろん新聞で報道されるようなものについては我々当然のことながら関心を有しておりま すから、できるだけ収集をするとか、あるいはまた今回報告させていただいております ような被害判定にあたりましてはこのシステム自体が社会的責任に乗っ取ると仮に民民 で損害賠償等が行われるのであればそちらが優先されるべきというような立場になって おります。  ですから、被害判定事例の中に民民で訴訟があって、その結果が確定したような資料 が出てまいる場合も当然のことながらございます。一般論で申し上げますと民民自体を 全て抑えるような状況というのはなかなか難しいと思います。 ○□□委員 ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。□□委員、ど うぞ。 ○□□委員 パナルジンによる肝障害それから無顆粒球症という副作用がかなり目立ち ます。脳梗塞はパナルジンに代わるクロピドグレルが適応になっていますが、脳梗塞以 外の心筋梗塞あるいはステント後、特にサイファーステントではアスピリンにプラスパ ナルジンとなっていますので、そういう使われ方のため肝障害等の副作用が出ていると いうことなのだろうと思います。  しかし、パナルジンに代わるクロピドグレルを心筋梗塞、狭心症あるいはステント後 に対してどのような対応を考えていくのか、保険適応を早めるのかということを含めて 御見解がありましたら、お教えいただきたいのですが。 ○□□委員 いかがでしょうか。中垣課長、どうぞ。 ○安全対策課長 先生、御指摘のとおりチクロピジンについてはいろいろな報告があり、 それに対してドクターレターの発出でございますとか、あるいはサイファーの場合です と手術されるドクターとパナルジンの以後の管理をされるドクターとの連携の問題でご ざいますことやいろいろな手を打ってきたのは御承知のとおりでございます。  一方、クロビドグレルについて承認になったわけでございますけれども、あくまで治 験の範囲内での知識、経験、知見というのはある程度限られておりますので、今後の成 績等を見ながら先生が御指摘いただいたような誘導でありますとか、パナルジンやクロ ビドグレルの位置付けをどうするのかというのはもう少し時間をいただきながら注意深 く見守っていくことがまず第一に必要なのだろうと思います。その上で学会の先生方で ございますとか、いろいろな意見を聞きながら厚生労働省としても対応を考えていきた いと思います。 ○□□委員 ありがとうございました。よろしゅうございますか。 ○□□委員 ありがとうございます。臨床の現場ではアスピリンとチクロピジンの併用 は不可欠な治療方法となっていますので、学会等に御意見をお聞きして、緊急避難的に クロピドグレルを早めに使えるという方法も含めて御検討いただけたらありがたいと思 います。 ○安全対策課長 御指摘のとおり、関係学会の御意見も聞きながら進めていきたいと思 います。 ○□□委員 □□委員、どうぞ。 ○□□委員 爪の水虫薬での肝障害というのは幾つか見えるのですけれども、最近テレ ビのコマーシャルでこういう医療用で医薬品の爪水虫のコマーシャルがよく目立つよう になったのですけれども、これはそういう意味での広告の規制緩和などはあるのでしょ うか。 ○□□委員 それはスイッチOTCではないのですか。 ○□□委員 そうではなく、医師に行って治しましょうというふうに言っているように 思うのですが。 ○審査管理課長 医療用の医薬品の場合、個別の薬品名を明示するような広告はもちろ ん認められておりませんけれども、一般的な治療という部分について少し監視指導上の 取扱いがあるかと思いますので、本日出席しておられないようでございますので、そこ の取扱いの部分につきましては御報告、御説明させていただきます。いずれにしまして も個別の医薬品名を挙げての広告というのは認められていないということで間違いがご ざいません。 ○□□委員 どうぞ、それに関して□□委員。 ○□□委員 どういう広告を見て患者さんがいらしているのか分からないのですけれど も、□□委員が御指摘のように最近爪の水虫を治したいという患者さんが急増しており ます。広告を見て伺いましたと言っておられます。ただ、内服は内服後に肝障害をチェ ックすることとなっておりますので、もちろんチェックしながら使っておりますが、そ ういう患者さんは確かに増えております。 ○□□委員 それでは、それについては事務局の方で御検討いただくということでほか にございませんでしょうか。よろしゅうございますか、それでは先へ進ませていただき ます。  それでは、ただいまの副作用・感染等被害判定第一部会、第二部会につきましては御 確認をいただいたという表現をさせていただきますが、ありがとうございました。  次は、医薬品第一部会関係の議題の3〜11ですが、続けて御説明お願いいたします。 ○事務局 それでは、資料3からでございます。パタノール点眼液0.1%、成分の一般名 は塩酸オロパタジンでございます。これは抗アレルギー薬の点眼薬でございまして、塩酸 オロパタジン自身の薬は経口剤でございますけれども、アレロック錠として既に販売さ れているものでございます。今回それを点眼液にしたというとことで、効能・効果が6番 でございますけれども、アレルギー性結膜炎ということでございます。4月20日の医薬 品第一部会で御審議をいただきまして、承認の御了承をいただいたということでござい ます。再審査期間は6年ということでございます。  続きまして、資料4でございます。ジェノトロピンの製剤の効能追加の承認でございま して、資料4の1枚をおめくりいただきますと、次のページの6番のところに今回効能 追加をいたしますところに下線部をいれてございます。成人成長ホルモン分泌不全症、重 症に限るということでございます。4月20日の第一部会で御審議をいただきまして御了 承をいただきました。再審査期間は4年ということでございます。  続きまして、資料5番でございます。ガバペンチンファイザー、ガバペン錠、成分名は ガバペンチンでございます。本剤はγ-アミノ酪酸、GABAの誘導体でございまして、 抗てんかん薬でございます。効能・効果でございますが、6番のところですが、他の抗て んかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作、(二次性全般化発作を含 む)に対する抗てんかん薬と併用療法という内容でございます。4月20日の第一部会で 御審議をいただきまして承認の御了承をいただいております。再審査期間は6年という ことでございます。  続きまして、資料6でございます。ポリトカスクレロール、3つ濃度がありますが、注 射剤でございます。成分名はポリドカノールでございます。本剤は界面活性作用を有しま す注射剤でございまして、同じポリドカノールを有効成分とする注射剤で販売名はエト キシスクレロールでございますが、食道静脈瘤の硬化療法剤として既に承認されていま す。今回はそれを一次性の下肢静脈瘤に使うということで、承認をいたします。こちら は5月25日の第一部会で御審議をいただきまして、承認の御了解をいただきました。再 審期間は4年間ということでございます。  資料7にいきます。販売名アボネックス筋注用シリンジ30μg、成分の一般名はイン ターフェロンベータ1aでございます。本剤はインターフェロン製剤でございまして、効 能・効果としては多発性硬化症の再発予防ということでございます。実は類薬でインタ ーフェロンベータ1bというものが既に同じく多発症硬化症の薬として承認されており ますが、今回の本剤は週1回の筋肉内投与の薬でございます。本剤につきましては希少 用疾病医薬品に指定されておりまして再審査期間10年間ということです。5月25日の 医薬品第一部会で御審議をいただきまして承認の御了承をいただいております。承認条 件といたしまして、一枚おめくりをいただいて10番の備考欄に国内での治験症例が極め て少ないこともございまして、製造販売後、一定数の症例に係わるデータを集積される 間は全症例を対象に使用成績調査をしていただくということ、2番目といたしまして、 多発性硬化症の再発率等を指標として、長期投与時の有効性及び安全性について検討し ていただくことでこの2項目を承認条件とするということでございます。  続きまして、資料8、販売名はフォサマック錠35mg、ボナロン錠35mgでこれは共同 開発の製品で両方同じものでございます。成分名がアレンドロン酸ナトリウムでござい ます。本剤はビスホスホネート系の骨粗鬆症の薬でございまして、既に本剤の5mg錠が1 日1回投与の製剤といたしまして承認販売されております。今回の35mg錠は有効成分を 7倍量にいたしまして、週1回の投与の製剤にしたということでございます。効能・効 果は既存のものと同じ骨粗鬆症という内容でございます。5月25日の第一部会で御審議 をいただきまして承認の御了承をいただきました。再審査期間は4年間ということでご ざいます。  資料9にいきます。パルミコート吸入液です。成分の一般名はブデソニドでございま す。ブデソニドはステロイド薬でございまして、本剤はネブライザーを使って吸入投与 いたします、小さなお子さん用の吸入用ステロイド懸濁液でございます。効能・効果が 気管支喘息ということでございます。5月25日の第一部会で御審議をいただきまして承 認の御了解をいただいております。再審査期間は4年間ということでございます。  続きまして、資料10でございます。バラクルード錠0.5mg、エンテカビル水和物でご ざいます。本剤はグアノシンヌクレオシド誘導体の抗ウイルス剤でございます。効能・効 果といたしましてはB型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能異常が確認されたB型慢性肝 疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖の抑制ということでございます。5月25日の第一 部会で御審議をいただきまして承認の御了承をいただいております。再審査期間は6年 間ということでございます。  以上が第一部会の新薬の関係でございますが、資料11番が第一部会のオーファンドラ ッグの指定の関係でございますので、手短に御報告いたします。オーファンドラッグの 指定の制度につきましては資料11の一番最後の13ページに制度の概略を書かせていた だきましたが、説明は省略させていただきます。  今回、御報告いたしますのは資料11の2ページ目を御覧いただきまして、その表にあ る3品目でございます。酢酸アネコルタブ、こちらは中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加 齢黄斑変性症で眼の病気でございます。それからリセドロン酸ナトリウム水和物、こち らは骨ページェット病に対する開発でございます。そして、酢酸リュープロレリンは球 脊髄性筋萎縮症について開発をするということでございます。この3つにつきましては 5月25日の第一部会で指定についての御審議をいただきまして指定して差し支えない というふうな御結論をいただいております。以上でございます。 説明中、□□委員着席 ○□□委員 どうもありがとうございました。ただいまの議題3〜11でございますが、 □□□の□□委員から何か追加の御発言をいただけますでしょうか。 ○□□委員 幾つか追加させていただきます。パタノールというのは抗アレルギー点眼 薬で、ケトチフェンという薬剤がございまして、これの比較試験で非劣性が証明されてい るということでございます。プラセボと必ずしも有意差が出たわけではないのですが、 花粉の飛散量が相当地域で異なるという問題がございましたので、ケトチフェンとの非 劣性、抗原誘発試験においてはプラセボ優越性があったということで本剤の有効性は確 認できるというふうに考えました。  議題4、ジェノトロピンは既にこれはイーライ・リリー社製のものが前回承認されて おります。大人の成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)ということがございますが、背 の低い人にむやみに使わないようにということで診断基準重症度の判断基準というのが 学会から出ておりますのでそれに従うようにということでございます。  議題6、ポリドカノールですが、先ほど説明がありましたように食道バリックスには 既に硬化療法で使われておりまして、適応外使用されているということでございます。 したがってこれは必要であろうということになりました。  議題7、アボネックス筋注用でございますが、これは週に1回の投与が可能になると 今までほかのインターフェロン1bというのがあり、これは2日に1回ですが、今回は 週に1回ということです。ただ、症例数が少なかったということで長期評価が必要であ るという判断でございました。  そのほかは議題9、パルミコートでございまして、これはステロイドの吸入薬で従来大 人用のもので粉末しかなかったわけですが、これを小児用の液剤にして使用するという ことです。ただ、ネブライザーの種類によって多少吸入量に差があるということでその 辺の情報を十分に与えるということが必要であります。  議題10、バラクルード錠はB型肝炎ウイルスの増殖抑制を目的としたものですが、既 にラミブジンがございます。ラミブジンの場合は耐性が問題になるということで耐性の 患者さんにもバラクルード錠が有効であるということで承認をさせていただきました。 追加するのは以上でございます。 ○□□委員 どうもありがとうございました。それでは、委員の方々から御意見、御質 問がございましたら、どうぞ。いかがでございましょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 資料3、パタノール点眼液の添付文書のところで2つ伺いたいのですが、 5番目の適応上の注意の投与時のところに眼瞼皮膚等についた場合はすぐ拭き取ること と書いてあります。粘膜はランゲルハンス細胞がないのであまり、かぶれが起こらない のですが、皮膚に付着しますとその可能性があるのでこのように書いていただくのはあ りがたいのですけれども、あまり見ない注意事項だと思います。83か国で既承認されて いるので拭き取らないと何か起こるのでしょうかということをお尋ねしたいのが一つで す。  またその下の3番目に塩化ベンザルコニウムが吸着される可能性があるので10分以 上経過後装用すること書いてありますが、この10分以上経過後というふうに書いてあっ て最初に注意をするとこの通り守られるかどうか心配です。ソフトコンタクトレンズに 吸着しますとどういうことが起こる可能性があるのかを伺いたいのですが。 ○□□委員 こういう記述の根拠を聞いていらっしゃいますけれども、いかがでござい ましょう。 ○審査管理課長 細かい審査の段階ですので、今ここですぐ分かるかどうかなのですが、 機構の方で分かりますか。こちらの注意とかにつきましては審査の段階で必要な情報を コンタクトレンズの装用の関係も含めて設定の根拠などにつきましては一応見て審査を しておりますが、今、手元に資料がないということなので、後刻御報告ということでよ ろしゅうございますでしょうか。 ○□□委員 それでは、そうしていただきたいと思います。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 今の同じパタノール点眼液なのですが、添付文書の副作用のところに下記 のような症状又は異常が見られた場合には投与を中止すると書いてあるのですが、眼が 痛いとか頭痛ならだれでも分かるのですが、点眼液をもらってきて付けていてGPTや GOTが上昇するとか、ヘマトクリットが減少するというようなことはそのようなフォ ローを眼科の医師がしてくれるとは思わないので、どういう状態になったら中止するの かが少し理解ができないのですが。 ○□□委員 何か、この記載について御説明いただけますでしょうか。 ○審査管理課長 これは少し細かく調べてみますが、確かに通常の眼科の結膜炎の場合 に血液検査までしているかどうかということは一般的はしていないかと思いますけれど も、ただ別の病気がありまして、たまたま血液の検査をしているような場合にこういう 肝酵素の上昇、つまり逸脱酵素が見られた場合には中止するかと思います。この薬は医 療用の医薬品ではございますので、そういう意味では医師の中でたまたま血液の検査の 結果が入手できるような状況の場合には「投与を中止してください。」ことでの情報提 供というふうに理解をいたします。 ○□□委員 それは分かりましたが。  ○□□委員 患者とすればどうすればいいのかと。 ○□□委員 患者のために書いてある添付文書はないかもしれませんけれども、ですか らもし医師がそういうことを見たらば気を付けろということだと思いますが。 ○□□委員 そうすると私はよく結膜炎になって眼科に行くものですから、そういう薬 をもらってきたときに「こういうようなことがあったら血液検査でもしなさいよ」とか 言ってくださることはないのでしょうか。 ○審査管理課長 一般的にはこの点眼薬で入ります薬剤量は非常に微量でございますの で、その薬剤が身体に血中回って肝臓に何らかの作用をするというのは余り考えにくい というふうに思われるわけですけれども、別の理由かもしれませんが、実際に肝臓に異 常があるような場合にはあえてこの薬剤を継続する必要はないという意味での注意書き と理解いたしますけれども。少しこの設定につきまして、審査の段階に戻りまして詳細 を調べさせて報告いたしたいと思います。 ○□□委員 そうですね、もし、書きようで今のような疑問が出てこないような書き方 があれば変えていただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。ありがとうご ざいました。ほかにいかがでしょう。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 別紙の審査報告書の31ページですが、2)の一番最後の5行辺りなのです が、1日2回点眼にするか1日4回点眼にするかという御議論の結果として洗眼の花粉 対策もかねて1日4回点眼にするというニュアンスの記述があります。  1日2回点眼と1日4回点眼で基本的な有効、安全性に差はないということがその前 に書かれていまして、国外も1日2回の点眼ということになっていますが、日本では臨 床医の要望が強くて1日4回にしている、その理由が洗眼効果と言いますか、花粉を洗 い流す効果を含めて1日4回というふうになるのは私は点眼薬の主旨とは違うのではな いかと思うのですけれども、そこはいかがなのでしょうか。 ○□□委員 確かにそんな気もいたしますが、川原課長、どうぞ。 ○審査管理課長 そこの部分につきましては、ここに記載のとおりということでござい まして、1日4回でこういう議論の結果になったということでございます。それから既存 の薬剤が抗アレルギー結膜炎については同じような考え方で1日4回という形になって いるということで、それでは既存のものとの整合性を図ったものだと、今報告を受けま した。 ○□□委員 先ほどの□□委員の御質問と係わると思いますが、拭き取らないと何かい けないのですかということが、何か起こるとしたらできるだけ接触回数が少ないほうが いいと思いまして、そのことも含みまして、本当に従来のものがその形に合わせること がいいのかどうかも含めて検討したらいいかと思いますが。 ○□□委員 いかがでございますでしょうか。この薬剤で花粉を洗うというのが少し気 になるかもしれません。意味は分からなくはないですけれども。それを御検討頂くとい うことでよろしいですか。 ○審査管理課長 直ちにということになりますと少し既存のものとの関係がございます けれども、中長期的な御指摘で御了解いただけるようでございましたら、今後の類薬の 審査なども踏まえながら過去のものをどういう形で対応するかということもございます ので、宿題という形で承らせていただければと思いますが。 ○□□委員 先ほどの□□委員の御質問も含めて一つよろしくお願いいたします。ほか にいかがでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 ごく単純な質問なのですが、資料10で41ページの中程に主要評価項目の ことが書いてあるのですが、この臨床試験及び成績が0.5mg群で90%、1mg群で92.9 %、それに対して事前に設定した閾値有効率が45%と書いてあります。その次の実際の 有効率が90%を超えていまして、閾値有効率が60%とありますが、素人として考えると 閾値有効率とは目標として有効率なのではないかという気がするのですが、その割には かなりギャップがあるのですが、この閾値有効率とはどのようなものなのでしょうか。 ○□□委員 いかがでございましょうか。 ○審査管理課長 これは機構の方で分かりますでしょうか。 ○新薬第一部長 詳細は再度確認いたしますが、ここでは閾値と言っている部分は下限 の想定値としていたかと思います。そういう意味で言いますと信頼区間幅の80.5と98.5 の80.5のところが45を上回っているためクリアしたということですが、いずれにしま しても、事前想定値に比べて大変上回っているということは御指摘のとおりでございま す。 ○□□委員 □□委員、いかがでしょう。 ○□□委員 意味は分かりましたし、結構ずれてはいますけれども、事前の設定値が正 しいかなという疑問も生じるわけですけれども。 ○□□委員 その点いかがですか。 ○新薬第一部長 この薬の効果に関しましては、最近出ておりますニューイングランド ジャーナル等でも極めてすばらしい成績と非常に高い評価をされている状況でございま す。事前の設定は従来の抗ウイルス薬で得られている成績の最善値というものをベース にして設定したという経緯がございますので、ラミブジン等の既存の抗ウイルス薬で得 られている成績、その中の最悪値を設定してそれを想定の上で設計をした思います。  したがって、その数字に比べると随分高いのは確かですが、この結果自身は薬の評価 にそのまま表れているかと思います。 恐らく事前の設定が非常に甘かったということで はないと私どもは考えております。 ○□□委員 よろしゅうございますか。ありがとうございました。ほかにもしなければ 先に進ませていただきますが、□□委員、どうぞ。 ○□□委員 資料8ですが、今までの1日1回投与のものが1週間に1回にしたという お話です。緑のタブが付いている2、審査結果の真ん中に週1回投与群と既承認製剤と 同等の有効性が示されていると書かれています。安全性についてはほぼ既承認製剤と同 様ですが、本剤は比較的長期間投与されていて一回の投与量も増加すること等から使用 実態下における安全性及び有効性に関して製造販売後調査で確認する必要があるのでは ないかと、どうして既存の毎日飲む薬で効果が出るのに、同じくらいの効果のもので量 を増加して、飲み方も大変難しい感じですが、わざわざ35mgというものを承認するのか、 その必要性がよく分からないのですが。 ○□□委員 今、□□委員がおっしゃった飲み方が面倒くさいということが大きな理由 なのではないかと思いますけれども。いかがでしょう。 ○審査管理課長 今、□□□にお答えいただいたところでございますけれども、□□先 生御指摘の2ページ目のところから3ページ目でございますけれども、現在の薬剤は毎 日朝服用しまして、30分間は少なくても横にならずに飲食並び他の薬剤の経口摂取も避 けるという形で患者さんによってはかなり御負担もあるということで、これが週1回に なるという部分でございます。  ただ、いろいろな問題もあり得るということで、そこについては市販後の調査におい てきちんと確認をしたいというようなことでございます。 ○□□委員 よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。それでは先に 進ませていただきます。これまでに御審議をいただきましたものについては御確認を頂 いたということにさせていただきまして、次は医薬品第二部会の関係議題で12〜16につ いて御説明を事務局からお願いいたします。 ○事務局 それでは資料12から御説明を申し上げます。資料12、販売名はブスルフェ クス点滴上注用、一般名はブスルファンでございます。本剤はアルキルスルホネート系の DNA、アルキル化剤でございます。今までは経口剤が古くから使用されてきましたが、 今回は点滴静注剤にしたということでございます。効能・効果が同種造血幹細胞移植の 前治療ということでございます。4月21日の医薬品第二部会で御審議をいただきまして 承認の御了承をいただいております。本剤はオーファンドラッグに指定されておりまし て、再審査期間は10年間ということでございます。2ページ目の備考欄のところを御覧 いただきまして承認条件といたしまして国内での治験症例は極めて少ないということで 先ほどの薬と同様ですけれども、製造販売後一定期間全例の調査をしていただくという 内容でございます。  続きまして、資料13番でございます。テモダールカプセル20mg、100mgでございます。 一般名はテモゾロミドでございます。本剤はアルキル化剤の経口剤でございまして、中枢 への移行性がよいという特徴を有しております。悪性神経膠腫は脳腫瘍の悪性のもので ございますが、それについての効能・効果を承認するということでございます。4月21 日の医薬品第二部会で御審議をいただきまして承認の御了承をいただきました。本剤に つきましては本剤投与後の二次性の悪性腫瘍の発生率の追跡調査を長期にするというこ とでオーファンドラッグの指定はしていないのですが、再審査期間は10年間です。承認 条件といたしましては一枚をめくっていただいて裏側でございますが、国内の治験症例 が少ないので全例のフォローアップを一定期間にすることを条件にしております。  続きまして、資料14でございます。イトリゾール内用液1%でございます。成分はイト ラコナゾールで抗真菌薬の内用液剤でございます。既にカプセル剤は承認販売されてお ります。今回、内用液につきまして6番の効能・効果のところですが、口腔咽頭カンジ ダ症、食道カンジダ症の承認をするということでございます。5月24日の第二部会で御 審議をいただきまして承認の御了承をいただきました。再審査期間は4年間という内容 でございます。  続きまして、資料15でございます。ベガモックス点眼液0.5%、成分が塩酸モキシフ ロキサシンでニューキノロン系の抗菌点眼剤です。効能・効果といたしまして、既存の 類薬と同様の眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫ほか効能を取得するということでございます。5月 24日の第二部会の御審議をいただきまして承認の御了承をいただいております。再審査 期間は6年という内容でございます。  第二部会の最後で資料の16でございます。こちらは希少疾病用医薬品指定についての 御報告でございます。一枚めくっていただくと、今回5品目の指定の御報告です。そのう ちbP〜bSにつきましてはいわゆる新型インフルエンザの予防のワクチンの開発でご ざいまして、申請者は4社ございますけれども、いずれも同じ株を持ちましてインフル エンザの予防のワクチンの開発をするという内容で希少疾病医薬品の指定をさせていた だくということでございます。  それから、5番目のネララビンでございますが、こちらのほうは成人の小児における 再発・難治性の下記疾患ということでT細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞性リン パ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫というものについての開発につきまして オーファンドラッグに指定をいたしますという御報告でございます。以上でございます。 ○□□委員 どうもありがとうございました。□□□の□□委員から御追加ございます でしょうか。 ○□□委員 それでは4品目について簡単に追加をさせていただきます。議題12のブス ルフェクスの点滴静注ですけれども、これは今御説明ありましたように経口剤としては 非常に長く使っていたのですが、同種造血幹細胞移植で骨髄移植や末梢血幹細胞移植、 肝細胞移植、臍帯血移植、それの前処置として注射薬として大量に投与するということ が必要でそのメリットについて議論をさせていただきました。そしてまた溶解時の安定 性についても確認して必要な薬であろうということです。小児も移植をしますので、や はり小児の適応の必要性は非常に高いのではないかという議論がございまして、小児で も少数例記載はされたわけですけれども、小児に対する用法・用量を設定するための今 承認申請が既になされているということがございまして、その審査で対応をしますので、 今回このような形で部会では承認をさせていただきました。  次の議題13、テモダールカプセルですが、これは悪性神経膠腫ということでアルキル 化剤で経口薬で、しかも中枢への移行がよいということです。悪性神経膠腫に適応があ るということでアルキル化剤ですので、当然がん原性について添付文書に明確な形で記 載をする方がいいであろうということであります。  また、包装の形態です。患者さんにある規定した量を正確に投与するために薬剤を患 者さんに投与する方法ですけれども、包装形態に少し問題があるということでPTP化 などの検討を引き続き企業に要請することを議論させていただいて伝えるということで 承認をさせていただきました。  議題14、イトリゾール内用液ですけれども、これもカプセル剤としてはもう既に使わ れている薬でございます。口腔咽頭カンジダあるいは食道カンジダ症というような適用 で内用液が期待できます。しかし、口腔内病変に直接作用するということには余り過度 には記載してはいけないということで、これは既存のカプセル剤に加えてバイオアベイ ラビリティーが高くなるということなので例えば、イトリゾールの副作用のその他につ いても十分に注意を払うというようなことをやはり添付文書に明示した方がいいだろう ということが議論をされております。  議題15、ベガモックス点眼液でございます。これも小児を対象とした外国での臨床試 験に関する情報を添付文書に提供をすべきであろうということで添付文書に追記をさせ ていただきました。第二部会では今回、4月21日も5月24日もやはり小児については 臨床試験がしにくいので小児の用法・用量というものがいつも議論されているところで ございます。以上4品目について分科会での議論の内容について主なものをお伝えしま した。以上です。 ○□□委員 どうもありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして 御意見、御質問がありましたら、どうぞ。いかがでございましょうか。□□委員、どう ぞ。 ○□□委員 余り大きなことではないのですが、イトリゾールと内用液ですが、150mg/m Lが一瓶という形の製品になっていると思うのですけれども、確か、1回の使用量が1 日1回、20mg/mLという形になっています。恐らく薬価はmg/mLで収載です。この容器 そのものは患者さんにはとても工夫してあってチャイルドプルーフのような容器になっ ているみたいですが、患者さんにわたすような形はない可能性が…。つまり7日分で投 与されたときに140mg/mLで一本出せなくはないのですが、mg/mLで薬価が収載されると 150mg/mLいってしまうので患者さんは余計な負担をしなくてはいけないということあ ります。前にもこれに似たような大変不安定な薬物があったのですけれども、こういっ た製品について薬価収載も含めて今後どう考えていくのかを教えていただきたいのです が。 ○□□委員 いかがでしょう。課長。 ○審査管理課長 こちらでの御承認をいただきましたあと、保険適用の話が進みますの でただいまの御指摘も踏まえて、できるだけ不都合が生じないような形で対応をする方 向で検討したいと思います。 ○□□委員 □□委員、それでよろしゅうございますか。 ○□□委員 ほかでもそのような議論が出たと思うので、患者さんになるべく不利益に ならないような形でという議論が出たと思いますので。 ○□□委員 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 もっと小さいことで申し訳ないのですが、資料13の添付文書なのですが、 ほかの薬の添付文書では全部処方箋薬と書いてあるのですが、これだけは規制区分注1 としか書いていないので、せっかく規制区分注1と書くならほかと同じように処方箋薬 と書けば良さそうなものではないかと思いますが。 ○審査管理課長 御指摘ありがとうございます。これはまだ、案ということで実際にはき ちんと処方箋薬というふうに医薬品として書くと思いますけれども、御指摘の点は再度 確認をしておきます。どうもありがとうございました。 ○□□委員 ありがとうございました。私は気が付きませんでした。ほかにいかがでご ざいましょう。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 質問なのですが、資料14、27ページで食道カンジダ症の無作為化二重盲検 比較試験の結果の記述のところで事前に設定した−0.2〜0.2の範囲内にありという記 述があるのですが、これは余り国内では見かけない基準でちなみに国内試験の喉頭咽頭 カンジダ症では23ページに非劣性マージン、−0.1というものがあるのですが、これは 海外臨床試験で海外の解析がそうなっているということでしょうか。 ○□□委員 いかがでしょう。 ○審査管理課長 そのようでございますが、確認も大丈夫だそうです。 ○□□委員 よろしゅうございますか。 ○□□委員 それならやむを得ないだと思いますけれども、有効率が0.9を超えるとこ ろで−0.2〜0.2はいかにも我々が考える基準からすると広すぎて、特に国内試験との違 和感があるのですが、海外試験の結果をそのまま書くということでやむを得ないという ことなのでしょう。 ○□□委員 だということですね。 ○審査管理課長 そういうことでございます。御理解いただければと思います。 ○□□委員 ほかに御意見、御質問いかがございましょう。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 教えていただきたいのですが、インフルエンザワクチンの開発、希少疾病 用医薬品になったということなのですが。実際には鳥インフルエンザというのはまだ日 本に感染症例がないということなのですけれども、そうだとしたらワクチンの有効性を どのように証明するのかということについて教えていただけたらと思います。 ○□□委員 どうぞ、お願いいたします。 ○事務局 こちらにつきましては、今まさに臨床試験をしている最中ですが、抗体価の 上昇の程度で有効性の判断をするようにしております。 ○□□委員 よろしゅうございますか。 ○□□委員 それでいいですか。 ○□□委員 抗体価で見ていくということで。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 関連していますけれども、インフルエンザの3ページです。茨城県下で5 名、鳥を扱っているの人が感染しているのではないかと疑われるようなデータが出てい るようです。5ページの方になりますと、もっと多いです。この人たちの陽性の原因は 鳥からということがある程度読めているのでしょうか。そして、発症してはないにして も70余りの人の追跡調査はどうなっているのでしょうか。 ○□□委員 その辺はいかがでしょう。データがありますでしょうか。 ○審査管理課長 その部分につきましては、私どもの別の局の健康局でフォローがされ ている可能性があるということですが、今この段階では分かりません。 ○□□委員 機構の方は、いかがですか。 ○審査管理課長 機構の方もそこの部分が分からないかと思います。これは先ほど申し 上げましたようにWHOから分与していただいたプロトタイプのものについて抗体化を 指標にしてワクチンを開発します。そして今後その開発が進んでいくわけでございます けれども、オーファンドラッグとしての指定をするということです。また、ワクチンが できた段階ではここで個別の御承認審査をいただくということになります。 ○□□委員 □□委員の方はこれはオーファンに指定という意味ではそれはよろしゅう ございますよね。 ○□□委員 あくまでも取り扱っていた人の中に陽性者がこれだけいたということは何 らかの形で感染したという可能性があると思うのですね。ただ、この書類を見るまで私 あるいはどこかで聞き落としたのかもしれませんけれども、聞いてないわけです。です から、やはりこのK10の問題もあるでしょうし、恐らく様態の数値で幾つ以上で陽性と 判断したのか分かりませんが、いずれにしましてもこの方たちを追跡しないことにはや はり今後の開発にもいろいろな影響が出てくるという気がいたしましたので少し気にな りました。 ○□□委員 ほかにいかがでございますか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 本当に細かいことなので最後にと思っていまして、今回申請された書類を 細かく見ますと販売名のところが少し気になりました。いわゆる商標登録されたような 名称と一般名がそのまま販売名という形でその承認の資料になっているものと共存して いる感じがしました。例えば、資料5のガバペンチンという薬の場合は販売名がガバペ ンチンファイザーとガバペンチン錠200、300、400で、確かほかにも一つくらい一般名 といわゆる商品名に相当するものを両方販売名として申請されていたものがあったので すが、その他は商品名だけが販売名のところだけに出てきます。それで医療事故の関係 で販売名というのは結構今部会の方でも慎重に審査をしていると思うのですけれども、 これが共存をしていて実際の添付文書はガバペン錠200、300、400しかついていなく、 どういう承認の仕方になっているのか分からなかったので教えていただきたいのです が。 ○□□委員 事務局は分かりますか。 ○審査管理課長 少し紛らわしく申し訳ございませんでした。例えば、ガバペンチンを 例にとって申し上げますとガバペンチンファイザーといいますのは原薬でございます。 ガバペンチンそのものでございまして、それを外国から輸入するという承認申請なわけ でございます。それを原料としまして、国内で製剤化をしていくということです。  したがいまして、最終的に医療の現場に供給をされますのはガバペン錠200mg、300mg、 400mgのこちらが製剤の販売名でございます。そういう意味で原体の承認申請に係わる ものもこのリストに入れてしまっておりますので、そこが先生方の誤解を招いてしまっ たかと思いますので、実際に医療の現場に原体の販売名が出ていくことはございません ので、その点は御安心、御理解をいただければと思います。 ○□□委員 本来、ここに書かない方がいいわけですね。 ○審査管理課長 原体とか断り書きを書いて記載をしておけば誤解を招くことがなかっ たかというふうに少し反省をいたしております。 ○□□委員 よろしゅうございますか。ありがとうございました。ほかに御意見ござい ませんか。もしなければ、先に進ませていただきます。それでは、第二部会からの議題 は全て御確認いただいたことにさせていただきます。  次は医療材料部会の関係の議題で17でございます。御説明お願いいたします。 □□委員退席 ○事務局 資料17、クックゼニスAAAエンドバスキュラーグラフトについて御説明さ せていただきます。1ページをめくっていただきますと別添1というのがございまして、 上段の写真が本品の構造でございます。またさらに1ページめくっていただくと別添2 の上段に人の身体の模式図がございますが、真ん中のところに左右の腎臓に延びる動脈 とその下の足のところにそれぞれ左右の腸骨動脈がございますが、その2つの図の右側 の方に腎臓と腸骨動脈の間に膨らんだ腹部大動脈瘤というのがあるかと思います。この 腹部大動脈瘤につきまして、下の図2にございますように本品を留置をさせていただき 大動脈瘤の内部への血流というものを遮断することによりまして動脈瘤への拡大、破裂 を防止することを目的として使用するステントグラフトでございます。  本品につきましては6月8日の医療材料部会で御審議頂き、2つの承認条件を付すと いうことで、表紙にお戻り頂きまして条件の1としては一番下にあります承認条件のよ うに「腹部大動脈瘤に対する本品を用いた血管内治療に関する講習の受講等により、本 品の有効性及び安全性を十分に理解し、手技等に関する十分な知識・経験を有する医師 によって用いられるよう、必要な措置を講じること。」  2として「腹部大動脈瘤に対する緊急の人工血管置換術ができる体制が整った医療機 関で本品が使用されるよう、必要な措置を講じること。」この2つの承認条件を付した 上で承認することが適当であるということでございます。それから再審査期間としては 3年、また生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないということで御評価を頂 いております。以上でございます。 ○□□委員 ありがとうございました。これに関しましては□□□の□□委員から御追 加ございますでしょうか。 ○□□委員 この製品のない状況ですとステントと人工血管を用いましてこれまでは手 術現場で医師が手作りで作られたものを使用されていたという状況がございます。した がいまして、本品は医師から待ち望まれている医療用具でございます。また本品につきま しては医療材料部会でいろいろ議論され、外科医、内科医、放射線科医などのチームに よる取り組みが重要であること等が議論され、添付文書(案)についても必要な修正をし てきたところでございます。以上でございます。 ○□□委員 ありがとうございました。それでは委員の皆様方からの御質問、御意見を どうぞ、お願いいたします。いかがでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 これは品目の写真ですが、これはどういう構造で機能するのか少し教えて いただくとありがたいのですが、ジグザグが見えますけれども、これはどういうメカニ ズムなっているのか教えていただけますでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 これはいわゆるステントグラフトといいまして、当初は折り 畳みの状態でもってございまして、大腿部の動脈のところから挿入いたしまして、大動脈 のところへもっていき内側から膨らんで、それによって手術をするという血管内治療を 行うための材料になっております。  したがいまして、別添1の図でいいますと下にデリバリーシステムというものが書い てありますけれども、折り畳んだ状態でこの中に入っておりますものを患部まで持って 行きます。さらに操作によって広げると外側にステントで金属フレームがございまして その内側に人工血管が付いていて、そのものが大動脈のところで広がります。それをX 線の透視下で手技によって行うという新しい治療方法でございます。 ○□□委員 □□委員、それでよろしゅうございますか。ほかに御質問ございますでし ょうか。何か御意見がございましたら御発言ください。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 使用に当たって、講習会を開催してそこでトレーニングを行うということ なのですが、具体的にはどういうことが計画されておるのでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 これにつきましては実際に開発しました、メーカーあるいは 輸入します会社の方の責任でありますけれども、実際に手技を行っております専門委員 が手術の立ち会いをすることやあるいはこの操作に関する手技の講習を行う、そういっ たようなことのコースを組んで実行することを会社は検討しています。 ○□□委員 よろしゅうございますでしょうか。 ○□□委員 はい。 ○□□委員 ほかに□□委員、どうぞ。 ○□□委員 □□委員からの御指摘があったことは新しい治療機器を入れるときに大変 大事なことだと思います。警告で適応についてもチーム医療で行い、使用の場合にも施 設や医師を厳しくし、留置後のフォローアップもチーム医療で行うという意味では新し い治療については厳しい縛りのようなガイドラインが決められているのだろうと思いま す。  いずれにしても、国内の治験が4施設しかないことがありますので、どのように研修 をしてこれを広めていくかはこれからの課題であろうと思います。外科医が行っている ところと内科医、放射線科医が行っているところがあるということも一つの特徴だと思 いますので、厚生労働省から10学会に基準を作るようにということで御指示いただいた と聞いておりますが、10学会で研修システムというものもまた考えていただいたらあり がたいと思います。 ○□□委員 ありがとうございました。ほかに御意見ございませんでしょうか。よろし ゅうございますか。もし、よろしければ本件については御確認をいただいたというで、 次は生物由来技術部会関係で議題18について御説明お願いいたします。 ○事務局 議題18につきまして御説明させていただきます。資料18になります。こち らの第一段落にヒト由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針 とございますけれども、この指針とはヒト由来の細胞・組織を加工した医薬品又は医療 機器及び品質及び安全性確保のために必要な基本的要件を定めたものでございます。4 月12日に開催されました生物由来技術部会において、テルモ株式会社の自己由来、骨格 筋芽細胞についてこの指針に適合していることが確認されましたので、御報告申し上げ ます。  なお、この確認申請の制度はあくまでこれから治験に入る前にそのものの品質及び安 全性の確認を行うことを目的としたものでございまして、生物由来技術部会で確認いた だいたことが直ちに本品の細胞組織加工医薬品としての製造承認に結びつくものではご ざいません。資料の(5)申請品目の概要でございますけれども、骨格筋芽細胞は患者自身 の□□または□□□の筋肉組織□□□gから分離した骨格筋芽細胞を培養し懸濁液とし て心筋の梗塞部及びその周辺に移植することにより心機能の改善をはかるものでござい ます。今後、承認申請のため臨床試験が□□□施設で行われるということでございます。 以上でございます。 ○□□委員 ありがとうございました。あくまでもこれから治験をするのに安全であろ うという確認ですね。□□委員、どうぞ□□□として御発言をお願いします。 ○□□委員 それでは簡単に補足説明をさせていただきます。心筋梗塞になりまして、 心筋が壊死いたしますと再生することはないというふうに言われております。その結果 心不全になりますと、軽症では薬剤投与による治療が試みられるというわけであります けれども、重症な場合には左室補助人工心臓の装着あるいは心臓移植を行うこととなり ます。このヒト筋細胞製品というのは重症の心筋梗塞患者さん御自身から得た骨格筋芽 細胞を培養して心筋梗塞部位、その周辺に直接注入するということで心機能が改善され るということを期待して開発されたものであります。  生物由来技術部会ではこの開発された製品につきまして治験に進むにあたって差し支 えとなる品質、安全性上の大きな問題点がないかどうか又倫理上の問題はないかという ことについても評価検討いたしまして治験に進む検討を開始することを差し支えないと 判断したということでございます。臨床的な有効性あるいは安全性というのはこれから の治験を基に評価されるということでありますし、製品の品質規格あるいは品質管理の あり方につきましても最終的には臨床上の所見あるいは今後の製造実績などを踏まえて 次第につめられて設定されていくということでございます。以上でございます。 ○□□委員 ありがとうございました。いかがですか。本件に関しまして御質問、御意 見どうぞ。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 適応症は左心室に貫壁性梗塞巣を有する虚血性心疾患とあるのですが、そ れによる重症心不全というのを入れていただいた方がよろしいかと思いますが、いかが でしょうか。 ○□□委員 いかがでしょう。 ○審査管理課長 これは一応、目指している適応症ということで企業側の方がこういう 記載をしておりますけれども、先ほど早川部会長から御説明ありましたように今後治験 が実施されまして、最終的な適応症の申請ということになりますと心不全という病態の 効能を入れた方がいいということであれば将来的にはそういう形で反映したいと思いま す。 ○□□委員 ありがとうございます。□□委員、それでよろしゅうございますか。 ○□□委員 はい。 ○□□委員 ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。では、この件につ いても御確認いただいたということにさせていただきます。  次は動物用医薬品等部会関係する議題で19〜27までございますが、一つまとめて御説 明お願いできますでしょうか。よろしくお願いします。 ○事務局 農林水産省でございます。動物用医薬品等部会関係の議題19〜27、計9議題 につきまして御報告させていただきます。まず議題19、動物用医薬品ウエストナイルイ ノベーターの製造販売承認の可否及び再審査期間の指定についてでございます。資料番 号19を御覧ください。まず最初に4、成分及び分量欄を御覧ください。本剤はサル腎 (Vero)細胞培養ウエストナイルウイルスVM-2株を主剤とする不活化ワクチンの注射 剤でございます。5、用法及び用量欄を御覧ください。用法及び用量は初年度は1mg/mL を筋肉内注射後3〜6週間後、2回目を筋肉内注射する、その後1年毎に1mg/mLを筋 肉内注射するものでございます。  続きまして、6、効能・効果の欄を御覧ください。馬におけるウエストナイルウイル スによるウイルス血症の予防を効能・効果として持つものでございます。平成18年5月 25日に開催の動物用医薬品等部会で御審議いただき承認を可とし、薬事分科会に報告し て差し支えない、なお再審査期間は6年間とされております。  続きまして、議題20でございますが、動物用医薬品クリオマレック(HVT)の輸入承 認事項変更承認に可否及び再審査期間の指定についてでございます。資料番号20で、ま ず6、効能又は効果を御覧ください。本剤は鶏のマレック病の予防に効能・効果をもつ 生ワクチンの注射剤でございます。  続きまして、5、用法及び用量欄を御覧ください。今般、用法及び用量に記載されて おります、既承認の頸部皮下接種に加え新たに発育鶏卵内接種を追加するものでござい ます。本年5月25日に開催の動物用医薬品等部会で御審議いただき、申請書の製造方法 の欄の整備及び当該整備に併せて他の資料の整合性をとることを条件に承認を可として 薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は6年間とされております。  続きまして、議題21でございますが、動物用医薬品クリオマレック(RISPENS+HVT) の輸入承認事項変更承認の可否及び再審査期間の指定についてでございます。資料番号 の21で最初に6、効能又は効果の欄を御覧ください。本剤は鶏のマレック病の予防、効 能・効果とする生ワクチンの注射剤でございます。5、用法及び用量欄を御覧ください。 今般用法・用量に発育鶏卵内接種を追加するものでございます。本年、5月25日に開催 の動物用医薬品等部会で御審議いただき申請書の製造方法の欄の整備及び当該整備に併 せて他の資料の整合性をとることを条件に承認を可とし、薬事分科会に報告して差し支 えないとされました。なお、再審査期間は6年間とされております。  続きまして、議題22です。動物用医薬品アピバールの輸入承認の可否、再審査期間の 指定及び毒劇薬の指定についてでございます。資料番号22を御覧ください。本剤はアミ トラズを主剤とするみつばち巣箱につるす懸垂剤でございます。5、用法及び用量欄を御 覧ください。最初の採蜜期以前の早春期及び最終採蜜後の秋期に施用する。巣板8枚の 標準みつばち巣箱当たり本剤2枚を用いる。本剤は、2枚目と3枚目の巣板の間及び6 枚目と7枚目の巣板の間にそれぞれ1枚ずつ、巣板の中央付近に懸垂するという使用方 法でございます。6、効能又は効果の欄を御覧ください。みつばち寄生ダニ(ミツバチヘ ギイタダニ)の駆除を効能・効果として持つものでございます。平成18年5月25日に開 催の動物用医薬品等部会で御審議いただき承認を可として薬事分科会に報告して差し支 えない、なお本剤は劇薬に該当し、再審査期間は6年とされました。  続きまして、議題23でございます。動物用医薬品メタカム0.5%注射液の製造販売承 認事項変更承認の可否及び再審査期間の指定についてでございます。資料番号23を御覧 ください。本剤はメロキシカムを主剤とする犬用の注射剤でございます。今般、6、効 能又は効果の欄に示すとおり対象動物として猫を追加するものでございます。平成18年 5月25日に開催の動物用医薬品等部会で御審議いただき承認を可とし、薬事分科会に報 告して差し支えない、再審査期間は2年間とされております。  続きまして、議題24、動物用タリビッド、4製剤の製造承認事項変更承認の可否及び 再審査期間の指定についてでございます。資料番号24を御覧ください。これら4製剤は フルオロキノロン系合成抗菌性物質であるオフロキサシンを含有する錠剤又は粒剤で強 制的に経口投与する用法のものでございます。6、効能又は効果欄を御覧ください。効能 又は効果欄に記載の適応症のうち犬及び猫の細菌性尿路感染症については既に承認され ておりますが、今回は犬の細菌性皮膚感染症の効能を追加する事項変更承認申請でござ います。本年5月25日に開催されました、動物用医薬品等部会におきまして、本剤につ いては承認を可とし、薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は2年間と するという審議結果を頂いております。  なお、審議経過票の方に一部誤りがございまして、新有効成分含有動物用医薬品と書い ておりますが、これは新効能動物用医薬品の間違いでありますので、御訂正をお願いい たします。  続きまして、議題25、動物用医薬品水産用テラマイシン散ほか17品目の製造販売承 認事項変更承認の可否及び再審査期間の指定についてでございます。資料番号25を御覧 ください。水産用テラマイシン散ほか17品目につきましては塩酸オキシテトラサイクリ ン散を主成分とする医薬品でございます。既に水産用医薬品として承認を得ている7社 の共同申請でございます。6、効能又は効果の欄を御覧ください。塩酸オキシテトラサイ クリンはこれまで、すずき目魚類、にしん目魚類、うなぎ目魚類、かれい目魚類を対象 動物として承認されておりましたが、一番下に記載されております、ふぐ目魚類を今般 効能追加するものでございます。本年5月25日の動物用医薬品等部会におきまして承認 を可とし、薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は2年間とするとされ ております。  続きまして、議題26でございます。動物用生物学的製剤基準の一部改正についてでご ざいます。資料番号26を御覧ください。この基準は薬事法第42条第1項の規定に基づき 農林水産大臣が動物用生物学製剤について薬事・食品衛生審議会に御意見を聞いて農林 水産省告示により定めるものでございます。今回の基準の一部改正案は再審査期間の終 了したものについて新たに当該基準に収載するために改正するものでございます。本案 につきましても5月25日に開催されました動物用医薬品等部会で了承されたものでご ざいます。  最後に議題27でございます。動物用医薬品の使用の規制に関する省令の一部改正につ いてでございます。資料番号27を御覧ください。この省令は薬事法第83条の4に基づく 農林水産省令で農林水産大臣が畜水産物の残留防止のために使用者が守るべき動物用医 薬品の適正な使用方法の基準を定めるものでございます。本年、5月25日に開催されま した、動物用医薬品等部会で了承されたものでございます。1〜2ページ目は先ほど報告 しました、議題22のアピバールの承認に伴う改正でございます。アミトラズを有効成分 とする懸垂剤をみつばちに使用する際の用法及び用量と使用禁止期間を定めるものでご ざいます。  こちらで訂正がございまして、2ページ目のところでございますが、アスポキシシリン を有効成分とする注射剤と記載されておりますが、これは硫酸アプラマイシンを有効成 分とする飲水添加剤の誤りですので御訂正をお願いいたします。  続きまして、3ページ目〜4ページ目でございますが、先ほど御報告いたしました議 題25の水産用テラマイシンほか17品目の承認に伴う改正でございます。塩酸オキシテト ラサイクリンを有効成分とする飼料添加剤をふぐ目魚類に使用する際の用法及び用量と 使用禁止期間を定めるものでございます。  続きまして、5〜9ページでございますが、5月29日に施行されました、食品衛生法 に基づくポジティブリスト制度に伴って新たに乳房注入剤を追加する改正でございま す。説明文の記載の一部が5月29日以前の表現となっておりますが、この件についてお 詫びさせていただきたいと思います。以上で報告を終了します。どうぞ、御確認のほど よろしくお願いいたします。 ○□□委員 どうもありがとうございました。□□□□□から御追加の発言があります か。 ○□□委員 特にございません。 ○□□委員 それでは御意見、御質問を委員の皆様方からどうぞ、御発言ください。よ ろしゅうございますか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 資料25の水産用テラマイシンですが、飼料添加剤ということは養殖してい る海の中にえさと一緒に投与することですよね、その場合の海の環境への影響というよ うなものは審査の対象になっているのでしょうか。 ○□□委員 いかがでしょうか。 ○事務局 事務局からお答えさせていただきます。安定性試験において環境中に長時間 残留するような水産薬は承認しないような形になっております。もう一つが環境中への 影響というのをよく心配されますが、現在、水産薬の投与の場合は制限給餌と言いまし て、しばらくえさを抑えまして医薬品が環境中に出ないよう全部食べるような形で投与 するようにしております。それが医薬品が高価だということもありまして、養殖業者も 使った医薬品を全て養殖魚に行き渡らせたいというふうな形で投入するようにしている ということです。 ○□□委員 よろしゅうございますか。 ○□□委員 使い方はそうだと思うのですが、審査の段階で海にそれが入った場合にど ういう影響があり得るのかというような資料や情報は審査の対象なのでしょうか。 ○□□委員 いかがでしょう。 ○事務局 薬事法上審査の対象にはなっておりませんが、最近の医薬品については環境 中の藻やほかの生物に対する影響についても申請資料として添付していただいておりま す。ただ、水産用テラマイシン散については最初に承認されたのが1971年のものですか ら、これについてはそういう資料は添付されておりません。 ○□□委員 よろしゅうございますでしょうか。□□委員、どうぞ。 ○□□委員 若干、今□□先生がお話に関連すると思うのですが、以前動物の殺虫剤の 環境に対する影響ということで伺ったことがあるのですけれども、こういう魚やいろい ろなものに使う抗生物質の生産量を国としてモニターしていくべきではないかと思うの ですが、いかがでしょうか。 ○□□委員 その点に関していかがでございますでしょうか。農水省の方から、どうぞ。 ○事務局 現在、動物用医薬品等取締規則の中で、製造販売業者等に毎年1回どれくら い製造、販売したかというデータを提出するようにさせております。 ○□□委員 そのデータを我々が見ることが可能でしょうか。 ○事務局 毎年、データにして報告するようにしております。 ○□□委員 それでよろしゅうございますか。ほかにいかがでしょうか。□□委員、ど うぞ。 ○□□委員 今のと同じような質問なのですが、テトラサイクリンは小児や妊婦には使 えない薬でございますので、これは残留しないように使用期間をきちんとしているよう ですけれども、ときどき魚を抜き打ち検査をしてこういう薬が残っていないかどうかと いうのは検査をされるのでしょうか。報告だけを受けるのか、使用期間や水揚げ期間と いろいろ記載されているようなのですが。 ○□□委員 □□□□□、どうぞ。 ○□□委員 資料25の一番表紙に見ていただくと分かるのですが、例えばいろいろな魚 の種類が挙がっています。これはみんな商品になる前の極めて小さい状態です。この段 階でもろもろの疾病を予防して、その後薬剤を切って成長を図るということですから、 子供のワクチンみたいなものでして、店頭に並ぶような大きな魚にこれを使っているわ けではございませんので、その点の御心配はまずないというふうに考えていただいて結 構だと思います。 ○□□委員 それでよろしゅうございますか。 ○□□委員 資料に体重1kg当たりと書いてありますが、小さい状態の魚でもよいので すか。 ○□□委員 それは皆さん御存じのようにマウスやラットを使っても体重1kg当たり という表示がございますので、同様にお考えいただければ結構かと思います。 ○□□委員 ありがとうございました。ほかに動物用医薬品についていかがでございま しょうか。よろしゅうございますか。それでは議題19〜27の動物用医薬品等部会関連の 議題は御確認いただいたということにさせていただきます。そのほか何かございません でしょうか、委員の皆様方から特に御発言ございますか。もし、なければこれで本日の 議事を終了させていただきます。どうもありがとうございました。  次回の薬事分科会は9月中旬以降に行う予定でございますけれども、もちろん具体的 な日程は皆様方の御都合を伺ってから決めさせていただきます。本日はどうもありがと うございました。 (了)   連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)      - 1 -